今週は中山競馬場で第55回・スプリンターズS(GI、芝1200m)が行われる。昨…

今週は中山競馬場で第55回・スプリンターズS(GI、芝1200m)が行われる。昨年のスプリンターズS2着馬で、昨年末の香港スプリント、今年の高松宮記念を優勝するなど国内外でスプリント王者として君臨しているダノンスマッシュはグランアレグリア不在となる今年は落とせない一戦となりそう。レシステンシアは高松宮記念で2着も秋初戦のセントウルSで見事勝利、勢いそのままに2歳以来となるGI制覇を狙っている。その他、3歳牡馬ピクシーナイト、サマースプリントシリーズのチャンピオンとなったファストフォースなども虎視眈々と狙っている。

ここでは出走メンバーから想定される「ペース」と「ポジション」を読み解き、馬券のヒントとなる「危険な人気馬」としてレシステンシアを取り上げたい。

◆【スプリンターズS2021/前走ローテ】セントウルS組は過去10年5勝と圧倒的も、注目は2年連続好走中の「北九州記念組」

■前哨戦セントウルS覇者レシステンシアの明と暗

まずは、レシステンシアの近4走について考察する。1番人気に推された4走前の阪急杯ではキャリア初の距離短縮ながらも、逃げて2着以下に影を踏ませない競馬を披露し、1分19秒2の好タイムで快勝した。さらに距離短縮となった3走前の高松宮記念は外枠から本来の「逃げ」の戦法はとらず、道中6~7番手に構え脚をためる競馬をした。重馬場ながらも上がりはメンバー中3位となる「34秒5」を計測し、競馬の幅の広さを利かせたレースとなった。

前々走のヴィクトリアマイルは番手につけ、クリスティ、スマイルカナを早々に交わしにかかるもグランアレグリアの鬼脚に屈し、ランブリングアレーやマジックキャッスルにも交わされて6着に惨敗した。そして前走のセントウルSではシャンデリアムーンが逃げの手を打つ中、2番手に構えて並ぶ間もなく交わしラチを頼りに中京の急坂を駆け上がった。最後足が上がってしまい、ピクシーナイトの急襲もあったが、見事逃げ切り勝利を挙げた。

戦歴からも「レースセンスがあり、持続性のある先行力を武器にスプリントでも好走している」と評価することも出来る。しかし、短距離戦で好走している舞台は左回りの中京競馬場。今回の舞台となる中山競馬場はデビュー以来一度も経験したことがなく、さらに関東圏への輸送競馬は【0-1-0-1】で、3歳時のNHKマイルC(2着)、ヴィクトリアマイル(6着)と一度も勝利を挙げることが出来ていないのだ。

■快速馬2頭が作り出す「ハイペース」に一抹の不安

今回出走想定メンバーを見渡すと、「是が非でも前に行きたい馬」が3頭おり、テンの速さは国内ナンバーワンであろうモズスーパーフレア、スタートセンス、二の足に定評のあるビアンフェ、走り出したら止まることを知らない爆速娘メイケイエールらが登録している。中でもモズスーパーフレアは中山競馬場での短距離戦では実績上位な存在で、19年スプリンターズSで2着に好走していることに加え今回も松若風馬騎手が跨ることから、「勝ちに行く逃げ」の作戦を打ってくるだろう。

しかし、最も注目しなければならない存在はメイケイエールになりそう。持っている能力、エンジンは既にGI級の存在ながらも荒ぶる「気性」が歯止めをかけてしまい凡走が続いてしまっているメイケイエールだが、新たな鞍上にオルフェーヴルの背中を知る池添謙一騎手が跨ることから今回はより勝負気配が漂う。メイケイエールが勝利するパターンを想定すると「高速の逃げを打つモズ&ビアンフェがいるため、前に追いつけず好位で折り合える」「出遅れるも鬼脚で差し切る」のどちらかになり、凡走するパターンは「掛かって3コーナー付近で一気にまくり、先頭に立ってしまう」ことだろう。

番手に付けたいレシステンシアにとっての課題は「ペース」、「ポジション」、「急坂」であることからも、メイケイエールの存在によりペースが乱されてポジションが取れなくなってしまう可能性が高く、その上前走で脚が鈍ってしまった「急坂」も対応しなければならないため勝ち切るということは難しいだろう。

■馬券の妙味を考えると最終結論は「消し」

ここまでレシステンシアに関する不安要素を紹介したが、現役屈指のスピードを誇る快速牝馬がここに出走してくれたことに敬意を表したい。

ただ、馬券の妙味を考えると、ここは「消し」の評価。

本命はメイケイエール。前述にもあった通り、好走パターンさえ条件を達成すれば元々の素質は3歳牝馬ながらこのメンバーでも最上位なことから、いつ好走してもおかしくない馬であることは間違いない。既に重賞3勝を挙げているメイケイエールだが、大暴走をしてしまった桜花賞以外では負けても0.2~0.3秒差で惜敗しており、意外にも「堅実な走りをしている」のだ。人気が落ちるここで狙いたいところ。対抗はモズスーパーフレア。前走北九州記念ではヨカヨカの末脚に屈したものの、6歳馬らしくないその逃げ足は衰え知らず。中山競馬場の成績は【3-2-0-1】とメンバー最多の5連対を挙げていることからも相手筆頭として今年もマークしておきたいところだ。

以下、押さえで3歳馬ピクシーナイト、ジャンダルム、ダノンスマッシュ、ビアンフェとする。ジャンダルムは前走セントウルSで出遅れながら後方13番手から上がり最速の32秒6の末脚でレシステンシアらに迫った4着に好走した。中山競馬場では春雷Sで既に勝利を挙げており中山に戻るのは歓迎のクチ。今回は馬具を工夫して挑む予定で、母ビリーヴもスプリンターズSで2年連続で好走していることからもこの馬が穴をあけることも想定したい。

◆【スプリンターズS2021/脚質傾向】レシステンシアに逃げ・先行“0勝”の不安データ 注目は最多9勝の「差し」

◆【スプリンターズS】ダノンスマッシュ充電完了!春秋連覇決める

◆【凱旋門賞】国内現役最強牝馬クロノジェネシス 「いつも通りの調整」で勝つ

文・西舘洸希(SPREAD編集部)