最近、好調で5勝1分と6戦無敗を続ける浦和レッズではあるが、この間、大量得点で勝った試合はない。直近のセレッソ大阪戦…

 最近、好調で5勝1分と6戦無敗を続ける浦和レッズではあるが、この間、大量得点で勝った試合はない。直近のセレッソ大阪戦も、その前の横浜FC戦もともに内容は圧倒したもののスコアはともに2-0であり、8月の4戦もサガン鳥栖には2-1で1点差勝利。そして、徳島ヴォルティスサンフレッチェ広島には1-0と最少得点しか決めていない。湘南ベルマーレ戦はスコアレスドローに終わっているが、湘南の選手たちがもう少しシュートを正確に蹴れていたら、浦和は危なかった。

 つまり、今の浦和は爆発的な攻撃力を持つというよりも、組織的な守備をベースに戦っているチームなのである。

 しかし、一般的には「ロドリゲス監督の浦和は攻撃的」という印象があるのではないだろうか。

 もし、組織的な守備で守って、キャスパー・ユンカーのシュート技術だけで勝っていたとしたら、守備的な印象が強くなるのだろうが、ロドリゲス監督の浦和は攻撃の時の選手たちの動きがダイナミックで多彩で、意外性に溢れている。だからこそ、ゴール数が少ない割に「攻撃的」な印象を受けるのだろう。

■ユンカーを差し置いても「偽の9番」コンビ

 まず注目されるのがFWの小泉佳穂江坂任のコンビだ。小泉は今シーズン加入すると開幕当時から重要な役割を担っていた選手であり、江坂は夏の移籍期間に柏レイソルから移籍してきた選手だ。どちらもいわゆるストライカー・タイプではなく、トップ下的なプレーをする選手だ。つまり、彼らはいわゆる「偽の9番」であり、ともにトップに張っているだけでなく、自由に中盤に下りて攻撃の組み立てにも参加する。

 キャスパー・ユンカーを差し置いて、彼ら2人が攻撃の最前線を担っている点が注目だ。

 江坂は柏レイソル時代は玄人好みのプレーをする選手ではあったが、地味なプレーが多かった。その江坂が、浦和に加入してからは自身が前面にでて、自らゴールを奪うようになった。“黒子”に徹していた選手が主役を演じるようになったのだ。

 自分の前に、たとえばマイケル・オルンガのようなストライカーがいたら、江坂はお膳立てに徹する。しかし、浦和ではトップで組んでいるのは同じく「偽の9番」である小泉なのだ。そこで、江坂は自らゴールを奪う役割に転換したのである。

 C大阪戦でも前半10分に先制点を奪ったのは江坂だった。中盤の深い位置、ハーフウェーラインを越えたあたりから関根貴大が出したグラウンダーのロングボールを受けて、そのままドリブルでDF2人の間を割って決めたものだ。

 そして、これはルヴァンカップ準々決勝のセカンドレグ。等々力陸上競技場で行われた試合での先制ゴールとそっくりだった。前半の8分、ハーフラインより手前にいた岩波拓也から江坂にロングパスが通り、この浮き球を処理して江坂がドリブルで決めた。

 どちらも、走りながらロングボールをコントロールして、そのボールの速度を落とすことなく自然にドリブルに入る技術の粋が込められたゴールであり、ゴール前に入り込むコース取りの上手さともあいまって、江坂任という選手の新しい姿を見せてくれた。

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