ニトリレディスが開幕 女子ゴルフの国内ツアー・ニトリレディスが26日、北海道・小樽CC(6775ヤード、パー73)で開幕した。金田久美子(スタンレー電気)は4バーディー、ボギーなしの69で回り、4アンダーで首位と1打差の2位発進。三ヶ島かな…

ニトリレディスが開幕

 女子ゴルフの国内ツアー・ニトリレディスが26日、北海道・小樽CC(6775ヤード、パー73)で開幕した。金田久美子(スタンレー電気)は4バーディー、ボギーなしの69で回り、4アンダーで首位と1打差の2位発進。三ヶ島かな(ランテック)が5アンダーで単独首位発進した。

 金田が難コースでうまくスコアをまとめた。前半4番でバーディーを奪うと、続く5番パー4は残り155ヤードから約3メートルにつけて連続バーディー。8番は15メートルのパットをねじ込み、13番は残り127ヤードから2メートル半につけて1つずつ伸ばした。「ノーボギーは完璧ですね。このコースでボギーがないのは嬉しい」。笑顔に充実感を溢れさせた。

 前週はアクシデントに見舞われた。開幕前日の練習ラウンド中に「見えないマンホールでグキッと捻挫した」と左足首を負傷。歩くことはできたが、スイング後のフォロースルー時の痛みは耐えきれなかった。「棄権はしたくなかったけど、やってみると痛い。今後もあるので」と初日の前半終了後に棄権を選択した。

 今週も痛みは残り「練習ラウンドはせずに、ショットとパットの練習だけした」と満身創痍。アイシングを欠かさず、テーピングで固定したまま出場したが「ドライバーも振り切れないので、なんとなくてやっていたらボチボチよかった。(練習を)省エネにしたのがよかったと思います」。3月の今年初戦では「ぎっくり腰っぽいものになった」と持病の腰痛が悪化。様々な痛みと付き合いながら戦っている。

 2002年に12歳9か月のツアー最年少予選通過記録をつくるなど、早くから活躍。2011年に初優勝した“キンクミ”は、今月14日で32歳になった。「10代でプロになった頃は25歳で辞めるつもりだった。25歳になったら30歳で辞めると思っていた」と若手時代を回顧。しかし、今はゴルフから離れられない。

「成績も出していないし、まだまだやれると思っているのでやりたい。やっぱり今はゴルフのことしか考えられない。できるところまでやろうかなという考えになってきた。まだゴルフを頑張ろうと思う」

32歳の誓いは「楽しくプレーすること。王道です」

 今もなお成長を感じる部分は精神面。「悪くても気楽に考えられるようになりました。昔はちょっと調子が悪いと『うわーっ!!』となっていた。でも、今は失うものがない。切羽詰まっていない感じです」と気持ちの切り替えもできるように。今週、2ボール型のパターを投入したのも、心のゆとりからできることだった。

「人生初めて2ボールにした。3年前だったら怖くて新しいものにできなかった。今は使ってみよう、どんなものかなと思ったらすぐにできる。昔と考え方が変わったところですね。前は使っていないものは絶対にやらなかった。今日はそれがいい方に転びました」

 32歳の誓いは「楽しくプレーすること。王道です」と笑う。北海道は、中学3年だった04年に不動裕理との優勝争いの末、3位に入った場所。「もう20年くらい前ですよね。北海道は涼しいですし、フラットなコースが多い印象。好きですね」。19年は賞金ランク83位でシード権獲得から遠ざかり、今季は最終予選会113位で出場できる試合は限られている。

「まだ3日間ある。最終日に優勝争いをできる位置にいたい」

 20歳前後の若手の活躍が目立つ女子ツアーだが、今年は35歳の上田桃子、33歳の菊地絵理香、笠りつ子、若林舞衣子も復活優勝を果たした。キンクミにもチャンスはある。(THE ANSWER編集部)