アメリカ・フロリダ州マイアミで開催されている「マイアミ・オープン」(ATP1000/3月22日~4月2日/賞金総額699万3450ドル/ハードコート)の男子シングルス2回戦で第5シードのラファエル・ナダル(スペイン)が、すべてのサービス…

 アメリカ・フロリダ州マイアミで開催されている「マイアミ・オープン」(ATP1000/3月22日~4月2日/賞金総額699万3450ドル/ハードコート)の男子シングルス2回戦で第5シードのラファエル・ナダル(スペイン)が、すべてのサービスゲームをキープし、デュディ・セラ(イスラエル)を6-3 6-4で下した。

 ナダルが今年のマイアミで初めて拳を突き上げたのは、彼のフォアハンドがサイドラインに乗り、長いラリーに勝った瞬間だった。彼はスキップするように宙に跳び上がりながらガッツポーズをつくる得意のジェスチャーでポイントを祝い、それから勢いを加速させ、勝利に向けて突き進んだ。

 こうしてマイアミで優勝を目指すナダルの挑戦が始まったのだ。

 「モティベーションでいっぱいだ」とナダルは言う。

 ナダルは、今年マイアミで13回目の大会を戦っているが、2005、2008、2010、2014年に決勝に進出したにも関わらず、一度も優勝したことがない。12回の出場で優勝がゼロというのは、ナダルにとって、すべての大会を見回しても、もっとも長い“干ばつ”で、グランドスラム大会で14度優勝という彼の履歴書上においては、おそらくもっとも目立つ欠陥と言えるだろう。

 このことはナダルを悩ませているのだろうか? 彼はフラストレーションを感じているとは認めないだろうが、ノバク・ジョコビッチ(セルビア)と戦った決勝の第3セットで、タイトルまであと2ポイントと迫ったときの正確なスコアをいまだ憶えていることを、ちらりと漏らしてしまった。それは6年も前のことだ。

 「ノバクに対し、6-5の15-30だった」とナダルは言った。「でも結局、勝つことができなかったんだけどね」。

 ナダルは、ラテン系のファンたちが彼に情熱的な声援を送るマイアミの雰囲気をいつも楽しんできたし、この大会で採用されているハードコートが好きだと言う。ただ、優勝の到来が遅れているだけだと。

「毎年、ベストを尽くしている」と、ナダルはセラを下したあと、スタジアムの観客たちに言った。「4度、優勝するまであと一、二歩というところまで迫った。(今年)もう一度挑戦するよ」。

 ナダルの2017年はここまで15勝4敗で、自分のプレーをうれしく思っていると言う。彼は全豪オープンの決勝でロジャー・フェデラー(スイス)に敗れ、また先週のインディアンウェルズ(ATP1000)でも、4回戦でやはりフェデラーに敗れていた。

 セラに対する試合でナダルのサービスの調子はよく、彼はこの日、直面した2つのブレークポイントをセーブし、風が強かった中、時折起きたグラウンドストロークの乱れをも克服した。

 「適切なフィーリングをつかむのが非常に難しかった」とナダルは言った。「こういった類の日にやらなければならないことは、勝とうと努めることだ。それが僕が実際に今日やったことであり、そのことをうれしく思っている」。

 ナダルのタイトル獲得への挑戦を幾分楽にする要素は、6度優勝しているジョコビッチと、2度優勝しているアンディ・マレー(イギリス)が、ともに肘の故障のため、今年の大会に出場していないことだろう。

 とはいえ、第3シードのミロシュ・ラオニッチ(カナダ)は、コートに戻ってきた。彼はビクトル・トロイツキ(セルビア)を6-3 7-5で倒し、2月25日以来の試合で勝利をおさめた。ラオニッチは右脚の故障のため、しばしの間、プレーの休止を強いられていた。

 「この大会のために、できる限り最良の準備をした」とラオニッチは言った。「現在の僕は必ずしもベストポジションにはいないかもしれないが、幸運なことに、これは長い大会だ。状態が変わらないとは言いきれないし、この大会を通して、調子を向上させていけたらいい」。

 第2シードの錦織圭(日清食品)はケビン・アンダーソン(南アフリカ)を6-4 6-3で退けた。一方で、第7シードのマリン・チリッチ(クロアチア)がジェレミー・シャルディ(フランス)に4-6 6-2 3-6で敗れるという番狂わせも起きた。(C)AP(テニスマガジン)