ロシア人対決となった「BNPパリバ・オープン」(ATP1000/アメリカ・カリフォルニア州インディアンウェルズ/本戦3月9~19日/賞金総額699万3450ドル/ハードコート)の女子シングルス決勝で、第14シードのエレナ・ベスニナが第8…

 ロシア人対決となった「BNPパリバ・オープン」(ATP1000/アメリカ・カリフォルニア州インディアンウェルズ/本戦3月9~19日/賞金総額699万3450ドル/ハードコート)の女子シングルス決勝で、第14シードのエレナ・ベスニナが第8シードのスベトラーナ・クズネツォワを6-7(6) 7-5 6-4の大接戦の末に倒し、優勝を遂げた。  ベスニナは、男子シングルス優勝者のロジャー・フェデラー(スイス)と同じ、117万5505ドルの優勝賞金を受け取ることになる。  ここまでインディアンウェルズでのベスニナは、ダブルスでこそ3度の優勝経験を持つものの、シングルスでは一度も3回戦を越える成績を挙げたことがなく、昨年は予選1回戦で敗れていた。彼女は30歳にして自己最大の決勝に至る過程で、対戦当時、世界2位だった(現1位)アンジェリック・ケルバー(ドイツ)、第12シードのビーナス・ウイリアムズ(アメリカ)を倒していた。  クズネツォワは、2007年、2008年も準優勝で終わっており、今大会の決勝では3戦全敗ということになる。  31歳のクズネツォワは、今大会で決勝に至った女子選手の中で5番目に年齢が高い選手である。グランドスラム大会で2度優勝経験を持つ彼女だが、空席の目立ったスタジアムで、この日は第8シードらしく主導権を握ることができずに苦労していた。  「今日はあまりいいフィーリングをつかむことができなかった。彼女が非常にアグレッシブにプレーしてきて、思うように自分らしいプレーができなかったから」とクズネツォワは言った。「風が強かったのだけれど、その手のことをうまく読んで対処することができていなかった」。  クズネツォワは第3セットで4-2とリードしていたが、ベスニナは試合の最後の4ゲームをかっさらう過程で、2度クズネツォワのサービスをブレークした。  クズネツォワは第2セットで、この日記録した9本のサービスエースのひとつを決めて4-1とリードを奪い、ベスニナは、父でありコーチであるセルゲイ・ベスニンを呼んで話をせざるを得なくなった。  そしてコーチングは、功を奏したのである。  ベスニナは苦もなく4ゲームを連取し、5-4とリード。続く第10ゲームでは、彼女のフォアハンドのミスのせいでクズネツォワがブレークを果たし、5-5と追いついたが、ベスニナはすぐにブレークバックすると、自分のサービスをきっちりキープして7-5でセットを取った。  「彼女は私のサービスで、本当に多くのブレークポイントを握っていた」とベスニナは振り返った。「彼女はいくつかの自分のサービスゲームで30-0とリードしていた。でも私は、繰り返し巻き返すことができていたの」。  試合のより早い段階ではクズネツォワの側にも運があった。彼女はタイブレークで、ネット・コードに当たったボールにより、第1セットを取ったのだ。彼女は自分の運のよさを認めながら、一時2-0、それから4-2のリードを台無しにしてしまったベスニナに対し、慣例の通り、手を挙げて詫びる仕草をした。  ベスニナは46本のウィナーを決め、49本のアンフォーストエラーをおかした。彼女は危険をおかしてネットをとることで、いい成果をあげ、3時間がかかったこの試合の間に、ネットでの32ポイントのうち24ポイントを獲得していた。  これはベスニナにとってキャリア3度目のシングルス・タイトルだ。彼女は、月曜日に発表された世界ランキングで2つ階段を上がり、自己最高となる13位に浮上した。(C)AP