高校総体サッカー男子、逆転で中京大中京に勝利 小柄なツートップが持ち味を生かして逆転勝利を呼び込んだ。全国高校総体(イン…

高校総体サッカー男子、逆転で中京大中京に勝利

 小柄なツートップが持ち味を生かして逆転勝利を呼び込んだ。全国高校総体(インターハイ)サッカー男子は15日に2日目を迎え、立正大淞南(島根)は2-1で中京大中京(愛知)を破り、2回戦進出を決めた。

 押し込みながらも先制点を奪われる苦しい展開だったが、後半にツートップが仕事をした。前半は右MFダ シルバ イゴル ヤン(2年)が縦突破からクロスを送り込むなど、積極的にゴールへ向かった。前半17分には左MF三原弘稀(3年)が好機を迎えたが、中京大中京のDF戸谷宇慧(3年)のスライディングブロックに阻まれるなど、なかなか得点を奪えずにいた。すると前半33分、中京大中京は敵陣の混戦から10番を背負うMF光本和馬(3年)が強引に放ったシュートから好機を生かした。

 相手にブロックされて得た左CKから、光本が直接シュート。風上の利を生かした好判断だったが「普段から直接狙うことは、よくある」という一撃で苦境に立たされていた中京大中京が先制する形となった。

 優勢に試合を進めながら先制を許した立正大淞南にとっては厳しい展開だったが、風上に立つと、キック力のあるGK長野大河(3年)や最終ラインから、相手守備陣の背後に落とすハイボール戦術に変更。後半8分、DF今野寧音(2年)のロングフィードに反応したのは、FW香西銀二郎(2年)だった。

「相手の背後へのボールと(相手の手前に入れる)くさびのパスの両方をイメージして、パスを受けるのが、今の自分の目標。今野からハイボールが来て、相手に弾き返されるかなと思ったけど、落ちたので、チャンスだと思って、得意の左足で合わせてゴールを取れたのは良かった」と振り返った香西は、バウンドしたボールを相手DFと競り合いながら、巧みにシュートポジションを作って左足を振り抜いた。

 身長171センチと小柄ながら、競り合いで身体の差し込みが上手い香西が目標としているのは、U-24日本代表FW林大地(鳥栖→シントトロイデン)。「前で体を張ってプレーするのは、自分の得意なプレーでもあるので、生かしたい」と話し、林が東京五輪で見せたプレーにも刺激を受けたようだった。

 立正大淞南が伝統的に行っている3人体制の速攻練習により、足元で受けるばかりでなく、体の向きをどう準備するか、相手の背後へどのタイミングで抜け出すかといった工夫ができるようになり、ゴール方向へ走りながらボールを受けるプレーも向上。その成果もあり、難しいボールの競り合いから、見事に同点弾をたたき込んだ。

逆転弾の加藤「どんな形でもゴール揺らせば勝ち」

 この1点で完全に自信を得た立正大淞南は、わずか2分後に逆転に成功した。香西が右サイドをドリブルで運び、逆サイドへ展開。左MF三原が切り替えして中央を向き、シュート性のボールをゴール方向へ蹴り込むと、香西とツートップを組んだFW加藤緒(3年)が飛び込んでゴールへ押し込んだ。

 加藤は「前半、自分が全然あかんかって、走ることが特徴なのに走れていないし、セカンドボールも拾えていなかった。ベンチに戻ったときに、コーチ陣や控えのメンバーから『(ほかの仲間が)島根で見ているぞ』って言ってくれて、登録メンバーに入れなかった仲間のために走ろうと思った。銀二郎が同点弾を取ってくれたので、あとは勝ち越し。どんな形でもゴールネットを揺らせば勝ち。三原がサイドで持ったら、シュートでもパスでも反応できるようにやっている」と名誉ばん回を意識したプレーでもぎ取ったゴールを振り返った。

 センターフォワードやセンターバックは大柄な選手が起用されがちなポジションで、競り合いの迫力が必要になるが、香西が171センチ、加藤が170センチとともに小柄。それでも特長を生かせば結果は出せると言わんばかりのツートップの活躍だった。勝った立正大淞南は、翌16日の2回戦で徳島市立と対戦する。(平野 貴也 / Takaya Hirano)