卓球Tリーグ女子が開幕 卓球のTリーグ女子は10日、東京・大田区総合体育館で4季目が開幕した。4連覇を目指す日本生命レッドエルフは、リーグ新規参戦の九州アスティーダに3-1で開幕白星。東京五輪代表補欠で昨季リーグMVPの早田ひなが、第2試合…

卓球Tリーグ女子が開幕

 卓球のTリーグ女子は10日、東京・大田区総合体育館で4季目が開幕した。4連覇を目指す日本生命レッドエルフは、リーグ新規参戦の九州アスティーダに3-1で開幕白星。東京五輪代表補欠で昨季リーグMVPの早田ひなが、第2試合のシングルスでインターハイ3冠の17歳から勝利を収めるなど、24年パリ五輪代表を狙う選手たちが躍動した。

 早田は大坂・四天王寺高2年の横井咲桜と対戦。8月にインターハイ3冠に輝いた17歳から第1ゲーム(G)を11-9で先取すると、第2Gは開始から5連続失点を喫するなど、6-11でゲームカウント1-1とした。第3Gは持ち前の強打で攻め立て11-4と圧倒。リターンで粘る相手に何度もスマッシュを叩き込んだ。

 第4Gも優勢だったが、10-6から失点したところでタイムアウト。Tリーグデビュー戦の17歳に1点差に迫られたが、最後は11-9で11月の世界選手権シングルス代表の貫録を示し、ガッツポーズをつくった。リーグ女王として追われる立場でも力を見せつけた。

「向かってくる選手が多い中でプレッシャーもあったけど、エースとしてコートに立たせてもらっている。期待に応えるのがエース。私も横井選手と対戦したことがなくて、どの選手も難しい試合だったと思う。それぞれできることを精一杯やって勝ち切ることができたと思います。

(エースの自分に対し)相手は『負けて当たり前』という中でいろんなことをやってくる。今日はエースとして試合に出て、絶対に負けられない緊張感でいかに点を獲れるか。相手が思い切って来るところでいかにコースに打ち分けるか。そこは昨年の反省を生かせたと思います」

伊藤美誠&平野美宇と同学年、五輪では補欠で球拾いも経験

 今年のTリーグは九州の参戦で5チームに。「初対戦の選手が多くなる」と警戒しつつ「どの選手も世界で活躍する選手。そういった選手と試合できる機会があるのが嬉しい。切磋琢磨して勝ちに行くことで日本のレベルが上がっていく。それは本当にいい状況」と歓迎した。

 伊藤美誠、平野美宇と同学年の21歳。19年世界選手権は女子ダブルスと団体で銀メダル獲得した。補欠だった東京五輪は練習パートナーや球拾いも経験。裏方として日本代表選手をサポートし、日本のメダルラッシュを見届けた。「選手の気持ち、裏方の大変さを知った。いろんな視点で試合を見て、それまでサポート側の気持ちを感じたことがなかった。そういったありがたみは東京五輪で感じることができた」と精神的にも成長。この日もチームの裏方の存在に感謝しながらコートに立ち、力に変えた

 ロンドン五輪、リオ五輪で女子の日本代表監督を務めた村上恭和総監督は、早田について「もともと試合に入るのが遅いタイプ。(2日の)世界選手権代表選考会で優勝してその後の試合。駆け引き的にも非常にいい内容だったと思います」と成長ぶりを評価。不在の平野については「なかなか難しいところ。五輪でメダルを獲った選手は、もの凄い緊張の中で練習をしていた。体を休める状況。参戦はもう少し遅れると思う」と明かした。

 早田は「今はあまりパリ五輪のことを考えていない。目の前の試合で結果を出すことを今は考えています」と、一つ一つの大会を乗り越えた先にあるのが3年後のパリ五輪。次戦は、13日にトップおとめピンポンズ名古屋と大田区総合体育館で対戦する。「このような状況下で試合をさせていただけるのが本当にありがたい。4連覇に向かって頑張ります」と勝利と誓った。(THE ANSWER編集部・浜田 洋平 / Yohei Hamada)