17年前、ジュニアの世界ランキング1位となり2004年にプロに転向したガエル・モンフィス(フランス)が、通算500勝を達…
17年前、ジュニアの世界ランキング1位となり2004年にプロに転向したガエル・モンフィス(フランス)が、通算500勝を達成。ATP(男子プロテニス協会)公式ウェブサイトが報じた。【ドロー表】開催中!「ATP1000 シンシナティ」【スーパープレー動画】モンフィスの167㎞のフォアハンド!
34歳のモンフィスはこれまでに10回優勝、グランドスラムではベスト4進出が2回。「デビスカップ」で2度、マスターズ1000大会で3度、準優勝を遂げている。そしてモンフィスは「ATP1000 シンシナティ」(アメリカ・シンシナティ/8月15日~8月22日/ハードコート)2回戦で世界18位のアレックス・デミノー(オーストラリア)に6-3、7-5で勝利し、キャリア通算500勝目を挙げた。
モンフィスは言う。「素晴らしい気分だよ。500勝が達成できて良かった。すごい功績をとても誇りに思う。僕は恵まれているね、とても幸せだよ」
2004年にジュニアグランドスラム4大会中3大会を制したモンフィスは、同年にワイルドカードで出場したフランスのメスの大会で、当時世界49位だったザビエ・マリーセ(ベルギー)からツアー初勝利を挙げ、その後やはり同世代でジュニア時代から大活躍して注目を浴びていた同じフランス人選手であるリシャール・ガスケ(フランス)に敗れた。
モンフィスはパンデミックによるツアーの中断以降は不振に喘いできたが、7月に結婚した妻エリナ・スビトリーナ(ウクライナ)がその直後の「東京オリンピック」で銅メダリストとなったことが良い刺激になったのか、前週の「ATP1000 トロント」で準々決勝進出を果たし、今回500勝の偉業達成となった。現役選手で500勝を達成しているのは、モンフィス、ガスケを含む11人だけだ。
「長い間プレーしてきた。正直に言うと、500勝にこんなに近づいているなんて知らなかったんだ。すごい数字だよね。長年の間にたくさんの勝ち星を挙げてきた。デビューした頃はこんなに勝つなんて思ってもみなかったよ」とモンフィス。
560勝でフランスで1位のガスケは、モンフィスのプレーを見るのは楽しいと話す。「すごい運動神経だから動きが速い。陸上競技でも何でもできる。ツアーで一番動きの速い選手だと思うよ。彼のプレーには目を奪われる、対戦中は特にね。彼のプレーを見るのが大好きだよ」
同世代の4人の才能あるフランス人選手、モンフィス、ガスケ、ジョーウィルフリード・ツォンガ(フランス)、ジル・シモン(フランス)のうち、現在465勝のツォンガもモンフィスを讃えた。「この功績は僕らにとって大きなものだ。僕らの成し遂げたことはずっと十分ではないと思われてきた。テニス史上最高の3人の選手たちと同時代にプレーしてきて、常に比較されてきたからね。でもこれは誇りに思っていいことだ、だって僕らはこの世代にあって、これだけの勝利を挙げてきたのだから」
「僕ら4人共が(シモンは現在494勝)、ほぼ500勝を挙げているのは本当にすごいことだ。フランスで僕らはいつも負けている、みたいに扱われてきたけど、それはビッグ3がすべての優勝をさらってしまったからなんだ。今は誇りを持って、僕らは素晴らしいことを成し遂げてきたんだと言える」
■500勝以上を挙げている現役選手たち(2021年8月18日時点)
1. ロジャー・フェデラー(スイス) 1251勝
2. ラファエル・ナダル(スペイン) 1028勝
3. ノバク・ジョコビッチ(セルビア) 972勝
4. アンディ・マレー(イギリス) 681勝
5. リシャール・ガスケ(フランス) 560勝
6. フェルナンド・ベルダスコ(スペイン) 554勝
7. マリン・チリッチ(クロアチア) 538勝
8T. トミー・ロブレド(スペイン) 533勝
8T. スタン・ワウリンカ(スイス) 533勝
10.フェリシアーノ・ロペス(スペイン) 501勝
11.ガエル・モンフィス(フランス) 500勝
ガスケも讃えた素早い動きと、観客を楽しませる華やかなパフォーマンスで人気のモンフィスは、2016年11月にキャリアハイである世界6位となった。その年のモンフィスは「ATP1000 モンテカルロ」で準優勝、ワシントンDCで初めてのATP500大会のタイトル獲得、「全米オープン」でグランドスラム2度目のベスト4進出を果たし、年末の最終戦にも出場した。
その前にモンフィスがグランドスラムの準決勝に進出したのは2008年「全仏オープン」でのことで、当然のことながらフランス国民は熱狂した。残念ながらフェデラーに4セットで敗れてしまったが、フランス人選手が「全仏オープン」ベスト4に進出したのは、2001年のセバスチャン・グロージャン(フランス)以来のことだった。
■オープン化以降のフランス人選手の勝利数
1. リシャール・ガスケ 560勝
2. ガエル・モンフィス 500勝
3. ジル・シモン 494勝
4. ヤニック・ノア 478勝
5. ファブリス・サントーロ 470勝
プロデビューした翌年の2005年8月に、モンフィスはソポトで初優勝。同年に彼はチャレンジャー2大会も制し、ツアー大会のメスとリヨンで準優勝している。ランキングは1年間で200アップし、ガスケ、グロージャンに次ぐフランス3番手の選手となり、ATP新人賞を受賞した。
モンフィスは2005年から、毎年少なくとも1回はツアー大会で決勝に進出しているが、2021年はまだそれが果たせていない。昨年2月にモンペリエとロッテルダムで連続優勝を果たした後、ツアーが中断されて再開後も多くの大会が無観客となってから、モンフィスはそんな状況でプレーを続ける困難さを明かしてきた。結婚、妻の銅メダル、そして自身のこの素晴らしい功績が、モンフィスに輝きを取り戻させてくれるだろうか。
一方22歳のキャスパー・ルード(ノルウェー)はシンシナティの2回戦で、前週トロントで準優勝のライリー・オペルカ(アメリカ)に6-7(5)、6-0、7-6(4)で辛勝、キャリア100勝目を挙げた。
「楽しい100勝目だったよ。第3セットタイブレークで勝つのは最高に嬉しい、特にライリーのように、すべてのポイントが重要になるような相手の時はね。ほんの1ポイントか2ポイントで結果は違っていたかもしれない。100勝目にふさわしい勝利だった」とルードは語った。
ルードの父、元プロテニス選手のクリスチャン・ルード(ノルウェー)は、キャリア通算115勝だったので、あと15勝でルードは父に追いつく。「あと16勝で父さんの記録を抜く。できればあと100勝はしたいけどね。でもそんなことができる保証はない、だから1勝1勝が大切なんだ」
(テニスデイリー編集部)
※写真は2020年「ATP500ロッテルダム」でのモンフィス
(Photo by Jan Kok/Soccrates/Getty Images)