■9月22日/J1第32節 鹿島アントラーズ 1-2 川崎フロンターレ(カシマスタジアム) 川崎フロンターレが鹿島アント…

■9月22日/J1第32節 鹿島アントラーズ 1-2 川崎フロンターレ(カシマスタジアム)

 川崎フロンターレが鹿島アントラーズ戦で劇的な勝利を収めた!
 試合開始直後から鹿島がリズムを掴んだ川崎にとってのアウェイゲームで、61分に失点してしまういやな展開だった。しかし、83分に山村和也がセットプレーから同点ゴールを決めると、後半ロスタイムに宮城天が無回転ミドルを豪快に決めて、逆転。リーグ3連勝を飾った。
 9月はルヴァン杯にACLという2つのタイトルを失い苦しい状況だったが、リーグ連覇に向けて改めて弾みをつける勝利となった。

 大事な一戦だった。2つのタイトルを失ったチームにとって残るタイトルはリーグ戦と天皇杯の2つ。三笘薫田中碧という主力2人の穴埋めがままならない状況で、リーグ戦では横浜FMが肉薄していた。鹿島戦を落とせば、チームの形を失う可能性もあった。

 この試合に良い形で入ったのはホームチームだった。4900人以上が集まったカシマスタジアムのピッチを支配。ボールと人が動いて、川崎ゴールをこじ開けようと試みた。

 対する川崎は、左ウイングで先発したブラジル人ドリブラーのマルシーニョやトップ下に入った旗手怜央を中心に攻撃に出ようとするが、そう簡単にシュートまでは持ち込めなかった。前半45分間で放ったシュートは、公式記録でわずか1本。それも、ペナルティエリアの外から狙ったもので、川崎らしい厚みのある攻撃を見せることはできなかった。

■交代選手が2得点を生む

 その流れは、後半に入っても大きくは変わらない。前半に比べればボール保持やチャンスクリエイトの部分で改善が見られたが、ゴールを奪うには迫力が足りなかった。そんな状況でスコアを動かしたのは鹿島だった。61分、右サイドからDF安西幸輝が強引にクロスを上げると、そこに入り込んだのがMFファン・アラーノだった。背番号7番が頭で地面にたたきつけたボールは、GKチョン・ソンリョンの上を抜けてゴールに吸い込まれた。鹿島サポーターのボルテージは一気に高まり、川崎の白星は遠のいたかに思われた。

 流れを変えたのは、1点ビハインドの状況での交代カードだ。67分、鬼木達監督が3枚替えを敢行。登里享平ジョアン・シミッチ、マルシーニョの3人を下げて、脇坂泰斗小林悠、宮城天を投入する。さらに、78分に知念慶を、82分には山村和也をピッチに送り込む。そして、山村が投入されたのと同時に行われたフリーキックで同点に追いつくことに成功する。キッカーは脇坂、合わせたのは山村。どちらも交代で入った選手で、山村に至ってはファーストタッチがゴールとなったのだ。

 そして劇的な逆転弾も途中出場の選手が決める。94分、宮城天が右サイド寄りでボールを受けると、ペナルティエリアの外にもかかわらず右足を振り抜く。ボールは回転せずに独特の軌道を描くと、鹿島GK沖の伸ばす手も虚しく、ゴールネットに豪快に突き刺さったのだ。

■鬼木監督「連戦で出しても良かった」

 試合後、鬼木監督は「途中から出た選手たちは、徳島戦でもかなり良いパフォーマンスをしてくれていた。連戦で(出して)も良かった」と話したが、一方で、「(鹿島戦の)最後にこういう展開になったときに力を注げるように、好調な選手があとから出て“プラスα”を出してほしい」と考えていたことを明かしている。指揮官の意図通り、そして、選手がチーム全体の中でうまくかみ合って掴み取った白星だった。

 何より、山村がアンカーに入ったことが大きかった。同点弾を導いただけでなく、中盤の底でボールを回収し続けたことでリズムを掴んだ。アンカーの交代が、起死回生へとつながったのだ。

 主力選手の移籍に相次ぐ負傷者が出た川崎にとっては、鹿島を相手に敵地で掴んだ勝利は大きな意味がある。そして、この試合で左ウイングの先発争いはさらに激しいものとなり、鬼木監督を悩ませることになる。

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