卓球Tリーグが開幕 卓球のTリーグ男子が9日、東京・大田区総合体育館で4季目が開幕した。2季ぶりの優勝を目指す木下マイスター東京は、昨季王者・琉球アスティーダに3-2で白星発進。東京五輪混合ダブルス金、男子団体銅メダルの水谷隼がベンチ入りし…

卓球Tリーグが開幕

 卓球のTリーグ男子が9日、東京・大田区総合体育館で4季目が開幕した。2季ぶりの優勝を目指す木下マイスター東京は、昨季王者・琉球アスティーダに3-2で白星発進。東京五輪混合ダブルス金、男子団体銅メダルの水谷隼がベンチ入りした中、逆転勝ちを収めた。

 木下マイスター東京は第3試合までに2敗。後がなくなったが、第4試合で大島祐哉が木造勇人に3-1、1ゲーム勝負の第5試合でも宇田幸矢を15-13で撃破した。水谷に次ぐチーム2番目に年長の27歳は「皆さんの応援が力になりました」と拍手をくれた観客に感謝し、こう語った。

「1勝2敗で回ってきたけど、4、5試合目に行くと聞いていたので準備はしていました。ここまで来るのになかなか難しかった。1年半前に怪我もしたし、苦しい思いもしたので勝ててよかったです。(若手の相手にも)やっぱり試合をやる以上負けたくない。どんな相手でも勝つチャンスはある。彼らよりも経験があるので、そういうところで1点、2点でも勝っていきたい。ベテランの域に入ったので、なんとか勝っていきたいとい思います」

 第1試合のダブルスを落とし、第2試合のシングルスに出場したのは今年の全日本王者・及川瑞基。絶妙のタイミングでタイムアウトをとり、アドバイスをくれた水谷に感謝しつつ、試合をこう振り返った。

「開幕戦で自分も凄く気合を入れていた。木下は(過去)3年連続開幕戦を勝っていいスタートを切れているので、今日も勝っていいスタートを切りたいと思っていた。昨シーズンの開幕戦は無観客で行われたけど、今日はたくさんの観客が見に来てくださった。いい姿を見せられてやりがいを凄く感じました」

及川は五輪熱に感謝「卓球というスポーツを凄く認知していただけた」

 チームは監督不在のまま開幕を迎えた。ナショナルチームでコーチ経験がある渡辺隆司氏が監督代行としてベンチ入り。「私自身初めてTリーグのベンチに入った。エキサイティングな試合方式。両チーム、一丸となって戦っていて非常に緊張感の高い試合だった」と“デビュー戦”の心境を説明。「その中で勝つことができて嬉しいです」と笑顔だった。

 昨季はレギュラーシーズン1位だったが、琉球アスティーダとのファイナルで敗れ、3連覇を逃した。大島は「悔しい思いをした。今シーズンは必ず優勝するという強い気持ちで臨んでいる。必ず優勝したいと思います」と気合を入れた。

 試合前には場内実況が「初めてTリーグを見に来た人は?」と問いかけると、観衆889人のうち半分ほどが挙手。子どもたちも多く集まった。東京五輪の影響もあったようで、及川は「日本人選手がメダルを数多く獲って、卓球というスポーツを凄く認知していただけた。その中でTリーグがある。個人的にどんどん頑張って少しでも観客に見ていただいて広めていきたいなと思います」と責任感を滲ませた。

 次戦は18日の岡山リベッツ戦(大分県杵築市文化体育館)となる。(THE ANSWER編集部・浜田 洋平 / Yohei Hamada)