注目を集める10代選手の一人、19歳のロレンツォ・ムゼッティ(イタリア)が今シーズンを振り返りながら今の心境を語った。A…

注目を集める10代選手の一人、19歳のロレンツォ・ムゼッティ(イタリア)が今シーズンを振り返りながら今の心境を語った。ATP(男子プロテニス協会)公式ウェブサイトが報じている。【関連記事】ムゼッティ、シナー 若きクレーコーターたちの躍進

世界ランキング61位のムゼッティは、ロジャー・フェデラー(スイス)と同じく華麗な片手のバックハンドを持ち、強烈なショットに加えて巧みなネットプレーやドロップショットを操り、多くのファンを魅了してきた。だが最近、「ネクストジェン」として活躍する本人の笑顔があまり見られなくなっていた。

9月下旬に行われた「ATP250 ヌルスルタン」の1回戦で、予選を勝ち上がってきた世界165位のマルク・ポルマンズ(オーストラリア)を6-4、2-6、6-4で下したムゼッティは、「テニスの精神、テニスへの情熱を失っていた。コートの中でも外でも、いろいろなことに気を取られていたんだ。恋人と別れたり、他にもいろんなことがあったからね」と語った。

1年以上前から注目されるようになっていたムゼッティだが、本人としては4回戦まで進んだ「全仏オープン」で大きな変化を感じるようになったようだ。ムゼッティは第13シードのダビド・ゴファン(ベルギー)、西岡良仁(日本/ミキハウス)、親友でもあるマルコ・チェッキナート(イタリア)を次々と倒すと、4回戦では第1シードのノバク・ジョコビッチ(セルビア)に敗れたものの、最初の2セットを奪った。

「“全仏オープン”の後からかなり注目されるようになった。メディアやコート外のことに時間を割きすぎて、自分のテニスに十分に集中できていなかったのかもしれない。僕にとってはつらい時期だったよ」と振り返るムゼッティは、「全米オープン」で気持ちを切り替えることができたという。

「もう少しテニスを楽しむように心がけたんだ。その感覚をニューヨークで取り戻すことができたと思っている。あの大会は本当にいい雰囲気だったよ。街に出ることができたし、たくさんの選手や友人にも会えた。もっと良いトレーニングができるようになって、安定したテニスもできた。そしてやっと笑顔になれたんだ。もう悲しみに浸る自分ではなくなったんだよ」

ムゼッティは今季、「ATP500 アカプルコ」と「ATP250 リヨン」で準決勝に進出するなど、「全仏オープン」以外でも活躍し、シーズン初めは129位だったランキングを9月中旬にはキャリアハイの57位まで上げた。「19歳の選手にとって、ほとんどの試合で勝つことを期待されるのは大きなプレッシャーなんだ。僕はそのプレッシャーにどう対処したらいいのかわからなかった。それが内側で爆発してしまい、コート上で100%の力を発揮することができなかった。でもメンタルトレーナーについてもらってからはうまくいっているよ。こういうことを変えるのは難しいし、まだまだ改善する部分はたくさんあるけど、精神的に成長したと思う」

「全米オープン」で準優勝を果たした19歳のレイラ・フェルナンデス(カナダ)やベスト8の18歳、カルロス・アルカラス(スペイン)とともにジュニア時代から切磋琢磨してきたムゼッティは、同世代の仲間たちの活躍に勇気づけられたと話す。

「“全米オープン”で優勝したエマ・ラドゥカヌ(イギリス)もカルロスも18歳だ。レイラとは親しい友人だけど、彼女も予想外の結果を残したね。僕たちは全員18歳や19歳だから、かなりモチベーションをかき立てられているよ。みんなすごく良いプレーをしていたけど、その分、厳しいトレーニングを積んできたんだ。誰もが何かを犠牲にしている。でも才能があって何かを犠牲にできるなら、それは悪くない組み合わせだね。彼らは素晴らしい結果を残したし、それにふさわしい選手たちだ。僕もその仲間入りをしたい」

そんなムゼッティの目下の目標は「ネクストジェネレーション・ATPファイナルズ」(イタリア・ミラノ/11月9日~11月13日/室内ハードコート)出場。21歳以下の上位8選手しか参加できない同大会への出場権を争うレースでムゼッティは現在6位につけている。「この大会がすごく楽しみだから、ぜひ参加したい。母国の観客が集まるミラノでプレーできることは僕にとって特別なんだ。故郷にも近いしね。参加できたら良い大会にするつもりだよ。これからできるだけポイントを稼いで、参戦資格を得たい」

(テニスデイリー編集部)

※写真は「全仏オープン」でのムゼッティ

(Photo by Clive Brunskill/Getty Images)