ニトリレディス最終日 女子ゴルフの国内ツアー・ニトリレディス最終日が29日、北海道・小樽CC(6695ヤード、パー72)で行われ、3打差の4位で出た東京五輪銀メダルの稲見萌寧(都築電気)が5バーディー、ボギーなしの67で回り、通算16アンダ…

ニトリレディス最終日

 女子ゴルフの国内ツアー・ニトリレディス最終日が29日、北海道・小樽CC(6695ヤード、パー72)で行われ、3打差の4位で出た東京五輪銀メダルの稲見萌寧(都築電気)が5バーディー、ボギーなしの67で回り、通算16アンダーで逆転優勝した。3か月ぶりの今年6勝目&ツアー通算8勝目。コロナ禍による2020-21年統合(52試合)の変則シーズンだが、シーズン7勝は歴代2位タイとなった。

 稲見は強い。5番パー4、残り100ヤード超の第2打はグリーンでワンバウンドした後にピンに直撃。カップのそばにポトリと落ち、楽々とバーディーだ。ピンに当たっていれば大きく奥に飛んでしまっていたシーン。運も味方につけると、続く6番も1つ伸ばして単独首位に。全美貞に1打差に迫られた後の15番でバーディーを奪って突き放し、逆転Vを掴みとった。

 前週は単独首位で出た最終日に4連続を含む7ボギーの大崩れで2位。賞金ランクトップの小祝さくらに優勝を譲ったが、今週は小祝の3連勝を阻止した。勝因は「一番は最終組で回らなかったこと」と説明。「ピリピリとした感じからは少し免れた」と振り返った。

 この日は「歩けないくらい痛くて」と時折右足を引きずる仕草を見せた。前夜から足の裏に「魚の目のようなもの」ができ、テーピングを巻いて出場。激痛を堪えながら戦い抜き「唯一の救いはスイングの時は痛くなかった。歩くのが痛かったけど、そこは助かりました」と安堵した。

 大会前から「球が当たらない」と不調を痛感。「半信半疑」と迷いがあった。「自分の打っている感覚、狙ったところに打てていないのが調子がよくないと感じていたところです。ギリギリの中でなんとかやったという感じです」。不調でも勝てるところは底力のある証拠だ。

稲見が感じる7勝の価値「出ているメンバーがみんな強い」

 昨年10月の1勝も合わせ、シーズン7勝は03年不動裕理の10勝(30試合)に次ぐ歴代2位タイ。04年の不動、15年のイ・ボミ、19年の鈴木愛に並んだ。3人とも賞金女王になっている。22歳31日での通算8勝目は宮里藍(19歳337日)、横峯さくら(21歳305日)に次ぐ3番目の早さ。飛ぶ鳥を落とす勢いだが、稲見は他の選手にも敬意を払っている。

「(シーズン7勝の選手が賞金女王になったことは)今、初めて知りました(笑)。出ているメンバーがみんな強い。優勝できる選手ばかりなので、その中で7勝できたり、上位にずっといられたのはよかった。独走状態での7勝じゃない。みんなが強い」

 若手からベテランまで誰が勝ってもおかしくない女子ツアー。その中で勝利を積み重ねていることに価値を見出している。今季は統合の変則シーズンだが、今週で19年の試合数と同じ39試合に到達。賞金女王争いでは、トップの小祝さくらに約200万円差まで迫っている。

「賞金ランクはあまり気にしていない。この先の試合で勝ち続けることを目指しています。これで終わることなく勝ち続けられるように頑張りたい。メジャー優勝をしたいという想いと、2ケタ優勝ができたらいいなというのを目標にしています」

 慢心することなく上を目指す。(THE ANSWER編集部)