【栗山求(血統評論家)=コラム『今日から使える簡単血統塾』】◆先週の血統ピックアップ・9/20 朝日杯セントライト記念…

【栗山求(血統評論家)=コラム『今日から使える簡単血統塾』】

◆先週の血統ピックアップ

・9/20 朝日杯セントライト記念(GII・中山・芝2200m)

 後方を追走したアサマノイタズラが直線で外から伸び、先に抜け出したソーヴァリアントをクビ差とらえました。今回、初めて手綱を取った田辺騎手がいきなり結果を出しました。これが重賞初制覇です。

 父ヴィクトワールピサは現役時代にドバイワールドC、有馬記念、皐月賞を勝った名馬で、種牡馬としては桜花賞馬ジュエラーを筆頭に9頭のグレード制重賞優勝馬を出しています(ダートグレード競走を勝ったミッシングリンク、ドイツのGIIIを勝ったウォーリングステイツを含む)。どちらかといえば平坦コースを得意とし、急坂の中山は向いているわけではありませんが、アサマノイタズラ自身は馬力のあるオペラハウスが入る影響か、スプリングSでも2着と好走しており、高い中山適性を感じさせます。

「母の父キングヘイロー」の優秀さは当欄でもたびたび指摘していますが、本馬の他に、ディープボンド、ジョーストリクトリ、キングズガード、ピクシーナイト、ヴァイスメテオール、メイショウムラクモが重賞を制覇しています。2歳の注目株イクイノックスも母の父にキングヘイローを持っています。今後も注目の配合パターンといえるでしょう。

◆今週の血統Tips

 9月18日、豪ロイヤルランドウィック競馬場で行われたジョージメインS(G1・芝1600m)は、中団を追走したニュージーランド産の牝馬ベリーエレガント(Verry Elleegant)が最内を突いて差し切りました。同馬はこれで9つめのG1制覇となります。配合的に注目したいのはコートヘルハウス(Cotehele House)4×4という牝馬クロス。コートヘルハウスは名馬デーンウインやその全弟コマンズの母として有名ですが、ベリーエレガントにはこの2頭の血は入っていません。自身と父ゼッド(Zed)がこの名繁殖牝馬の直系子孫です。コートヘルハウスの母エイトカラット(Eight Carat)は、オクタゴナル(Octagonal)をはじめ5頭のG1馬を出したニュージーランド史上最高の繁殖牝馬の一頭。エイトカラット-コートヘルハウスのラインは、尋常でない活力を秘めています。代を経てクロスさせてもこうした女傑を誕生させるのですから、その影響力は絶大です。

 (文=栗山求)