田村優が、移籍先をキヤノンに決めた。 日本代表として42キャップを持つSOは、国内所属先だったNECの退団を発表していた。いまはジャパンのジェイミー・ジョセフヘッドコーチ(HC)肝いりの強化システム、ナショナル・デベロップメント・スコッド…

 田村優が、移籍先をキヤノンに決めた。

 日本代表として42キャップを持つSOは、国内所属先だったNECの退団を発表していた。いまはジャパンのジェイミー・ジョセフヘッドコーチ(HC)肝いりの強化システム、ナショナル・デベロップメント・スコッド(NDS)のキャンプに参加中だ。

 新天地についてはいったん「そのことを話すつもりはないです」と断じながら、「いまはいろんなチームに声をかけてもらっていて…」と続けていた。

 都内でおこなわれるNDSの練習後は、決まってプレースキックを蹴り込む。練習の強度は高まる一方とあって「練習がきつくて、疲労がたまっています」としながら、「まぁ、やらないと…」。ゴールキッカーとしての意識を、短い言葉ににじませる。

 現在は、国際リーグであるスーパーラグビーの日本チーム、サンウルブズの一員でもある。首脳陣らの判断から、2月中旬に本隊から一時離脱。心身のリフレッシュを経て、3月8日からNDSに加わっていた。

「いまは、自分のコンディションを整えることしか考えていない。次の出る試合へいい状態になれるように…」

 サンウルブズとは前年度から契約関係にあるが、NECでは社員選手だった。今後は完全にプロとして、競技活動に専念する。「もちろん、ずっと好きです」と古巣の仲間への思いをにじませながら、「僕だけでどうにかできないところもある。会社のスポーツなので」。環境を変えようと決めた。

「噂は、好きに回してもらっていい。僕はどこでプレーするとしても、スタンスは変わらない。いまはいろんなチームに声をかけてもらっていて、もちろん、キヤノンさんからもオファーはあります」

 当事者がこう語った翌日の3月21日、キヤノン側が入団を発表した。(文:向 風見也)