ドラフトが近づくと、よく目にする「高校通算●本塁打」。公式戦、練習試合を通じて放った総数が多ければ多いほど、高校生の強…

 ドラフトが近づくと、よく目にする「高校通算●本塁打」。公式戦、練習試合を通じて放った総数が多ければ多いほど、高校生の強打者として注目されやすい。実際、プロ入り後の活躍とは関係があるのだろうか。

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【高校通算本塁打上位とプロ本塁打数】(9月20日現在。※=現役)

 

 
1位 111=清宮幸太郎(早実)※
→日本ハム21発

2位 107=山本大貴(神港学園)

3位 97=黒瀬健太(初芝橋本)※
→ソフトバンク0発

4位 94=伊藤諒介(神港学園)

5位 87=中田翔(大阪桐蔭)※
→日本ハム、巨人262発

6位 86=大島裕行(埼玉栄)
→西武23発

7位 85=横川駿(神港学園)

8位 83=鈴木健(浦和学院)
→西武、ヤクルト189発

8位 83=中村剛也(大阪桐蔭)※
→西武436発

10位 78=田原伸吾(此花学院)

 

 歴代1位の高校111本塁打で話題を集めた清宮幸太郎は、プロでは1シーズン7発が最多で、通算21発。まだ4年目とはいえ、高卒同期入団のヤクルト村上宗隆が史上最年少でプロ100号を達成したばかり。村上は九州学院時代に52発と清宮の半分以下で、ドラフトでも清宮の「外れ1位」だった。高校通算の数字だけで、選手の実力を評価できない代表的な例といえる。

 プロで高校時代の記録を超えたのは中村剛也、中田翔、鈴木健の3人。本塁打王のタイトルを6度獲得した中村が436発と、プロ球界を代表するスラッガーへと成長した。中田も日本ハム時代に打点王に3度輝き、中村とともに近年の高校球界をけん引する大阪桐蔭出身という共通点がある。

 ただ上位10人中4人がプロ入りしていない。高校100発超えの山本ら神港学園から3人がランクインしているが、同校グランドは右翼が90メートルとせまく、本塁打が出やすいこともあり、プロとは縁がなかった。

 高校通算本塁打はわかりやすく、ファンにとって魅力的な数字だが、成長時期には個人差があり、グランド環境や試合数の違いなども関係するため、比較は難しい。打球を遠くに飛ばす技術はあっても、性格面や将来性などは数字に表れない。

 また、対戦する投手のレベルによっても「1本の重み」が違う。練習試合でいくら打っても、地方予選を勝ち抜いて甲子園という大舞台で打った1発とは比べものにならない。「甲子園通算本塁打」とプロの相関関係はどうだろうか。

【甲子園通算本塁打上位とプロ本塁打数】(9月20日現在。※=現役)

 

 

1位 13=清原和博(PL学園)
→西武、巨人、オリックス525発

2位 6=桑田真澄(PL学園)
→巨人7発

2位 6=元木大介(上宮)
→巨人66発

2位 6=中村奨成(広陵)※
→広島2発

5位 5=香川伸行(浪商)
→南海78発

5位 5=鵜久森淳志(済美)
→日本ハム、ヤクルト11発

5位 5=平田良介(大阪桐蔭)※
→中日104発

5位 5=森友哉(大阪桐蔭)※
→西武92発

5位 5=藤原恭大(大阪桐蔭)※
→ロッテ8発

 「高校通算」と違うのは、上位選手がすべてプロ入りしている点。甲子園13本塁打の記録を持つ清原は、プロでも525発を放った。2位桑田は投手で成功しながらプロ7発と打撃センスも抜群だった。現役では平田が104発、森が92発と、こちらも大阪桐蔭ブランドが強い。甲子園で本塁打を量産したからといって全員がスラッガータイプというわけでもなく、「くせ者」として球界を盛り上げた元木のような個性派もいる。

 「高校通算本塁打」も「甲子園通算本塁打」も、数が多いからといってプロでの活躍に直結するものではく、期待値通りに成長できる選手は一握りしかいない。数字を信用しすぎず、あくまで「強打者の指標の1つ」として楽しむくらいがよさそうだ。

 

[文/構成:ココカラネクスト編集部]

 

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