サッカーIQラボ 〜勝負を決めるワンプレー~Questionこのあと、関根貴大はなぜフリーでパスを受けられたのか? 浦和…
サッカーIQラボ 〜勝負を決めるワンプレー~
Question
このあと、関根貴大はなぜフリーでパスを受けられたのか?
浦和レッズが第29節のセレッソ大阪戦に2−0で勝利し、リーグ戦直近6試合で5勝1分と好調だ。しかも5試合連続クリーンシートと、熾烈なACL圏内争いのなかで上昇気流に乗っている。
そんな好調な浦和だが、基本システムを4-2-3-1として、前線の組み合わせはさまざまパターンを試してきた。そのなかで第28節の横浜FC戦から機能しているのが、1トップに江坂任、トップ下に小泉佳穂を置く布陣だ。
これはトップ下タイプの2人を縦関係に置く、"ゼロトップ"のような形である。2人がポジションを入れ替えながら積極的に中盤に下りてボールを動かし、最後のフィニッシュに顔を出す流れは、相手にとって非常に捕まえづらい存在となっている。
ただ、浦和が相手から優位を取れる要因はそれだけではない。今回はそれを象徴するシーンとなった、江坂が奪った先制点の場面を取り上げる。

前線の関根は、平野からフリーでボールを受けることになる。それはなぜだろうか
前半10分、左サイドに開いた汰木康也から後ろのアレクサンダー・ショルツとつなぎ、2人のセンターバック(CB)の間に下りてきた平野佑一へパスが出ると、前線の関根貴大が動き出した。
セレッソ大阪の丸橋祐介にマークされていた関根だが、次の瞬間、フリーでボールを受けることになる。
それはなぜか、というのが今回のQuestionだ。
Answer
外の酒井宏樹と数的優位を作っていたため、丸橋祐介が動けなかった
浦和のポジショナルプレーがハマったシーンだった。4-2-3-1の浦和に対し、C大阪は4-4-2でタイトなラインを保ち、システム的には噛み合っていた。

右サイドで2対1を作っていたことから、相手の丸橋が動けず、関根はフリーになった
しかし先制点の場面では、浦和が巧妙に立ち位置を変え、ポジションニングで優位を作り出していた。きっかけは少し前の酒井宏樹のインターセプトからだ。酒井は自陣で相手のパスミスを奪い、そのままドリブルで持ち上がった。
そこから酒井は関根にパスを出したあと、高い位置にポジションを取った。そこで浦和の両CBが開き、中盤の平野が間に下りて後ろが3枚となり、左サイドバックの明本考浩もポジションを上げていた。先制点は次のシーンから生まれる。
平野が下りて空いたポジションに江坂が下りてパスを受け、左サイド際の汰木にパスを展開すると、C大阪は全体的にボールサイドにスライド。この時点で浦和が相手をハメ込む形はできあがっていた。
C大阪の中盤は汰木のサイドにスライド。そして乾貴士は目の前の浦和のCB岩波拓也を見ていた。それによりボランチの奥埜博亮の脇にスペースが空き、背後に数的不利が生まれていた。
平野にボールが入った瞬間、関根が奥埜の脇のスペースに下りてボールを呼び込んだ。この時関根のマークについていた丸橋だが、大外に開いた酒井がいるため、1対2の状況になっており、関根についていくことができなかった。
このポジション優位により、関根はフリーでボールを受け、江坂への絶妙なスルーパスが生まれた。浦和が意図的に作り出した見事なポジショナルプレーによる先制点だった。