渡邉飛…

渡邉飛勇(琉球ゴールデンキングス)


 Bリーグと日本代表には、一つのトレンドがある。昨シーズンの新人ベスト5に入ったテーブス海やアイザイア・マーフィーのような“ダブル”のバックグラウンドを持つプレイヤーの台頭だ。

 琉球ゴールデンキングスの渡邉飛勇は東京オリンピックの日本代表に選出されたビッグマン。日本人の母を持つ、ハワイ州育ちの23歳だ。高2までは主にバレーボールに取り組んでいたが、バスケットボールの奨学金を得てポートランド大に進学し、NCAAⅠ部でプレーした。207センチ・106キロの体格に加えて、バレー仕込みの跳躍力を持つ逸材。荒削りな部分はあるが、日本代表の強化試合を見ても「やれる」気配はあった。

 9月4日に行われたプレシーズンゲームで右肘(右橈骨頭)の骨折を負い、4〜5カ月の離脱が見込まれているのは極めて残念。しかしシーズンの終盤、チャンピオンシップでファンにインパクトを示してくれるだろう。

ザック・モーア(大阪エヴェッサ)


 大阪エヴェッサに加わったザック・モーアは渡邉飛勇(琉球)と同じく“ダブル”のバックグラウンドを持つルーキー。アメリカのワシントン州出身の24歳で、NCAAⅠ部のシアトル大やサンタバーバラ大でプレーしたキャリアがあるシューターだ。

 カレッジ時代の3ポイント成功率を見ると2015−16シーズンは40.7パーセント、16−17シーズンは37.9パーセント、18−19シーズンは60.0パーセントとかなり高率。NCAAでは主にシューティングガード(SG)でプレーし、大阪ではスモールフォワード(SF)の起用となりそうだが、198センチ95キロと体格も恵まれている。

 大阪は昨シーズンも複数の“逆輸入選手”を獲得し、角野亮伍(現シーホース三河)やエリエット・ドンリーは1季目から貢献を見せた。アメリカのカレッジは大阪にとって貴重な鉱脈になっている。

山口颯斗(レバンガ北海道)


 山口颯斗は正智深谷高校、筑波大学を経てレバンガ北海道に加わったウイングプレイヤー(SG/SF)。高校時代は細身だったが、今は194センチ90キロと逞しさを増している。

 大学3年次は故郷・栃木の宇都宮ブレックスで特別指定選手として活動し、4年次の2020−21シーズンからはレバンガ北海道に加わった。昨季は27試合に出場して先発が19試合。平均出場時間は22.4分、平均得点は8.6と、完全に主力級のスタッツを残している。昨シーズンは東地区最下位に沈み、得点王のニック・メイヨやキャプテンを担っていた多嶋朝飛が去ったチームを、彼は否応なく背負うことになる。

 シュート力は最大の武器だが、スピードとパワー、チェンジ・オブ・ペースを生かしたドライブも魅力的。佐古賢一・新HCにしっかり鍛えられれば、代表級への脱皮も見込める逸材だ。

杉本天昇(群馬クレインサンダーズ)


 杉本天昇は186センチ86キロのシューティングガードで、土浦日本大学高校時代からスコアラーとして名を馳せていた。2017年夏のFIBA U19ワールドカップでは八村塁(ワシントン・ウィザーズ)、シェーファーアヴィ幸樹(三河)らとともにトップ10入りに貢献している。

 日本大学2年のインカレでは得点王、優秀選手に輝いた。ピック&ロールのハンドラーとしてスキルや状況判断に優れ、何より得点感覚がずば抜けている。大学3年次はレバンガ北海道の特別指定で出場機会を得た彼だが、高校時代のチームメートの菅原暉とともにB2の群馬入りを選択した。

 ただし昨シーズンは1月5日のバンビシャス奈良戦で、左ひざに全治9カ月という重傷を負ってしまった。ケガがなければ3x3の日本代表入りもあり得たはずで、彼にとって決して小さくない挫折だったはず。21−22シーズンの開幕にもおそらく間に合わない。

 しかしチームはB1昇格を果たし、23歳の彼には未来と大きな可能性がある。今シーズンの山場では、杉本の真価が発揮されるはずだ。新人スコアラーが新加入の五十嵐圭、アキ・チェンバースらとの共演でどのようなハーモニーを奏でるか、今から楽しみだ。

重冨友希、重冨周希(ライジングゼファー福岡)


 高校バスケを熱心に見ているファンならおそらく進路を特に注目していた二人――。重冨友希、重冨周希はライジングゼファー福岡と契約した。

 いずれもコンボガードで、2016年のウインターカップでは友希が副キャプテン、周希がキャプテンとして福岡第一高校の優勝に貢献した。二人はポイントガード、シューティングガードというポジションの区分を越えた役割分担を見せ、とにかく連携がスムーズ。相手を追い込むプレス、無駄なく一気にフィニッシュまで持ち込む速攻などで“双子の強み”を感じる場面がよくあった。

 そろって専修大に進んだが、在学中の4年間はケガなどで存在感を出せなかった。ただ「いいチームと巡り合った」という期待感が強い。地元・福岡のチームで、クラブの取締役育成部長は西福岡中の恩師・鶴我隆博氏。新しい環境であの魔法のようなプレーをまた見せてほしい。

文=大島和人

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