ドイツ・ブンデスリーガ2021-22シーズンは第2節が終わった。まだ市場が閉じておらず、この先減ることも増えることもあ…

 ドイツ・ブンデスリーガ2021-22シーズンは第2節が終わった。まだ市場が閉じておらず、この先減ることも増えることもあるだろうが、今季は8人の日本人選手が1部でプレーしている。それぞれの現状をチェックしたい(順番は第2節終了時点で上位のチームから)。

浅野拓磨(ボーフム)

 2シーズンぶりのドイツ復帰となる浅野。2016年からシュツットガルトで2シーズン、ハノーファーで1シーズンプレーしたが、ハノーファーが買い取りオプションを行使せず、アーセナルとの契約も終了したため、2019-20シーズンからセルビアの名門パルチザン・ベオグラードと3年契約を結んだ。2020-21シーズンは16得点を決め、一時は得点ランク2位にまで浮上したが、給料未払いが発生し、浅野側から契約を解除した。

 今夏、無事にドイツ1部に戻ってきた浅野は、背番号10を背負い右サイドでプレーする。今季の目標は10ゴール以上と公言。「まずはケガをしないこと」と現状を冷静に見ている。開幕戦で先発したがチームは敗れ、ベンチを温めた第2節は勝利。序盤戦は少々苦しい時間を過ごすことになるかもしれない。だが、ここまで辛酸を舐めてきた浅野が折れることはないはずだ。



遠藤航・伊藤洋輝(シュツットガルト)

 昨季のツヴァイカンプフ・マイスター(1対1の王者)であり、開幕前から期待値が抜群に高かったのが遠藤だ。東京五輪開幕前から「ビルト」紙は、「仮に日本が決勝(8月7日)に進んでも、遠藤は開幕戦(8月14日)で最低でもベンチには入るだろう」と予測。その後、チームキャプテンにも任命された。

 ゲーム時にキャプテンマークを巻くゲームキャプテンではなく、ピッチ外での話し合いなどで、チームをまとめる役割があるチームキャプテンになったのは、日本人では酒井高徳以来2人目。ドイツ語力を懸念する声もあったが、それよりも信頼が優った。スヴェン・ミスリンタットSD(スポーツディレクター)も「疑いのない信頼を置く」と絶賛する。開幕戦ではさっそくゴールも決めた。中盤と守備陣との連係、関係構築は遠藤の肩にかかっている。

 今夏、ジュビロ磐田から移籍した伊藤は、加入直後にトップチームのオーストリアキャンプに招集され、ペッレグリーノ・マタラッツォ監督からも認められた。若手メンバー中心で4部チーム相手に6ー0で勝利したドイツ杯1回戦はフル出場。3バックの中央でクリーンシートに貢献した実績は高く評価され、リーグ戦でも2戦連続でベンチ入りしており、いつブンデスデビューしてもおかしくない。「キッカー」誌によれば伊藤のレンタル移籍で支払われたのは10万ユーロ(約1300万円)で、伊藤の活躍次第で50万ユーロ(約6500万円)での購入オプションがついている。

原口元気・遠藤渓太(ウニオン・ベルリン)

 2部ハノーファーで3シーズンすごした原口は、移籍後、2列目でプレーしており、ドイツ杯では途中出場、リーグ戦では2戦連続で先発している。一方で、同じく2列目でプレーする遠藤は、昨季途中に完全移籍を勝ち取り、2シーズン目を迎える。ところが原口加入のあおりを受けてか、ここまでドイツ杯でベンチ入りしたものの、リーグ戦2戦はベンチ外。つまり、ここまで公式戦で2人の共演はない。

 ともにドリブルを持ち味とする攻撃型の選手ではあるが、よりゴール前に切り込む動きに自信のある遠藤と、守備やサイドバックまでこなす走力、プレーエリアの広さが特徴の原口の共存は可能だし、見てみたいところ。チームはリーグ戦で2戦連続引き分けと、まだ不安定。また、今季から欧州カンファレンスリーグ(チャンピオンズリーグ、ヨーロッパリーグに次ぐ欧州の大会)が始まるため試合数も多い。遠藤にもチャンスはまだまだあるはずだ。

奥川雅也(ビーレフェルト)

 昨季、冬の移籍で加入し、今季開幕前に完全移籍。安定してトップ下で起用されており、今季も着実に出場を重ねそうだ。ビーレフェルトにはあまりいないテクニカルなタイプで、守備面の貢献度も高いため重宝されている。奥川はザルツブルク在籍中だった昨年11月には日本代表オーストリア合宿に初招集されるはずだったが、クラブで新型コロナウイルスのクラスターが発生し、見送られた。代表での活躍も見てみたいものだ。

鎌田大地・長谷部誠(フランクフルト)

 昨季は5位で、惜しくもチャンピオンズリーグ出場を逃したフランクフルトの主力2人だが、今季は期せずしてスロースタートとなっている。

 昨季5得点15アシストの鎌田の場合は、毎年のことではあるが、移籍の噂がつきまとっているからだ。特にこの夏は、クラブが資金を調達するためにも、フィリップ・コスティッチらとともにステップアップの移籍を果たすのではないかと見られていた。本人は「まだフランクフルトとの契約はあり、ここでのプレーに集中する」と話しているが、今後のオファー次第だろう。もちろん、残ったらチームにとって大きな戦力となることは間違いない。

 一方の長谷部は、チーム最年長の37歳で新シーズンを迎えることとなり、開幕前には「今年が一番調子がいい」とのコメントがドイツメディアを飾ったが、本人は「ドイツ人記者はいつもそれを聞いてくるので、もはや言わされているみたいなもの」と苦笑する。

 オリバー・グラスナー新監督が4バックと3バックを併用することもあり、出場機会、ポジションが安定するまでに時間がかかりそうだ。今季は開幕戦ではボランチでプレーしたが、ドルトムントに大敗。ドローだった第2節アウクスブルク戦はベンチスタートで後半35分から途中出場となった。チームの戦術が定まるまで、長谷部のポジション、出場機会は不安定になりそうだ。

 秋にはW杯最終予選も始まり、代表争いも熾烈になる。ドイツ1部でコンスタントにプレーする選手は代表でも主力候補になると見て間違いない。ブンデスリーガでどのようなプレーを見せてくれるのかが楽しみだ。