■8月21日/J1第25節 徳島ヴォルティス―浦和レッズ (鳴門大塚) J1第25節、徳島ヴォルティスと浦和レッズの試合…
■8月21日/J1第25節 徳島ヴォルティス―浦和レッズ (鳴門大塚)
J1第25節、徳島ヴォルティスと浦和レッズの試合は、浦和のリカルド・ロドリゲス監督にとって“凱旋試合”となったが、そこには両者の特別な思いがあったようだ。
試合は、徳島がボールを握って再三のチャンスを作るが、後半17分にMF関根貴大が少ないチャンスを決め切り、1-0で浦和が白星を飾った。内容としては上回った徳島だったが、一歩及ばず、リカルド監督への“恩返し”とはならなかった。
試合後の会見で、徳島時代に交流のあった報道陣から「リカ、元気?」と問われると、リカルド監督は「はい、元気よ」と日本語で答え、満面の笑みを見せた。
徳島への思いを聞かれると、「(スタジアムに)到着してからは逆のロッカールームやベンチを使いましたし、すべてが違うような印象で、不思議な感じだった。何よりも変わらないのは、徳島の人々、ファンやサポーターのみなさんが挨拶をしてくれること。常にあたたかいぬくもりや距離の近さを感じる。過去や現在のことも含めて、あたたかい応援をしてくれることはとても嬉しい。徳島のみなさんに感謝しています」と、目を細めた。
■徳島・DF福岡「リカのサッカーを超えたい」
無論、この一戦について思い入れが強かったのはリカルド監督だけではない。徳島のダニエル・ポヤトス監督もリカルド監督と同じスペインの出身。「試合後には“徳島の方が我々のチームよりも上だった”と、激励してもらった。とても人柄が良い監督だと思いました」と、ピッチ外でのやり取りを明かした。
徳島のDF福岡将太は、リカルド監督との対決について感想を問われると、「僕らの方が主導権は握れていた。自分たちのやりたいサッカーを実現できるようになってきているが、リカのサッカーを超えたいという思いはあった。今日の試合だけが特別ということではなくて、相手が誰であっても勝たなくてはいけない」と話した。恩師から受け継いだスタイルをさらに進化させければという思いからなのか、福岡は終始、悔しさをにじませた。
FW垣田裕暉も、「リカとの対戦についてはあまり意識しすぎることなく臨めたが、リカがどんなサッカーをするのかは分かっていたし、今日は実際に良いシーンも作れていたので、自分たちももっと対応しなければいけなかった」と、かつての指揮官への恩返しができなかった反省を口にした。
リカルド監督をめぐっての浦和と徳島のエピソードは多岐にわたる。浦和のホームで行われた第9節の対戦では、試合後、当時、暫定的に指揮を執っていた甲本ヘッドコーチにリカルド監督が駆け寄って抱擁を交わし、その激励に対して甲本氏が思わず涙ぐむ場面も見られた。
■リカルド監督が徳島に託した思いとは…
会見の最後に、リカルド監督は徳島ヴォルティスに関わるすべての人へエールを送った。「今回だけではなく他の試合に関しても、徳島はこれだけの試合をしている。残念ながら結果は出なかったが、この内容を続けていけば、(J1)残留は間違いないと思います。これからも勝ち進んでもらいたい」と、笑顔で締めくくった。
現在は下位に沈んでいる徳島だが、ここから起死回生を図り、同じスタイルを継承する徳島と浦和が来シーズンも熱戦を繰り広げてくれることを願ってやまない。
■試合結果
徳島ヴォルティス 0-1 浦和レッズ
■得点
62分 関根貴大(浦和レッズ)