GIスプリンターズS(10月3日/中山・芝1200m)の前哨戦となるGIIIキーンランドC(札幌・芝1200m)が8月…

 GIスプリンターズS(10月3日/中山・芝1200m)の前哨戦となるGIIIキーンランドC(札幌・芝1200m)が8月29日に行なわれる。

 過去10年の結果を振り返ってみると、1番人気は3勝、2着4回、3着1回と安定した成績を残している。夏競馬の重賞は波乱が多いとされるが、その中でも比較的「堅い」レースと言える。

 ただ、人気薄の激走もしばしば見られ、3連単では好配当が何度か生まれている。しかも今回は、6月に同条件で行なわれたGIII函館スプリントS(6月13日/札幌・芝1200m)の1、2着馬が不在。激戦の様相を呈している。

 実際、スポーツ報知の坂本達洋記者はこう語る。

「古馬実績馬に加えて、今年はメイケイエール(牝3歳)やレイハリア(牝3歳)といった能力のある3歳馬が参戦。新旧対決の様相を呈しています。そうなると、斤量の恩恵がある3歳馬に利がありますが、断然の人気馬は不在。人気が割れそうで、穴党にとっては妙味のあるレースと言えそうです」

 さらに坂本記者は、今年の札幌のやや特殊な馬場状態に言及し、波乱ムードを匂わす。

「五輪開催によって、例年よりも早い時期に行なわれた今年の1回札幌は、芝が短めだったせいか、2歳戦ではレコードが続出するなど、かなり時計が速い傾向にありました。それでも2回札幌の開催では、全体時計もかかるようになって、本来の洋芝らしい馬場になっています。今週からCコースを使用しますが、その傾向に変わりはなく、展開ひとつで伏兵差し馬の台頭がありそうです」

 そこで、坂本記者が穴馬候補に挙げるのが、マイネルアルケミー(牡5歳)だ。

「実績面では一枚見劣りしますが、現在の充実ぶりは侮れません。今年に入って2連勝でオープン入りを果たし、主戦の黛弘人騎手も『馬が自信をつけてきた』と相当な手応えを感じている口ぶりでした。3走前の函館スプリントSでは7着でしたが、勝ち馬とはコンマ2秒差。着順ほど負けておらず、決して悲観する内容ではなかったと思います。

 放牧明けだった前走のオープン特別・UHB賞(8月15日/札幌・芝1200m)こそ10着と惨敗を喫するも、今回は使った上積みが見込めます。現地に滞在している担当スタッフからも『今回は1回使った分、いいかもしれない。もともと2戦目が一番いい馬ですから』と、気配のよさが伝わってきています。うまく流れに乗って機動力を生かせれば、上位争いに食い込む余地は十分にあるでしょう」



近走不振も、昨年勝った舞台での激走が期待されるエイティーンガール

 坂本記者はもう1頭、昨年の覇者エイティーンガール(牝5歳)を推奨する。

「近走の成績は冴えませんが、昨年の覇者で地力は秘めています。こちらも、前走のUHB賞は13着と振るいませんでしたが、GI高松宮記念(7着。3月28日/中京・芝1200m)以来の久々が響いた感じです。今回は使って、順当に上向いていると考えていいでしょう。

 終(しま)い一手の脚質で、どうしても展開待ちという面を持ちますが、今回はスピード抜群のメイケイエールが出てきますからね。速いペースで引っ張られて前が苦しくなったところを、後方からズドンと突っ込んでくるシーンがあっても驚けませんよ」

 一方、中日スポーツの大野英樹記者も「6年前のウキヨノカゼ(8番人気)、4年前のエポワス(12番人気)、そして昨年のエイティーンガール(5番人気)と、このレースは追い込み馬が穴をあけてきた印象があります」と言って、今年も後方から一発を狙う伏兵馬に注目する。

「なかでも、今回はジョーアラビカ(牡7歳)に食指を動かされます。先行抜け出しから追い込み型へと脚質転換を図った馬で、典型的な先行有利の流れとなった前走のUHB賞(12着)は手も足も出ませんでした。

 しかし、3走前の函館スプリントSでは勝ち馬からコンマ1秒差の4着。マークした上がりはメンバー中、2番目に速いものでした。今回、再び重賞でペースが激化しそうなのは、この馬にとっては有利に働きそうです。

 UHB賞を使ってのこの舞台は予定されていたローテーションですし、7歳馬となった今も衰えは感じられません。末脚を炸裂させての大駆けに期待が膨らみます」

 大野記者ももう1頭、気になる馬がいるという。

「カツジ(牡6歳)です。函館スプリントSでは、ジョーアラビカを上回るメンバー最速の上がりをマーク。昨秋のGIIスワンS(京都・芝1400m)で逃げ切り勝ちを収めて以降は3戦連続でふた桁着順という状況にありましたが、最後方から強烈な追い込みを見せて掲示板を確保しました(5着)。

 ディープインパクト産駒ながら、力の要る洋芝が合っているタイプで、前走後はここに照準を合わせて調整されてきました。前走でこの距離の走りにメドも立てられただけに、前進の可能性は大いにありそうです」

 北の大地で行なわれる熾烈なスプリント戦。ここに挙げた4頭が激アツの高配当をもたらしてくれることを期待したい。