「全米オープン」(アメリカ・ニューヨーク/8月30日~9月12日/ハード…
「全米オープン」(アメリカ・ニューヨーク/8月30日~9月12日/ハードコート)でオープン化以降では3人目となる、男子シングルスで予選から準々決勝に進出した世界ランキング117位のボティック・ファン デ ザンツフープ(オランダ)。彼について、ATP公式ウェブサイトをはじめ複数のメディアが伝えている。【全米オープン特設ページ】ドロー表、無料配信、練習や記者会見の映像も!【関連記事】18歳選手や予選勝者がベスト8!柴原/マクラクランは2回戦敗退[全米オープン]
25歳のファン デ ザンツフープが「全米オープン」に参加するのは予選も含めてこれが初めて。それどころか、彼はこれまでアメリカを訪れたことがなく、ニューヨークのことは映画やドラマでしか見たことがなかったという。
「テニス選手が言うコメントとして変わってるとは思うけど、ニューヨークは素敵だね。この街のことは映画やドラマでしか見たことがなかったんだ。レストランに行ったり、ちょっと散策したりはしたけど、大会で負けたらやろうと思ってたいくつかのことはまだできてない。来週できたらいいね」
テニスを始めたのは4歳の時だが、それは家族の影響が大きい。「兄がテニスをしていて、その練習にいつもついて行ってたんだ。あと、母がアマチュアレベルだけど試合をしてたから、自然とテニスクラブで過ごす機会が多かった」
そんなファン デ ザンツフープは7歳だった2003年に見たある光景に惹きつけられる。2003年の「全米オープン」で優勝を飾るアンディ・ロディック(アメリカ)の雄姿だ。「子どもの頃はロディックの映像をたくさん見たよ。あと、ラファエル・ナダル(スペイン)とアンドレ・アガシ(アメリカ)の映像もね」
2013年にプロになってから6年後の2019年、ファン デ ザンツフープはチャレンジャー大会で初優勝を飾り、500位台だったランキングは1年で198位まで浮上した。その後パンデミックに水を差されたものの、今年は今大会前にフベルト・フルカチュ(ポーランド)、ライリー・オペルカ(アメリカ)というトップ50選手からも勝利を収めていた。
そして初めて臨んだ「全米オープン」では予選を勝ち上がると、1回戦で世界105位のカルロス・タベルネル(スペイン)に2セットダウンから逆転勝利。2回戦で第8シードのキャスパー・ルード(ノルウェー)を、3回戦で世界80位のファクンド・バグニス(アルゼンチン)をそれぞれ4セットで破ると、4回戦で第11シードのディエゴ・シュワルツマン(アルゼンチン)を6-3、6-4、5-7、5-7、6-1とフルセットの末に下している。
4回戦後、ファン デ ザンツフープは以下のように語った。「第11シードの選手を、こんな試合で下せたなんて凄いね。こんな大きなスタジアム(ルイ・アームストロング・スタジアム)でプレーしたのは初めてだよ。次の試合は多分、(センターコートの)アーサー・アッシュ・スタジアムになるんだろうね。もっと多くの観客が集まるだろうから楽しみだよ」
「自分よりうまい選手と対戦すると、自分のレベルも引き上げられるんだ。だから、うまい選手とやるのは好きだよ。自分が世界10位の選手にも勝てることはわかっていた。こんなに安定して良いプレーができたことはなかったけどね。大会を通していいテニスができている。新しい自分を見せられているよ」
「ここではたくさんの試合でプレーしていて、そのいくつかではもう少しで負けるところだった。だけど今日は今大会で初めて第1セットを取ることができた。会場の雰囲気は最高だね。アメリカに来たのは初めてだけど、素晴らしいよ。大会前は誰も僕が準々決勝に進出するなんて予想してなかったと思うけど、オランダの人たちも誇りに思ってくれるといいな」
オランダ人の男子選手がグランドスラムでベスト8に進出したのは17年ぶり。「全米オープン」では、ファン デ ザンツフープがロディックに魅せられた2003年大会のシェン・シャルケン(オランダ)以来、18年ぶりとなる。
シュワルツマンとの試合で、ファン デ ザンツフープは55本のウィナーを決めたほか、精確なネットプレーと高い守備力も披露した。彼が準々決勝で対戦するのは、ここまで1セットも落としていない第2シードのダニール・メドベージェフ(ロシア)だ。
ベスト8進出によって、次回のランキングではトップ70に入る見込みのファン デ ザンツフープ。どこまで飛躍を続けるだろうか。
(テニスデイリー編集部)
※写真は「全米オープン」でのファン デ ザンツフープ
(Photo by Elsa/Getty Images)