4コーナーからゴールに向かって強い風が吹きつけるなか、第57回札幌記念の出走馬13頭がゲートを飛び出した。 立ち遅れ…
4コーナーからゴールに向かって強い風が吹きつけるなか、第57回札幌記念の出走馬13頭がゲートを飛び出した。
立ち遅れたバイオスパークがそのままゆっくり外埒へと寄って行き、正面スタンド前で競走を中止した。
残りの12頭で先手を取ったのはトーラスジェミニだった。
大外13番枠から出た吉田隼人のソダシは、内に切れ込みながらトーラスジェミニのやや後ろにつけ、2番手で1、2コーナーを回って行く。
「外枠を引いてしまったので、素直に、ゲートを出たなりに1コーナーに入ろうと思っていました」と吉田。
ステイフーリッシュが内枠を利して3番手となり、ウインキートスが4番手、ペルシアンナイト、サトノセシルらがつづく。
1番人気のラヴズオンリーユーはサトノセシルの直後の中団を抜群の手応えで進んでいる。先頭との差は4、5馬身か。
馬群は向正面へ。前半1000m通過は59秒9。平均ペースといったところか。
ソダシは、ハナを切るトーラスジェミニの真後ろではなく、やや外の2番手を気持ちよさそうに走っている。吉田はこう振り返る。
「折り合いもついていましたし、いつでも動けるという手応えが手綱から伝わってきました」
1000m標識を通過したところで、後方につけていたブラストワンピースが外から一気に進出し、先行集団に並びかけて3コーナーに入って行く。
3コーナーでブラストワンピースに外からマクられそうになったとき、吉田は引かずにソダシを促して加速。外にブラストワンピースを引き連れて、内のトーラスジェミニをかわして先頭に立った。
ソダシは、内埒沿いで、体ひとつ抜け出したまま先頭をキープし、直線へ。
ラスト200m地点でブラストワンピースをかわしたペルシアンナイトが追い上げてくるとさらに脚を伸ばし、並ばせない。
「今日の前半のレースでも、前に行った馬が最後まで止まらない馬場だったので、自信を持って追い出しました」と吉田。
外からラヴズオンリーユーも猛然と追い込んでくるが、ソダシは吉田の左ステッキに応えてストライドを伸ばす。
ラヴズオンリーユー、ペルシアンナイトという年長のGI馬の追い上げを封じ、ソダシが先頭でゴールを駆け抜けた。
2着ラヴズオンリーユーとの着差はわずかに3/4馬身だったが、まったく危なげない勝利であった。
初の敗北(8着)を喫したオークス以来の実戦で、見事「復権」した。
(文:島田明宏)