渡米6年目の今季、自身初の開幕投手を務める見通しとなったレンジャーズのダルビッシュ有投手。トミー・ジョン手術から復帰2年目の今季はここまで順調な仕上がりを見せており、4月3日(同4日)の開幕戦インディアンス戦で先発を任せる方針を示した。この…

渡米6年目の今季、自身初の開幕投手を務める見通しとなったレンジャーズのダルビッシュ有投手。トミー・ジョン手術から復帰2年目の今季はここまで順調な仕上がりを見せており、4月3日(同4日)の開幕戦インディアンス戦で先発を任せる方針を示した。このままコンディションを崩さなければ、初の大役を務めることは確実だ。

■開幕投手指名のダルビッシュ、米紙は手術後の“進化”に注目

 渡米6年目の今季、自身初の開幕投手を務める見通しとなったレンジャーズのダルビッシュ有投手。トミー・ジョン手術から復帰2年目の今季はここまで順調な仕上がりを見せており、4月3日(同4日)の開幕戦インディアンス戦で先発を任せる方針を示した。このままコンディションを崩さなければ、初の大役を務めることは確実だ。

 メジャー1年目の2012年に16勝。13年にはキャリア最高の防御率2.83をマークし、277奪三振でア・リーグの奪三振王にも輝いた。同年はサイ・ヤング賞レースで日本人最高の2位にもなり、大きな飛躍を遂げた。その後は負傷にも苦しみ、2015年開幕直前には右肘靭帯再建手術(トミー・ジョン手術)を実施。それでも昨季途中に復帰した右腕は再び大きな期待を寄せられるまでになった。

 渡米5年で手術も経たダルビッシュがどのような変化を遂げたのか。地元紙「ダラス・モーニング・ニュース」電子版が特集を組み、分析している。

 同紙は「いかにしてダルビッシュはより打者を欺くことができるようになったのか」との見出しで特集記事を掲載。渡米後の3年間では打者を追い込んだ場面でスライダーやカーブの選択が多かったのに対し、昨年は直球を選択する機会が増加したことを紹介した。結果、1イニング当たりの投球数がキャリア最小の15.7球となったという。2ストライク後の被出塁率もキャリア最高の.128を記録したことにも触れている。

■2012年以降の奪三振率はメジャートップ、米紙「奪三振の帝王」

 また記事ではダルビッシュを「奪三振の帝王」と評し、「2ストライク後に直球を投じることが多くなっても、三振を奪う能力に何ら影響を与えなかった。逆に、より彼を予測不可能な存在とし、9イニングあたりの奪三振率はキャリアハイの2013年(11.89)に匹敵する11.84を記録した」と言及。2012年のデビュー以降の9イニング当たりの奪三振率11.32がメジャートップとなっていることも紹介している。

 2位は昨秋急死したホセ・フェルナンデス(マーリンズ)の11.25、3位はマックス・シャーザー(ナショナルズ)の10.69、4位はクレイトン・カーショー(ドジャース)の10.12と続いており、いかにダルビッシュの奪三振率が際立っているかが分かる。

 さらに記事ではブロケイル投手コーチと良好な関係を築いていることにも言及。同投手コーチがダルビッシュに対して自身もトミー・ジョン手術を経験していることを明かしたエピソードをレポートしつつ、同投手コーチが「僕らには何かしら共通の認識をもっておく必要があったんだ。それ以来彼はより受け入れてくれるようになったし、関係性は素晴らしいものとなっているよ」と語ったことも紹介している。

 新シーズンの開幕が迫るとともに、米国内ではサイ・ヤング賞の予想も出始め、ダルビッシュはその上位候補としてたびたび名前を挙げられている。スプリングトレーニング中にはレンジャーズのレイ・デービス球団オーナーも「私は彼がサイ・ヤング賞を獲ると見込んでいる」と期待を寄せていた。苦難を乗り越えて、手術前以上の飛躍を期待されるようになった右腕。新シーズンの活躍が期待される。