現地から届く試合の映像や写真をチェックすると、飯野晃司がおでこに大きなこぶを作っていた。

 3月10日からの9日間、20歳以下(U20)日本代表候補に各大学の上級生が加わったジュニア・ジャパンは、フィジー・スバでのパシフィック・チャレンジに参戦。帝京大4年の飯野は全3戦で背番号5をつけ、環太平洋のライバルたちとぶつかり合っていた。

 もしかして、試合中に殴られたのですか。

「ハハハハハ。その通りですね!」

 日本へ戻ったばかりの本人が、笑って即答した。こぶができたのは、10日にあったサモアA戦の最中だろう。自身のトライもあって34-31と勝利したこのゲームでは、レフリーの目の届かぬところでも苛烈なバトルがあったようだ。

 42-33で勝利した18日のトンガA戦でも、飯野はもうひとつこぶを作ったという。20日夜に帰国。暗闇のもとでも、目の周りに細かい傷やあざが見て取れる。

「最終戦も、(こぶが)できて。でも、飛行機に乗ったらへこんだんです。…気圧の関係ですかね?」

 身長189センチ、体重108キロのサイズで、LOを主戦場とする。いつでも攻防戦に顔を出す運動量と、ハードなコンタクトでチームをけん引してきた。大学選手権8連覇を達成した今季は副将を務め、今度のジュニア・ジャパンでもU20組を身体で引っ張った。

「今回は下級生から隔たりなく接しに来てくれた。いいチームだったと思います。全体的にスキルが高かったので、戦術を合わせるだけでいろいろなことができた」

 卒業後はサントリーへ進む。目標はやはり、テストマッチ出場だ。日本代表のジェイミー・ジョセフ ヘッドコーチは現在、戦力底上げのためのナショナル・デベロップメント・スコッド(NDS)のキャンプを開催中である。23日にはそのNDSのセッションに、今回のジュニア・ジャパンにいた東海大3年のFB、野口竜司が加わった。飯野もチャンスをうかがう。

「上を狙うには、ここでしっかり、と考えていました。NDSへ呼ばれれば、またしっかりとやりたいです」

 この飯野とともにジュニア・ジャパンを支えたのが、帝京大で主将を務めた亀井亮依だ。春からNECへ進む身長178センチ、体重97キロのFL。亜熱帯地域の大会では、持ち前のジャッカル(肉弾戦で球に絡むプレー)などで魅した。こちらも今回の機会を、ジャパン入りへのきっかけにしたかったという。飯野とともに帰路へつくなか、思いを語っていた。

「チャンスをもらえているので、それを活かせれば」

 今回のチームでは、主将の座を堀越康介に譲った。帝京大の次期主将でもある堀越のリーダーシップについては、「言うことなし」と亀井は言う。

 飯野と亀井は、グラウンド内外における後輩の振る舞いを語りながら、ジュニア・ジャパンというチームが結束したさまを明かした。

「U20組に対してのアプローチをすごく意識していました。U20の方から(意見を言うような)雰囲気を作るようにしました」

 常勝集団でひたむきさと強靭さを蓄えてきた2人のタフガイは、この先も身体を張る。(文:向 風見也)