■9月29日/J1第28節 川崎フロンターレ 3-1 ヴィッセル神戸(等々力競技場) この日も等々力劇場が大盛り上がりだ…
■9月29日/J1第28節 川崎フロンターレ 3-1 ヴィッセル神戸(等々力競技場)
この日も等々力劇場が大盛り上がりだ!
13分という開始早々のタイミングで武藤嘉紀に得点を決められたように、前半はゲームを思うように支配できなかった。最前線で構える大迫勇也が競り合いやポストプレーで強さを見せることでボールを保持され、武藤嘉紀やアンドレス・イニエスタらが絡む攻撃を守備でうまくハメることができなかった。
当然、いくつもの要因があるだろうが、疲労もその一つだ。川崎は4連戦のこれが3戦目。直近のリーグ・湘南戦からは中2日で、そこから選手を6人入れ替えて臨んだ。
神戸もそれは織り込み済み。試合開始直後から大迫や武藤が守備意識高く川崎にプレッシャーをかけてきたのは、川崎対策として当然のことだった。出足鋭くボールを奪い、奪ったら素早く前線にボールを送るという神戸の策が見事に的中。武藤の得点もその中で生まれた。
1点ビハインドで折り返した後半は、「全員がネジを巻き直して」(鬼木達監督)挑んだ。
前節は前半から3枚替えを施して後半を戦ったが、神戸戦はけっして戦い方が悪いわけではなかった。細かなミスが重なった影響が大きく、「前半途中から、あの形をやり続ければいけるだろう」と指揮官は振り返っている。そして、「(前半は)相手も飛ばし続けていた」(鬼木監督)というように、ピッチ上に立つ選手は同じでも流れは変わった。
■一時モニターに「VAR」の画面が浮かび上がるも…
「後半の立ち上がりから一気に仕掛けてくれて流れが変わった」と指揮官が話すように、後半開始わずか数秒で決定機を作る。
旗手怜央から縦のスルーパスを受けたマルシーニョが、左からグラウンダーのクロスを入れる。それをレアンドロ・ダミアンがペナルティエリアの深い場所でゴールネットを背にして受け、落とす。そこに走り込んできたのは脇坂泰斗。神戸のGKはダミアンに向けて飛びだしており、ゴールはがら空き。この絶好機を脇坂は外してしまうが、このときの“期待感”が等々力劇場を開演に導いた。
前半とは打って変わって川崎がボールを支配。ほぼワンサイドゲームに持ち込む。前節も前々節も逆転勝ち。特に湘南戦はここ等々力で、その光景を5000人近いサポーターが“目撃”している。その“再演”を期待するのは当然だ。
ボルテージが上がった等々力で、サッカーの神様は2つの舞台装置を用意した。
1つ目は、54分に川崎に与えられたPK、もう1つは56分のPKだ。1本目は家長昭博が外したものの、2本目はレアンドロ・ダミアンが決めてみせる。早い段階で試合をイーブンに戻した。
PKはいずれもオンフィールドレビューはなし。一時、等々力競技場のモニターにVARの表示が出たものの、オンフィールドレビューがなされることはなかった。主審の判断ですぐにPKとなり、蹴ることができた。PKは水物。映像や複数の目が入ればどう転ぶか分からない。等々力劇場の熱気が、好展開をもたらしたともいえた。
■定着しつつある「システムの運用法とウイングの使い分け」
この熱気は、クロスをも得点に変える。山根視来が右サイドから上げたクロスが、神戸DFトーマス・フェルマーレンのミスによってそのままゴールイン。結果的に、このゴールが3戦連続逆転勝利をもたらした。その後、家長昭博もゴールを決めて試合は3-1で勝利。
直近2試合は最少得点差勝利だったが、“目標”である「1試合3得点」を達成して白星を得た。
「まだもう一戦あるので、切らすことなく突き進みたい」
こう話す指揮官の目は、中2日でやってくる多摩川クラシコにすでに向いている。
ビハインドを跳ね返す力を取り戻した川崎は、ここ数試合で新たな戦い方を定着させつつある。大まかにいえば、一つはシステムの運用法。もう一つは、ウイングの使い分けだ。