「常識が通用しない」あきらめの境地からやりがいを感じるまで 親の抱える悩みや問題解決のヒントを示す連載「野球ママのReality」第2回。少年野球の世界でついて回る問題といえば「保護者の負担」について。次男が首都圏の硬式野球チームでプレーし…

「常識が通用しない」あきらめの境地からやりがいを感じるまで

 親の抱える悩みや問題解決のヒントを示す連載「野球ママのReality」第2回。少年野球の世界でついて回る問題といえば「保護者の負担」について。次男が首都圏の硬式野球チームでプレーしている「野球ママ」の玲奈さんはチームに入る前、監督から「親御さんの仕事は非常に多いので覚悟してください」と言われたという。覚悟は決めたが自分の時間はほぼゼロ。土日の美容院通いもやめた。辛い時期もあったが、今は付き添いに喜びも感じている。楽しみを見つけることができたのだ。

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 子どもがスポーツをしていると、「親も覚悟が必要」と感じているご家庭も少なくないと思います。うちの次男が所属している硬式野球チームでは、父親が土日は仕事で動けないケースが多いため、子どもを送迎するために運転免許を取った母親もいます。次男のチームは人数が多く練習場所が足りないため、保護者がグラウンドの予約をする時もあります。自分の子どもは自分の車で連れていく覚悟が必要になります。

 他にも、保護者にはビデオや写真を撮影する係もあります。土日は両親で練習や試合を見る家庭が多く、保護者が子どもたちやチームのサポートをするのが当たり前という意識があります。私たち夫婦も土日に予定を入れなくなりました。美容院に行くなど、土日の自由な時間がなくなるストレスはありますが、他の保護者も何かを犠牲にしていると感じています。

 最初の頃、私は「何で親が、ここまでやらないといけないのか」と思っていました。サッカーをしている子どもの母親は野球よりずっと楽そうで、何で野球はこんなに大変なのかと。1番の理由は、拘束時間の長さです。他のスポーツは半日で終わるものが多い中、野球は午前9時から午後5時が当たり前。拘束時間が長さについて、監督からは「野球には独特の世界がある」と言われたこともあって、半分あきらめの境地で受け入れるしかなかったですね。

いいことだってある。それは“応援団”ができること

 我が子を預けているに、やらないわけにはいかないという気持ちもあるので、それなら嫌々ではなく楽しくやろうと気持ちを変えていきました。チームに関わっていくと、喜びを感じる時もあります。1番良いのは、自分の息子が色んな大人に面倒を見てもらえることです。特に、小学校の運動会の時は、他の家のお父さんやお母さんが自分の息子を応援してくれます。学校で会った時も声をかけてくれて、授業参観も見てくれます。私も息子のチームメートと仲良くしていますが、お互いがお互いの子どもたちを見るのは今の時代少なくなっていると思います。

 地域にお父さんやお母さん、親戚がたくさんいるような感じがすごくいいなと思っています。保護者の負担が理由で野球チームに子どもを入れることをためらっている方には、「大変な分、いいことがたくさん返ってくる」とお伝えしたいです。(記事提供:First-Pitch編集部)