ステファノス・チチパス(ギリシャ)とアレクサンダー・ズベレフ(ドイツ)が対戦した先週の「ATP1000 シンシナティ」準…

ステファノス・チチパス(ギリシャ)とアレクサンダー・ズベレフ(ドイツ)が対戦した先週の「ATP1000 シンシナティ」準決勝で、チチパスに対するコーチング疑惑が浮上した。テニス関連ニュースサイト Tennis Headなど複数のメディアが報じている。【マッチハイライト】アレクサンダー・ズベレフ vs ステファノス・チチパス/ATP1000 シンシナティ準決勝【関連記事】今さら聞けないテニスのイロハ ~第16回 治療やトイレのためのタイムって?~

第3シードのズベレフは、第2シードのチチパス相手に2時間40分以上に及んだ激闘を6-4、3-6、7-6(4)で制した。その後、第4シードのアンドレイ・ルブレフ(ロシア)との決勝にも勝利し、タイトルを手にしている。そんな準決勝でチチパスの取ったトイレ休憩が話題を集めることになった。

第1セットを落としたチチパスは、その後に着替え一式の入ったバッグを持ってコートを離れる。するとそこから8分間もコートに戻らなかったため、バッグに携帯電話も入っている可能性が高いことから、トイレの個室でこっそりコーチングを受けているのではないかとズベレフが疑うことに。

チチパスが戻って来ない中、ズベレフは主審にそれを訴えると、「では私たちに何ができるのですか?」と返す相手に、「パリ(全仏オープン)でもそうだったし、これからも彼が出場するすべての大会で同じことが起こるだろう」と話した。そんなズベレフと主審によるやり取りを捉えていた中継カメラの映像が切り替わると、そこには観客席で忙しなく携帯に文字を打ち込むチチパスの父親でありコーチを務めるアポストロスさんの姿が意味ありげに映し出された。

ズベレフは試合後に「僕は正々堂々と勝負する人間だ。メディカルタイムアウトもトイレ休憩も必要がなければ取らない。でも、試合を中断するこうした機会を利用する選手もいる。その気になればルールはいくらでも曲げられるからね。“全仏オープン”でも第5セットの前にチチパスは同じようなことをしたんだ。それもあって僕は少しイライラしていた。アカプルコでもあったしね。でも、もう気持ちは切り替えたよ」と述べている。

当のチチパスは、今回のトイレ休憩について「おかしな点もなければ謎でもないよ。着替えるためにロッカールームに行っただけさ。観客の前で短パンを履き替えるわけにはいかないだろう」と説明。コートに戻った際に観客からブーイングが沸き起こり、明らかにズベレフが苛立っていたことを受けても気にした様子はなく、「僕は人よりも汗をかくんだ。だからこれくらい許容範囲だと思うけど。これが僕のやり方なんだよ。次のセットを始める前に一旦コートを離れると気分がスッキリするから、これからもこの方法を変えるつもりはない」と話す。

チチパスは第2セットを取った後で再びトイレ休憩を取ろうとしたが、トイレ休憩は1試合に2回まで認められているにもかかわらず、チチパスの場合は前回の休憩で時間を使い果たしたとして主審に止められる事態に。ルールブックには1度あたりの制限時間は明記されていない一方で「戦略的利用」は禁じられているため、主審が間接的にバランスを取ったのかもしれない。チチパスは「(汗だくになりながらも)何とか試合を乗り切れたけど、主審は不親切だった。後でルールブックを確認するよ」と試合後に不満を漏らしている。

ズベレフが指摘したように、チチパスは罰金を科せられることも承知の上でこれまでに何度もコーチング違反をしてきた。さらに先月には、自分に限らずコーチングは公然と行われているとして、正式にルールとして認めるべきだと訴えている。

なお、この一件について、元世界王者アンディ・ロディック(アメリカ)は、証明するのは難しいものの、状況証拠や過去の出来事を考慮するとチチパスがコーチングを受けた可能性は高いと発言。第1セットでは1度もやらなかったサーブ&ボレーを第2セットの第1ゲームで3、4回連続してやるなど、トイレ休憩を境にがらりと戦略を変わったことが何よりの証拠だと主張している。

(テニスデイリー編集部)

※写真は「ATP1000 マイアミ」でのチチパス

(Photo by Michael Reaves/Getty Images)