GIII北九州記念(小倉・芝1200m)が8月22日に行なわれる。 夏の、それもハンデ重賞とあって、「荒れる」レースと…
GIII北九州記念(小倉・芝1200m)が8月22日に行なわれる。
夏の、それもハンデ重賞とあって、「荒れる」レースとして有名なこの一戦。実際、過去10年の成績を振り返ってみると、1番人気は未勝利。2008年のスリープレスナイト以来、勝っていないのだ。3着以内にも2着3回、3着1回と、わずか4度しか馬券に絡んでおらず、大きく期待を裏切っている。
その一方で、6番人気以下の伏兵がなんと8勝も挙げており、3連単の配当はすべて万馬券。100万円超えが1回、300万円超えが1回と、高額配当もしばしば生まれている。
そして今年は、8月に入ってから悪天候が続いて馬場状態が不安定。波乱ムードは一段と高まっている。そうした状況にあって、日刊スポーツの木南友輔記者は激走候補のタイプについてこう語る。
「馬場状態が気になった先週末、小倉で行なわれたGIII小倉記念は結局、外差しで決着。小倉は今週も雨予報ですから、やはり先週同様、外差し狙いが基本となるでしょう。あと、小倉記念ではスーパーフェザーの手綱をとった武豊騎手が後方からのインまくりで3着。そういった騎乗にもちょっと警戒が必要ですね」
では、木南記者が穴馬として期待するのはどの馬か。
「個人的にはずっと応援している九州産馬のヨカヨカ(牝3歳)が脚質に自在性が出てきているので、今度こそチャンスをつかんでほしいと思っているのですが......」
そう前置きしたうえで、今回2度目の重賞挑戦となる伏兵馬の名を挙げた。
「小倉で好走歴があって、追い込み脚質の馬ということで、気になるのはコンパウンダー(牡6歳)です。同馬は時計のかかる馬場が合うタイプでありながら、オープン入りを決めた昨秋の3勝クラス・桂川S(京都・芝1200m)では、今夏のGIIICBC賞(7月4日/小倉・芝1200m)を日本レコードで制したファストフォース(牡5歳)を下している点も魅力です。
これまでの実績的にも、父アドマイヤムーンという血統的にも、馬場が渋れば、面白い存在だと思います」

北九州記念での大駆けが見込まれるノーワン
木南記者はもう1頭、ノーワン(牝5歳)を穴馬候補に推奨する。レコード決着となった前走のCBC賞では12番人気ながら、後方から追い込んで勝ち馬からコンマ5秒差の6着と健闘した。
「2走前のオープン特別・パラダイスS(9着。6月27日/東京・芝1400m)でもメンバー最速タイの上がりをマーク。ここ2戦は脚を使っていて、体調は悪くないはずです。人気がない分、じっくりと構えることができ、外差しの決まる展開になれば、うまくハマってくれそうな気配を感じます」
一方、デイリースポーツの大西修平記者は、シゲルピンクルビー(牝3歳)の一発に期待を寄せる。
「前走のGIII函館スプリントS(6月13日/札幌・芝1200m)は、キャリア初のスプリント戦。レースでは、スタートで挟まれて後方からの位置取りになり、直線では進路がなくなるなど、スムーズさを欠いていました。
それでいて、勝ち馬とはコンマ5秒差の9着。決して悲観するような内容ではありませんでした。となれば、スプリント戦二度目の今回は楽しみが膨らみます。一度距離を経験したことで、前走以上に追走もスムーズになるはずです。
また、調整し慣れた栗東トレセンに戻ってきたことで、馬には活気が出てきた印象。より力の出せる状態に整ってきた、と言っていいでしょう。今回の鞍上は乗り慣れた和田竜二騎手。きっちりスタートを決めて、レースの流れにもうまく乗れるのではないでしょうか。
姉のシゲルピンクダイヤよりも精神的に落ち着いていて、小倉への輸送競馬も問題はないはず。斤量52kgと、引き続き軽ハンデ。再び歴戦の古馬との激突となりますが、環境と乗り手が替わっての一変に期待したいです」
大西記者ももう1頭、楽しみな馬がいるという。
「ボンボヤージ(牝4歳)です。同じ舞台で行なわれた前走の3勝クラス・マレーシアC(7月10日/小倉・芝1200m)では、2番手追走から楽々と抜け出すという優秀な勝ちっぷり。高速決着が目立った前開催の小倉とはいえ、1分6秒9の好時計で走破し、着差以上に中身の濃いレースを見せてくれました。
前走後は短期放牧を挟んで、ここを目標に調整。まだ精神的な部分で幼さを残すものの、1週前追い切りでは騎乗した岩田望来騎手が『パワーアップしていますね』と話しており、肉体面の成長は著しいです。
全兄ファンタジストが2018年の小倉2歳Sを快勝。血統的に見ても小倉との相性はよく、現に同馬も3戦2勝、2着1回とコース適性は高いです。加えて、半姉コロラトゥーレが7歳にしてオープン入りを決めたように、成長力もある血統で、一戦ごとの伸びしろも大きいです。
重賞は2歳時にGI阪神ジュベナイルフィリーズ(10着。阪神・芝1600m)に出走して以来、二度目。当時は未勝利を勝ってすぐの格上挑戦で、さすがに相手が強すぎました。今回も一線級の短距離馬が相手になりますが、着実に力をつけてきた今なら、決してひけはとりません。スタートを決めて流れに乗れるようなら、重賞初制覇の可能性も十分にあります」
波乱必至の北九州記念。今年はここに名前が挙がった4頭が高配当をもたらす使者となるかもしれない。