【栗山求(血統評論家)=コラム『今日から使える簡単血統塾』】◆先週の血統ピックアップ・8/29 キーンランドC(GII…

【栗山求(血統評論家)=コラム『今日から使える簡単血統塾』】

◆先週の血統ピックアップ

・8/29 キーンランドC(GIII・札幌・芝1200m)

 好位追走のレイハリアがゴール前の追い比べから抜け出し、外から飛んできたエイティーンガールをアタマ差抑えて重賞連勝を果たしました。初勝利を挙げるまで4戦を要したのですが、3月に未勝利戦を勝ち上がってからこれで4連勝です。

 前走の葵Sは17頭立ての13番人気でしたが、今回は3番人気。先週までに3歳牝馬が古馬に伍して重賞を3勝しており、前走負かしたヨカヨカは北九州記念を勝利。そうした背景もあって今回は上位人気の一角に推されていました。

 父ロードカナロアは今年平地重賞8勝目。重賞勝利数1位のディープインパクトは16勝なので半分に過ぎませんが、全種牡馬のなかで第2位という優秀な成績で、5勝で並んでいる第3位のハーツクライとキズナを3勝リードしています。

 昨年まではアーモンドアイやサートゥルナーリアなどの活躍で2000m以上の重賞をコンスタントに勝っていたのですが、両馬とも引退したため、今年に入って勝った重賞はすべて1600m以下です。

 今年、芝1200m以下で行われたJRAの重賞10レースのうち、4レースをロードカナロア産駒が勝っています。

 本馬は母方にサンデーサイレンスとトニービンを併せ持ちますが、このパターンのロードカナロア産駒は成績優秀。計5頭の重賞勝ち馬が出ています。

◆今週の血統Tips

 新種牡馬ドレフォンは先週終了時点でJRA6勝。その内訳は芝4勝、ダート2勝。芝の勝ち星が優っているのは、ダートの番組が少ないことが原因です。

 連対率を比較すると芝13.6%、ダート33.3%なので、ダートの番組が増える秋以降、成績が向上していくことは間違いなさそうです。

 現役時代に米チャンピオンスプリンターのタイトルを獲得しましたが、テンから飛ばしていく快速型の産駒は意外に少なく、現状、1700〜1800mの成績が良好です。本質的にはダート向きですが、母が芝のスタミナタイプである場合、芝中距離向きの馬が出ています。

 札幌2歳Sに登録のあるジオグリフとユキノオウジサマがそうです。

 両馬とも芝1800mの新馬戦を勝ちました。ジオグリフは6月26日に東京芝1800mの新馬戦を勝ちました。勝ちタイム1分48秒2は、東京芝1800mの新馬戦のなかで歴代第2位。ラスト5ハロン「57秒3」は、芝1800mの新馬戦史上最速です。

 重要なのは後者で、これまでの最高記録だった58秒2を0秒9も上回りました。芝1800mの新馬戦でラスト5ハロンが59秒未満、という馬は年間2〜3頭しかいません。スローペースで上がり3ハロンが33秒前後、という馬は珍しくありませんが、いかにスローペースであってもラスト5ハロンが59秒を切る、というのは高い心肺機能のサポートがないと困難です。

 それは地力と言い換えてもいいでしょう。芝1800mの新馬戦史上、58秒台前半で上がった馬は、ダノンプレミアム、ブルーフラッシュ、ラスマドレスの3頭しかいません。ダノンプレミアムは朝日杯を勝って2歳牡馬チャンピオンとなり、ブルーフラッシュはその後あまり出世しなかったものの、2着のショウナンパンドラはのちに秋華賞とジャパンCを制覇しました。

 ラスマドレスは先週の小倉で勝ち上がったばかりですが、高い資質に恵まれていると考えられます。

 これらを大きく上回る「57秒3」を出したジオグリフはおもしろい存在といえるでしょう。軽いノド鳴りがあるので、それが悪化しなければ楽しみです。

 (文=栗山求)