2022年、北米アキュラ・ブランドからの復活がアナウンスされた『インテグラ』。その車名に懐かしさを感じた方も多いのでは? そこで今回は同車の中でも印象的だった世代、モデルを当時のカタログとともに振り返ってみたい。◆初代(1985年)2代目『…

2022年、北米アキュラ・ブランドからの復活がアナウンスされた『インテグラ』。その車名に懐かしさを感じた方も多いのでは? そこで今回は同車の中でも印象的だった世代、モデルを当時のカタログとともに振り返ってみたい。

◆初代(1985年)

2代目『シビック』の4ドアセダンおよび『バラード』(これも4ドアセダン)の5ドア版だった『クイント』を先代にもち、クイントの車名を引き継ぎ登場したのが初代『クイント・インテグラ』だった。登場は1985年で、当時はワンダー『シビック』『バラードスポーツCR−X』、リトラの『アコード』、人気を博した2代目『プレリュード』、さらにターボやカブリオレも用意された初代『シティ』などが揃う、まさにホンダの黄金期まっただ中で颯爽と登場した。

メカニズムは『シビック』のロングホイールベース版で、“DOHCロマン”をキャッチコピーに、1.6リットルのZC型DOHC(シングルキャブ仕様とPGM-FI仕様を用意)を搭載。このZC型ユニットは4気筒・16バルブクロスフローや、当時のF1譲りのセンタープラグ方式、スイングアーム方式ハイリフト・バルブ設計ほか、4連アルミシリンダーブロック、異形中空カムシャフトなど、凝ったメカニズムを採用していた。エンジンには追って1.5リットルのSOHCも設定された。

ボディタイプは85年2月に3ドアを登場させた後、同年11月に5ドアを設定。さらに翌86年にはトランクが独立した3ボックスタイプの4ドアセダンが追加設定された。CMに使われた山下達郎の曲も「風の回廊(コリドー)」に始まり、「ボクの中の少年」「マーマレイド・グッドバイ」など、時期ごとに次々と新曲が採用された。

◆2代目(1989年)

2代目から車名は『インテグラ』となった。ボディタイプは3ドアクーペと、当時の流行に合わせた4ドアハードトップの2タイプを設定。当時のホンダ車らしい低いボンネットや、イエローバルブのフォグランプを一体化して繋げた超幅広のヘッドランプが特徴。搭載エンジンには、1.6リットルで170psを発揮した、ホンダ独自の可変バルブタイミング・リフト機構VTECを設定。


◆3代目(1993年)

ボディタイプは初代からのイメージを受け継いだ3ドアクーペと、2代目から設定された4ドアハードトップの2タイプ。当初はユニークな独立丸型4灯ヘッドランプを採用するも評判にならず、日本仕様はマイナーチェンジ(95年)でプロジェクター採用超薄型ヘッドライトに一新した。

◆TYPE R(1995年)

前述の3代目マイナーチェンジ時に登場したのが、あの「TYPE R(タイプR)」の最初のモデルだった。チャンピオンシップホワイトの表紙の専用カタログが用意され、“HONDA RA272”“NSX-R”の写真を載せながら、ホットな高性能ロードカーの世界観を訴求。

専用に開発された赤いヘッドカバーの1.8リットルDOHC VTEC“B18C 96 SPEC.R”エンジンは、リッター111ps、パワーウェイトレシオ5.3kg/ps、200ps/18.5kgmのスペックを誇った。MOMO社製ステアリングホイール、レカロSR-IIシート、チタン製シフトノブなどマニア心をくすぐるアイテムを備えた。