9.25ガンバレ☆プロレス後楽園大会で新井健一郎とのタッグ“ハッとしてgood”が持つIJタッグ王座の防衛戦を行う翔太。(4)は若手通信世代、上野勇希とのDDT UNIVERSAL戦、そしてIJタッグ王座への想いを語…

9.25ガンバレ☆プロレス後楽園大会で新井健一郎とのタッグ“ハッとしてgood”が持つIJタッグ王座の防衛戦を行う翔太。(4)は若手通信世代、上野勇希とのDDT UNIVERSAL戦、そしてIJタッグ王座への想いを語ってもらった。

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――2020年11月に若手通信世代でKO-D6人タッグを保持していました。久しぶりに組んでいかがでしたか?

翔太:すごく新鮮でした。10年前、若手通信(=若通)はキャリア5年目以内の選手で、僕はゲスト参戦。当時はDDTの選手と他団体の若手という括りがありました。その後も彰人さんと平田さんとは会場で会いますけどリング上で絡むことはほとんどなかった。でも今回、僕はガンバレ☆プロレスで同じDDTグループ、一緒に同じチームとしてやれた気がします。

――改めて若手通信世代で活動することになったキッカケはなんですか?

翔太:2019年のビアガーデンで彰人さんとシングル対戦がありました。これがキッカケですね。2019年6月DDT後楽園のアンダーマッチ、誰かが欠場して渡瀬瑞基とシングルをやっているんですよ。その時も普段使っていない技を実験的に出して渡瀬に勝った。それを彰人さんが見ていて「そういえば翔太とシングルしてないね」と会話をしました。そしたら彰人さんとビアガーデンでシングルマッチが組まれた。その試合が僕の中でのターニングポイントですね。

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――テクニシャン同士の対決です。

翔太:今までDDT本隊のファンの前で僕がガッチリとシングルをやることがなかった。彰人さんとの試合で結構引き出しを開けました。それでお客さんの見る目が変わったと思います。そして2020年9月に品川で平田さんが主役の「まっする3必殺技大乱発〜大公開通し稽古」があり、僕が感極まって泣いてしまったんです(苦笑)。そこで「若手通信」という言葉を言ったら3人(平田一喜選手・彰人選手・翔太選手)の士気が高まって「やりましょう!」みたいな感じですね。

――ALL OUTが解散した時、彰人さんに「若手通信世代でユニットを結成ですか?」と質問したら「高尾蒼馬選手が来るんだったら、次は若手通信世代でユニットを結成したい」と仰っていました。その後、高尾選手に話を聞いたら「俺が若手通信世代に合流することはない」と断言されました(苦笑)。若手通信世代で組んだら面白いと思うのですが。

翔太:自分たちはThe 37KAMIINAやどのユニットとも世代が違うから面白いかも知れないけど、もうちょっと間隔が空いてからの方が面白いのかな、と思いますね。僕たちがもう少しおじさんになってからの方が面白い気がします。

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――ところで2021年1月上野勇希選手とのDDT UNIVERSAL戦を振り返って頂けますか?

翔太:あの試合は僕の引き出しを全て開けきった感覚でいます。勝っても負けても自分のキャリアを変える試合だと思っていたので出し惜しみは一切しないようにしました。2020年に入りコロナ禍になった。最初の緊急事態宣言で皆さんの気持ちが落ちたと思います。

そこから試合が再開した時、自分の中で良い意味のポジティブさが出て「やってやる!」という気持ちになりました。練習でもガンプロの試合とかでもいろいろと試していたものを、あの時全部使い切った感じがします。

――ところで最近、翔太さんのSNS見て海外に向けての発信が増えた気がします。

翔太:最近呟き始めましたね。海外のファンからも「待っているよ」と思った以上に反応がありました(笑)。僕がガンプロにいることを良い意味で利用してやろうと思っているのが動画配信サービス「WRESTLE UNIVERSE」と「DDTというブランド」なんです。

正直、他のインディー団体で試合をしたら日本での知名度は上がるかもしれないしフリーランスとして稼げることがあるかもしれない。でも海外の人間が僕をチェックしてくれるのは、やっぱりWRESTLE UNIVERSEがあるからです。それにDDTは動画撮影OKなので、それがTwitterで拡散されるのも大きい。今の自分の環境を最大限に利用しない手はないと考えています。

現在僕には「DDTグループ・ガンバレ☆プロレスの翔太」という肩書きがある。9.25後楽園ホール大会もあるし3年ぶりの開催となるガンバレ☆プロレス・シングル最強決定トーナメント「ガンバレ☆クライマックス2021」の開催も発表された。

改めてWRESTLEUNIVERSEに注目し、海外の認知度を増やそうと思っています。認知されていくとコロナ明けの時、海外に行くチャンスが絶対できるので今のうちにちょっと種を撒いて海外のフォロワーを増やそうとも考えています。

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――翔太さんは外国の選手の通訳もできるくらい英語も話せますよね。

翔太:この1年ぐらいでだいぶ劣化しました(苦笑)。やはり海外に行ってないですし外人選手もクリス・ブルックスしかいない。彼は半分日本語半分英語で会話できちゃうので。

――普段の会話と通訳で使う英語は違いますよね。それはそうと現在、新井健一郎(=アラケン)選手と天龍プロジェクトのIJタッグベルト王者に君臨していますが、どういう経緯で天龍プロジェクトに参加されたのですか?

翔太:天龍プロジェクトが復活したのは今年です。天龍さんが引退されるまでの天龍プロジェクトに準レギュラーで出場していました。それで今回天龍プロジェクトが再始動することで声をかけて頂いて、ベルトを獲得したことで今はレギュラー参戦させてもらっています。

天龍さんの付き人もされていた新井さんがずっとレギュラーで出場していて、今回IJタッグのベルトが復活するとなった時、新井さんがノミネートされるということで「それだったら翔太組で出た方がいいんじゃないか」とチャンスをもらって出ました。

――天龍プロジェクトのIJタッグベルトを巻きましたね。

翔太:天龍さんの前でベルトを巻けました。1990年4月13日東京ドームの日米レスリングサミット、天龍源一郎対ランディ・サベージ戦が僕のプロレスのバイブルみたいなものです。あれを擦り切れるほどYouTubeで観ました(笑)。

運転手をしながら天龍さんの前で「あの試合が好きです」というお話をさせて頂いたこともあります。天龍さんも「あれは俺の生涯のベストバウトだよ」と仰っていました。新井さんも好きなんですよ。

――バリバリアメリカンプロレスのランディ・サベージと天龍さんの一戦が名勝負になりましたよね。

翔太:新井さんとのチームのきっかけも、この試合です。だからチーム名が“ハッとしてgood”なんですよ。あの試合サベージが入場して来た時、実況が「ハッとしてgoodのコスチューム」と言った言葉から僕らは「ハッとしてgoodなチームになりましょう」とチーム名を取った。

僕のツナギにある「威風堂々」とか「丁々発止」は全部実況のセリフを入れているのです。“ハッとしてgood”の入場曲は威風堂々から僕らの曲です。

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――天龍プロジェクトのIJタッグは他団体で防衛戦も可能ですか?

翔太:僕が天龍プロジェクトの嶋田紋奈代表に掛け合って「やらせてください」とお願いしました。シングルのIJヘビー級王座もHUBさんが獲得した直後に大阪プロレスで防衛戦がありました。現在、天龍プロジェクトは月2回・新木場で興行を開催。

僕と新井さんは天龍プロジェクト所属ではないのでベルトを獲った時から「チャンスがあればガンバレ☆プロレスとか他団体でも防衛戦をやりたい」と話をしていました。

そしたらタイミング良く新納刃&冨永真一郎組が「挑戦したい」と言ってくれたので、嶋田代表に相談したら「ぜひ後楽園でやってください」と快く仰ってくれました。この復活したIJタッグのベルトは「WAR」の文字が入っているんです。復活したのであれば「もっと沢山の人に見てほしい」という思いもありました。

ガンプロ後楽園が何カ月も前から決まっていたんでベルトを獲得してチャンスがあれば「防衛戦を行いたい」という思いが心の隅っこにあった。そんな中、富永・鋼組から対戦要求があり、すごく嬉しかったですね。

――昨年末のKO-D6人タッグやインディージュニア戴冠、今年に入ってDDTUNIVERSAL戦、そしてIJタッグ奪取と最近の翔太さんの活躍は目を見張るものがありますね。僕はサムライTV「インディーのお仕事」でいろいろなところに行ってプロレスをしている翔太さんの姿を観ています。ワンボックスカーにレスラー4人で乗って地方で練習したり...

翔太:ありましたね。愛知県の神社みたいなところですよね(笑)。とにかくこのベルトに関してはガンプロで防衛戦をやりたいという気持ちもありましたが、それ以上に後楽園でIJタッグベルトをかけたタイトルマッチがしたかった。

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天龍さんにIJタッグのベルトを巻くチャンスをもらった以上は「天龍さん、このベルト後楽園ホールでタイトルマッチやりました」って言いたい。天龍さんの「WAR」と書かれたベルトが後楽園でタイトルマッチを行えるのは、天龍さんに対する僕の感謝というかお礼の一つかなと。新井さんとのタッグも後楽園では久しぶりなので。

――ガッツワールド時代は長い期間、アラケンさんとタッグを組んでいましたよね。

翔太:ガッツワールド解散から少し時間があって、ガンプロでも新井さんと一瞬タッグを組んだ時期もありましたけど、今回は久しぶりの後楽園です。プロレス好きが揃う後楽園だからこそ見せたいものもありますね。

――最後に楽しみにしているファンの方にメッセージをお願いします。

翔太:僕と新井さんの“ハッとしてgood”というタッグは、僕が思うタッグマッチの楽しさを常に詰め込んでいます。僕がいろいろな選手を見て「プロレスのタッグマッチって、こういうところが面白いな」というのを2人で追求して、今でも発展途上だと思っています。

みんなにもプロレスのタッグマッチの面白さを“ハッとしてgood”を見ることで伝わってくれたらいいなと思います。ここで本当に防衛失敗してしまうと天龍さんに合わせる顔がない。「すいません、ベルト流出しました」とはとてもじゃないが言えない。

天龍さんに「IJタッグのベルト、また帰ってきました」と言えるように必ず防衛して、試合の後に天龍さんがいつも飲むアサヒスーパードライを新井さんとバックステージで乾杯したいと思います。

<終わり>

<インフォメーション>
9.25東京・後楽園ホールにて「BAD COMMUNICATION-ULTRA Pleasure Style 2021-」が行われます。“ハッとしてgood”翔太&新井健一郎組が持つIJタッグ王座に新納刃&冨永真一郎組が挑戦。翔太組はタイトルを守り無事天龍プロジェクトにベルトを持ち帰ることができるのか。

チケット等、詳細はDDTプロレスリング公式サイトをご覧ください
また試合は動画配信サービスWRESTLE UNIVERSEで生配信されます。

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ガンバレ☆プロレスTwitter
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取材・文/大楽聡詞
写真提供/DDTプロレスリング