10月3日、中山競馬場でGⅠスプリンターズS(芝1200m)が行なわれる。 このレースは「秋のGⅠ」の第1戦。昨年はグ…
10月3日、中山競馬場でGⅠスプリンターズS(芝1200m)が行なわれる。
このレースは「秋のGⅠ」の第1戦。昨年はグランアレグリアが強烈な末脚を繰り出して差し切り、続くGⅠマイルチャンピオンシップも制している。今年は、GⅠ香港スプリントとGⅠ高松宮記念を勝ったダノンスマッシュ、2019年のGⅠ阪神ジュベナイルフィリーズを勝ったレシステンシア、昨年の高松宮記念を勝ったモズスーパーフレアと、3頭のGⅠ馬が出走予定。ハイレベルな争いが予想される。
スプリンターズSの血統的傾向として挙げられるのが、ミスタープロスペクター系の好成績。過去5年の勝ち馬5頭のうち4頭、連対馬10頭のうち7頭、3着以内馬15頭のうち10頭がミスタープロスペクターの直系で、15頭中13頭が5代内にこの血を持っていた。昨年の勝ち馬グランアレグリアはディープインパクト産駒だが、母タピッツフライがミスタープロスペクターの4・5×5のクロスの持ち主で、大きな影響を受けていた。
今年はロードカナロア産駒のダノンスマッシュ、ファストフォース、ロードアクア、スペイツタウン産駒のモズスーパーフレアの4頭がミスタープロスペクター系。この中では、やはり実績ナンバーワンのダノンスマッシュ(牡6歳/栗東・安田隆行厩舎)は軽視できない。

高松宮記念を制したダノンスマッシュ
4月の香港GⅠチェアマンズスプリントプライズ(芝1200m)で6着になって以来約5カ月ぶりの実戦となるが、今年の高松宮記念も約3カ月半ぶりの実戦で快勝と、休み明けは苦にしないタイプ。同レースでは重馬場も克服しており、馬場状態にも左右されない頼もしい存在だ。
スプリンターズSには2019年、昨年と2年連続で出走し、2019年が勝ち馬タワーオブロンドンから0秒1差の3着、昨年がグランアレグリアから2馬身差の2着。特に昨年は強い内容だった。勝ったグランアレグリア、3着のアウィルアウェイは4コーナーで15番手、16番手と、前半は脚を溜める戦法で差してきた。しかしダノンスマッシュは、前半3F32秒8、1000m通過56秒2のハイペースを4番手追走から2着に食い込んでいる。
中山では昨年のGⅢオーシャンSも勝利して3戦1勝とコース適性もある。"3度目の正直"で春秋のスプリントGⅠ制覇の可能性は高い。
父ロードカナロアは2012年、2013年のこのレースの勝ち馬。ダノンスマッシュは高松宮記念で父仔制覇を果たしているが、ここも勝利すれば父仔2代で春秋のスプリント制覇ということになる。過去にスプリンターズSは父仔制覇がないので、それも達成すれば史上初だ。
6歳馬の優勝は2014年スノードラゴン、2015年ストレイトガール、2017年レッドファルクスと、過去10年で3勝。ロードカナロアは4、5歳時での連覇だったが、ダノンスマッシュは初GⅠが5歳暮れと、父よりやや晩成傾向があるので、ここも力を発揮できるはずだ。GⅠ3勝目に期待したい。
父系からではないが、血統という意味では触れておきたい馬がジャンダルム(牡6歳/栗東・池江泰寿厩舎)。同馬は母ビリーヴが2002年の勝ち馬という血統馬だ。父キトゥンズジョイは、米GⅠターフクラシック招待Sなど芝10~12Fの勝ち馬で、産駒も芝中距離タイプが多い。だが、GⅠ英2000ギニー(芝8F)のカメコ、米GⅠBCターフスプリント(芝6.5F)など、芝短距離~マイルのGⅠ馬も出している。
ジャンダルムは2歳時にGⅡデイリー杯2歳S(芝1600m)を制し、GⅠホープフルS(芝2000m)2着など、マイルから2000mを中心に出走していたが、今年、初めての1200m戦である春雷S(中山)を快勝。ハイペースに戸惑いなく4番手につけ、直線でアッサリと抜け出す完勝だった。
GⅢ北九州記念(小倉)こそ7着に敗れたが、前走のGⅡセントウルS(中京)では大きく出遅れながらも、上がり3Fがメンバー中最速となる32秒6の末脚で、勝ち馬から0秒2差の4着と好走している。好位からも後方からも競馬ができる自在性は大きな強みだ。
以上、今年のスプリンターズSは、"父仔制覇"がかかるダノンスマッシュ、"母仔制覇"がかかるジャンダルムの2頭に注目したい。