日本代表のジェイミー・ジョセフ ヘッドコーチ(HC)が指導する育成キャンプ「ナショナル・デベロップメント・スコッド(NDS)」は3月20日、東京・辰巳の森ラグビー場で第3回キャンプの初日を迎えた。 第1回から参加していたSH流大(サントリ…

 日本代表のジェイミー・ジョセフ ヘッドコーチ(HC)が指導する育成キャンプ「ナショナル・デベロップメント・スコッド(NDS)」は3月20日、東京・辰巳の森ラグビー場で第3回キャンプの初日を迎えた。
 第1回から参加していたSH流大(サントリー)がサンウルブズへ招集されたこともあり、SH井上大介(クボタ)、SH西橋勇人(NTTコム)の2選手が初参加となっている。

 ジョセフHCの「回を重ねるごとに強度を上げていく」という予告通り、午後3時10分頃に始まったこの日の練習はハードだった。
 ハイライトは、2つのメニューが同時進行で行われた、午後3時40分からの約20分間。
 少人数のグループは、タッチライン近くの極小エリアでディフェンスの確認。
 一方、グラウンド中央では、大人数のグループがボールを使っての攻防を行った。特に強度が高かったのはこちらだ。

 攻撃側の背後へ、スタッフから絶え間なくボールが蹴り出される。攻撃側はその度に背走し、ボールを確保、アタックを開始する。
 守備側はディフェンスに終始するだけでなく、指定された数人の選手は、自陣インゴールに置かれたカラーコーンを往復してこなければならない。その間も攻撃側のアタックは継続。カラーコーンを折り返してきた選手は息の乱れたまま、ディフェンスに参加。――守備練習にシャトルランを組み込んだような厳しいメニューだ。

 ジョセフHCはこの練習の守備側について、ボールを持っていない時の動きを見たかった、と説明した。
「背走して、戻ってきて、ポジショニングを取って。それでもしっかり仕事が出来るかどうか、です」
 全体練習はこれで終わりではなかった。ラストはインゴール間を往復するランニングメニュー。約30人の選手たちが横一線に並び、グラウンドを何度も縦に往復した。

 第1回から参加のSH流を遠征中のサンウルブズへ送り込むなど、サンウルブズの支援組織としても機能しているNDS。
 キャンプを主導するジョセフHCは手応えを掴んでいるようだった。
「NDSがあったおかげで(サンウルブズに合流した)流も、我々のやり方を理解したうえで、ケガなどがあった時に入ることができます。行ってしまった選手のあとは、他の選手が埋めるので、いろんな選手を見ることにも役立っています」

 第3回NDSキャンプは3月24日まで5日間おこなわれる予定。
 参加者全員に上位ステージへのチケットを手にする機会が与えられている。NDSスコッドたちの過酷で幸福な時間は続いていく。(文/多羅正崇)