「これじゃ、昨季と同じよね」そんな風に私がガッカリしていたのは金曜日、2021-22シーズン開幕戦を翌日に控えたアンチェ…
「これじゃ、昨季と同じよね」そんな風に私がガッカリしていたのは金曜日、2021-22シーズン開幕戦を翌日に控えたアンチェロッティ監督の記者会見をレアル・マドリーTVで見ていた時のことでした。いやあ、昨今では自前の放送局がなくとも、大抵のクラブはYouTubeのチャンネルでライブ配信してくれるからいいんですけどね。アンチェロッティ監督も、土曜に予定しているお隣さんのシメオネ監督も相変わらず、Zoomを使ったリモート会見のままとなると、これはやっぱり、試合後も監督はともかく、選手を記者たちが囲むミックスゾーンもまだ復活しない?
ちなみにマドリッド勢の1部チームでプレスルームに人を入れての会見を再開したのは弟分のヘタフェだけで、一足早く、金曜にバレンシア戦に挑むミチェル監督が対面で話していましたけどね。3年ぶりに彼らと肩を並べたラージョなどに至っては、クラブ広報が記者たちの質問を事前に取りまとめ、イラオラ監督に尋ねるという自作自演会見だったんですが、でもお、今季は開幕戦から、有観客試合になるんですよお。州によって、キャパの20%から40%という制限はあるんですが、それが生憎、マドリッドの4チームは全てアウェイスタート。2部の3チームもレガネス、アルコルコンはビジターで、1年半近くぶりにホームサポーターの応援を受けてプレーできるのは、テネリフェをエスタディオ・フェルナンド・トーレスに迎えるフエンラブラダしかないというのもちょっと、淋しい気がしないでもないんですが…。
え、開幕戦も気になるけど、今週は先んじて、公式戦をプレーしたチームがあったんじゃないかって?その通りで水曜にはUEFAスーパーカップがベルファストで開かれ、ビジャレアルがチェルシーと対戦。会場のウィンザー・パークには1500人程のファンが地元から、スタジアム以外には立ち寄らないバブル方式で移動し、クラブ史上2度目の決勝に挑むチームに寄り添っていたんですが、何せ相手は昨季のCL16強対決ではアトレティコ、準決勝ではマドリーが叶わなかった強者ですからね。行きつけのバル(スペインの喫茶店兼バー)がバケーションで休業中だったため、私が中継の見られるお店を探し出した時にはもう、開始15分ぐらい経っていましたが、まさか前半27分、ハヴァーツがゴール前に送ったラストパスを、オリンピックから直行したパウ・トーレスがヴェルナーに気を取られていたせいもあり、フリーのツィエクに悠々決められてしまうとは!
こうなると相手は鉄壁の守備を誇るチームだけに、私も悲観的になったものでしたが、更に前半終盤にはアルベルト・モレノのシュートがゴールバーに弾かれ、後半6分にもジュラール・モレノのシュートがポストに当たってしまうのを目の当たりにしてはねえ。そういえば、この夏のユーロ2020のスペイン代表でもジェラール・モレノのシュート失敗は割とあったかもと思い出したりしていたところ、昨季30得点を挙げ、リーガではサラ(スペイン人選手の得点王)を獲得。月曜には2027年までの契約延長をこの猛暑に関わらず、クラブのマスコット着ぐるみの中から現れて、サプライズ発表した彼を決して侮ってはいけません。
ええ、28分にはこの夏、加入したディア(スタッド・ランスから移籍)に折り返しをもらい、同点ゴールを決めているのですから、凄いじゃないですか。ただ、その後、両チーム共、追加点が挙げられず、うーん、ちょっと私もユーロ、オリンピックで食傷気味だった延長戦に突入した時にはまたかという感じだったんですけどね。スコアは最後まで1-1で、とうとうPK戦が始まって、アセンホがチェルシー最初のキッカー、ハヴァーツを止めた時には、壮絶22人のPK戦を制したEL決勝マンチェスター・ユナイテッド戦のGKはルリだったとはいえ、この日も行ける気がしたのは自分だけではなかったかと。でもねえ、トゥーヘル監督もさるもの、延長戦終了1分まえにGKメンディに代え、ケパ投入がバッチリ当たり、ビジャレアル第2キッカーのマンディが弾かれてしまったんですよ。
結局、それぞれ、5人蹴り終わっても決着がつかなかったんですが、後攻のビジャレアルの7人目、6月にはユーロ出場メンバーのコロナ感染懸念でバックアップとして追加招集、ラス・ロサス(マドリッド近郊)のサッカー協会施設で一緒に1週間、汗を流した仲間だったアルビオルをケパが弾き、PK戦6-5でチェルシーが勝利することに。うーん、セビージャ時代のEL3連覇もあって、これで3回目のUEFAスーパーカップ挑戦となったエメリ監督ですが、これまで1回も勝つことができず。アトレティコなど、ELに優勝するたび、スーパーカップで時のCL王者、インテル(2010年)、チェルシー(2012年)、マドリー(2018年)を倒し、計3個のトロフィーをゲットしているため、結構、ハードルの低い大会のイメージがあったんですけどね。ここにルカク(インテルから移籍)も加わったチェルシーは、今季のCLでも怖い存在になりそうです。
そして木曜には42のプロクラブが集まるラ・リーガ総会があったんですが、いやあ、先日、ちらっとお話ししたCVCという投資ファンドからの資金提供案件がかなりの大問題になっていてねえ。各クラブの代表者とラ・リーガ幹部が、席間も空けてない密な会議室で6時間以上もかけて議論した結果、反対票を投じたマドリー、バルサ、アスレティック、そして2部のオビエドだけが、この契約に含まれないことになり、当初、予定だった27億ユーロ(約3500億円)の提供が21億ユーロ’(約2700億円)に減ることに。
それはともかく、マドリーがラ・リーガのテバス会長を訴えるとまで息巻いていたのもわかるところがあって、だってえ、各クラブに分配されるお金は利子なしの40年ローンで返す代わりに、50年に渡り、ラ・リーガ放映権料とそれ以外の収入の11%をCVCが受け取るっていうんですよ。それって、契約満了時、テバス会長を始め、一体、何人のクラブ会長が生きている?
実際、今のままの放映権料だと、CVCは50年間で100億ユーロ(約1兆3000億円)近くを稼ぐことになるのだとか。元手の3倍以上になるって、何だか、サラ金並みのボッタクリに思えるんですが、ただ、コロナ禍の影響で収入が減り、選手のサラリーキャップ遵守に悩むクラブにとって、分配金のうち、15%を人件費に充てられるのがおいしいようでねえ。それこそ、メッシ(PSGに入団)の契約延長ができなかっただけでなく、新加入のデパイ(オリンピック・リヨンから契約満了で入団)、エリック・ガルシア、アグエロ(同マンチェスター・シティ)のリーガ仮登録も未だにできないバルサなど、割り当てられた1憶5300万ユーロ(約200億円)があれば、かなり助かったはずなんですが、大丈夫。この、CVCからの1憶8100万ユーロ(約240億円)がなくても、アトレティコは3500万ユーロ(約46億円)で獲ったデ・パウル(ウディネーゼから移籍)の登録ができています。
むしろ、日曜午後5時30分(日本時間翌午前0時30分)から、何故か、この月曜から、スタンド改修工事を始めたバライドスに7300人のファンが入るセルタ戦に挑むシメオネ監督のチームにとって、障害となっているのはEU外選手枠の方。要は未だに移籍予定のアリアスの行き先が決まらないため、ネウエン(昨季はグラナダにレンタル)が登録できないんですが、その脇でクラブは水曜にサビッチが2024年まで、木曜にはヒメネスが2025年まで、次々と主軸のCBを契約延長。マストのFW補強でグリーズマン(バルサ)復帰計画が頓挫した後、1500万ユーロ(約20億円)でラファ・ミール(昨季はウエスカにレンタル)の移籍をウォルバーハンプトンと交渉しているものの、なかなか進まないため、まずは足元から固める作戦に出たようです。
開幕戦のスタメンに関しては、シメオネ監督もイロイロ考えているようで、何せ練習開始から、まだ2週間経っていないルイス・スアレスは使えて30分といったところですからね。先週末、最後のプレシーズンマッチとなったフェイエノールト戦に近いものになるかと思いますが、誤算はゴールド・カップ準優勝のメキシコ代表から直帰したエレーラが筋肉痛でこの3日間、ジムごもりとなり、出場が難しくなってしまったこと。金曜の練習を見る限り、コレア、カラスコの前線、ルイス・エンリケ監督の下、スペイン代表ユーロで右SBの修行をしたマルコス・ジョレンテが右のカリレーロ(長い距離をカバーするSB)、サウールが左のカリレーロ、サビッチ、ヒメネス、エルモーソの3CB制で、中盤はデ・パウル、コケ、レマルの3-5-2を試していたようですが、どうなるかは見てのお楽しみ。ジョアン・フェリックスとフェリペ、マルコス・パウロ(フルミネンセから移籍)の3人はまだ負傷のリハビリ中のため、お休みです。
え、お隣さんなんて、サラリーキャップのせいではなく、頭数の問題で登録できない選手がいるんじゃないかって?いやあ、本当にそうで、EU外枠3人からはみ出る久保建英選手など、オリンピック日本代表を終えてスペイン入りしても、バルデベバス(バラハス空港の近く)の練習場に顔も出さず、水曜には昨季、最速1部Uターンを果たしたマジョルカに2度目のレンタル移籍してしまったほどでしたしね。ルイス・ガルシア監督も「Ha llegado con mucho rodaje y muy bien físicamente/ア・ジェガードー・コン・ムーチョ・ロダヘ・イ・ムイ・ビエン・フィシカメンテ(実戦を多く積んでいて、フィジカル的にも非常にいい)」と、土曜午後7時30分(日本時間翌午前2時30分)からのベティス戦での開幕デビューを期待させるコメントをしていたんですが、マドリーにはそれ以外にもレンタルからの帰還組が。
とりわけ、スペイン・オリンピック代表帰りのバジェホ(昨季はグラナダでプレー)、セバージョス(同アーセナル)が加わると、トップチームの選手が26人となってしまうため、アンチェロッティ監督はとりあえず、23人だけを仮登録することに。まあ、後者に関しては、オリンピック初戦で重度2の左足首ネンザを負いながら、ムリして、大会中の復帰を目指したせいですかね。帰国した後、マドリッドで受けた検査では、前距腓靭帯と踵腓靭帯の完全断裂が判明。全治2カ月を診断されてしまったため、急ぐ理由はないんですが、プレシーズン練習に最初から参加していたウーデゴーアも仮登録されていなかったのにはかなり驚かされたかと。
アンチェロッティ監督によると、MFは8人もいるため、選ばないといけないそうですが、今はクロースも恥骨炎でお休み中なことを考えると、これは移籍ルートへの布石とも言えるかも。トッテナムへのレンタル移籍から戻り、あと1年しか契約の残っていないベイルは背番号18をもらいましたが、何せ、昨今はゴール不足に苦しんでいるマドリーですからね。この夏にはベンゼマに次ぐ供給源だったセルヒオ・ラモスもPSGに行ってしまい、一応、アンチェロッティ監督はビニシウス、ロドリゴ、ヨビッチによる嵩上げを期待しているものの、待望のエムバペ(PSG)加入は当面、実現する気配はなし。ケガがなくて、やる気さえ出れば、ベイルもゴール要員として勘定に入れるということでしょうか。
その彼らの開幕戦、土曜午後10時(日本時間翌午前6時)からのアラベス戦に向けては、クロースの他にメンディが休場確実だったんですが、何と、木曜の練習でマルセロも負傷。どうやらカンテラーノ(RMカスティージャの選手)のミゲール・グティエレスが左SBのスタメンに抜擢されそうですが、CBにはナチョ、ミリトンがいるため、この夏、唯一の新顔、アラバ(バイエルンと契約満了して移籍)を使う手もありそうな。ちなみに移籍3年目、今季こそ、移籍金1憶ユーロ(約130億円)プレーヤーの真価を見せたいと願うアザールはここまで、プレシーズンマッチには出ていないものの、「Está listo para jugar/エスタ・リスト・パラ・フガール(プレーする準備はできている)」(アンチェロッティ監督)状態だそう。オドリオソラがコロナから回復した右SBでは、すでにカルハバルもチーム練習に加わっているため、もう心配はいりませんかね。
そして日曜午後10時15分からは、今週もレアル・ソシエダからサイドアタッカーのマルケランスと、2年前はレガネスで、昨季はエイバルで連続2部降格を経験したケビン・ロドリゲスをレンタルするなど、着々と戦力補強を進めているラージョもサンチェス・ピスファンでセビージャと対戦なんですが、このところ、連日、気温40℃越えの彼の地はその日、最高気温が46℃という予想が。キックオフ時でも35℃近くあるようなので、選手たちの体調が心配ですが、マドリッドでもかなり暑い中、毎日、セッションをやっていますからねえ。
8月中はどこも週1試合ですし、セビージャもまだ、GKディミトロビッチ(エイバルから移籍)とラメラ(同トッテナム)ぐらいしか、新戦力がいないため、今季初勝利とまではいかなくとも、ラージョは1部復帰に恥じない試合をしてくれればいいんですが…そうこうしているうちにやられちゃいました。金曜に開幕カードの皮切りとなったメスタジャでのバレンシア戦でヘタフェがマドリッド勢初黒星をゲット。それも開始1分にギジャモンがマクシモビッチにスパイクを向けたタックルを見舞い、レッドカードで退場となったため、数的優勢になったミチェル監督のチームだったんですが、8分にはジェネがチェリシェフをエリア内で倒してPK献上とは、これ如何に。
オリンピック帰りのカルロス・ソレルに先制点を奪われ、それからガンガン反撃した彼らだったんですが、やはり昨季から続くゴール日照りは解消していなかったよう。サンドロ(ウエスカから移籍)、エネス・ウナルの前線も、代わったマシアス(同グアルダハラ)、マタ、ウーゴ・ドゥーロ(昨季はRMカスティージャにレンタル)、ビトロ(アトレティコからレンタル)もその1点を返すことができず、後半32分にはカバコが2枚目のイエローカードをもらって、こちらも10人に。アランバリやオリベイラも今季からバレンシアに移ったボルダラス監督への恩返し弾を放つ夢は叶わず、1-0で終わってしまったんですが、まあドンマイ。23日月曜の2節ではいよいよ、コリセウム・アルフォンソ・ペレスで6500人のファンが応援してくれるセビージャ戦を迎えることができますしね。今のところ、どのスタジアムにもアボナード(年間指定席購入者)以外の観客がいないというのはホームチームが断然、有利になるんじゃないでしょうか。
オリンピックが終わるとリーガが始まる…/原ゆみこのマドリッド
2021.08.10 22:00 Tue
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photo©︎RFEF
「これもメダルがあってこそかしら」そんな風に私がいぶかっていたのは月曜日、ラス・ロサス(マドリッド近郊)のサッカー協会施設で東京から帰国したオリンピック代表の銀メダル祝勝会というか、慰労会が開かれると知った時のことでした。いやあ、ユーロやW杯でスペインが準優勝だったケースを見たことがなく、今回のユーロ2020でも準決勝敗退だったため、大人のチームはマドリッドに戻って即解散だったんですけどね。最近ではコロナワクチン接種がかなり行き届いてきたのもあってか、大人数が参加するイベントも珍しくなくなってきたんですが、でもお、ホールに入って、皆が着席する前、協会関係者や選手たちの家族で密になった通廊スペースで、アペリティブ(おつまみ)やドリンクを提供していたのはちょっと不用心ではない?
だってえ、オリンピックは終わったとはいえ、今週末はもうリーガが開幕するんですよお。いえ、中にはフライトを決勝翌日の日曜に早め、夜にはバレンシア(スペイン南東部のビーチリゾート)で目撃されていたパウ・トーレス(ビジャレアル)のような例もあったんですけどね。ただ、彼の場合、火曜にはUEFAスーパーカップのチェルシー戦(水曜午後9時/日本時間翌午前4時キックオフ)が開催されるベルファスト(北アイルランド)にチームと一緒に飛ばないといけないという特別な理由が。それこそ、昨季のリーガ終了後もEL決勝、すぐにユーロ合宿、続いてオリンピック合宿と、その間、数日ずつしか休んでいない当人が、いくら24才の働き盛りといっても、どうやって新シーズンに挑むのかはともかく、慰労会にいなかった選手はペドリ(バルサ)、ブライアン・ヒル(セビージャからトッテナムに移籍)など、7人だけ。
まあ、ユーロには行かず、オリンピックだけの参加だったマドリッド勢、レアル・マドリーのアセンシオ、足首のリハビリも必要なセバージョス(昨季はアーセナルにレンタル)、どうやら、4人目のCBとして残留が決まったらしいバジェホ(同グラナダ)、そして弟分ヘタフェのククレジャらはバケーション取得済みと、そのまますぐ、クラブの活動に合流できるため、ラス・ロサスにいても何の不思議もないんですけどね。ワクチン接種は皆、していてもこの夏のプレシーズン練習中、そこここでコロナ陽性者は発覚。せっかく日本では感染者0で切り抜けたのに戻って早々、自宅隔離になり、チームに迷惑をかける選手が出ないといいのですが…。
まあ、それはそれとして、一応、ブラジルとの決勝についてもちょっと触れておくと。前半38分、GKウナイ・シモン(アスレテック)が取られたペナルティはリシャルリソン(エバートン)がPKを外してくれたため、事なきを得たスペインだったものの、41分にはダニエウ・アウベス(サン・パウロ)頭で落としたボールをクーニャ(ヘルタ・ベルリン)に決められ、うーん、この時はパウ・トーレスが珍しくミスッてしまいましたかね。先制点を奪われてしまったんですが、この日のデ・ラ・フエンテ監督は早めに対応。後半頭から、ミケル・メリノ(レアル・ソシエダ)とアセンシオをソレル(バレンシア)とブライアン・ヒルに代え、その甲斐あったか、16分にはソレルのクロスをオジャルサバル(レアル・ソシエダ)がvolea(ボレア/ボレーシュート)で決めて、同点に追いついてくれるんですから、さすがユーロ経験組じゃないですか。
とはいえ、終盤にはオスカル・ヒル(エスパニョール)とブライアン・ヒルのシュートがゴールバーに弾かれるなんてこともあったものの、どちらも90分までには追加点を取れず、スペインは準々決勝コートジボワール戦、準決勝日本戦に続いて、3試合目の延長戦に突入することに。その前半は1-1のままだったため、これはブラジルに2戦連続のPK戦を強いることになるかと、ちょっと期待したんですが、ダメでした。ええ、後半3分、アントニー(アヤックス)のロングパスをバジェホがクリアできず、マルコム(ゼニト)に勝ち越しゴールを入れられてしまったから、さあ大変。再び追いつくことはなく、最後は2-1で負けてしまいましたっけ。
うーん、デ・ラ・フエンテ監督は「Ganamos la plata, no perdimos el oro/ガナモス・ラ・プラタ、ノー・ペルディモス・エル・オロ(銀メダルを勝ち取ったんだ。金メダルを失った訳じゃない)」と悔しさをあまり見せませんでしたけどね。確かに銀も2000年シドニー大会以来となれば、十分、賞賛に値しますが、不満が残るとすれば、スペインの決定力不足。コートジボワール戦でハットトリックを挙げたラファ・ミール(ウルバーバンプトンから昨季はウエスカにレンタル)も爆発したのはその試合だけでしたし、クラブが参加を許可してくれなかったボルハ・マジョラル(ローマ)、フェラン・トーレス(マンチェスター・シティ)辺りがいたら、もっとゴールが入って、決勝トーナメントで毎試合、延長戦にもつれ込むこともなかった?
そして土曜の夕方にはオリンピックのことはすっかり忘れ、シュダッド・デポルティーバ・ブタルケに2部の弟分レガネスと、彼らを昨季の昇格プレーオフで下して、今季は3年ぶりに1部で戦うラージョのプレシーズンマッチを見に行った私だったんですが、ライブ配信で見た試合でわかってはいたものの、本当にこの時間帯はスタンド真正面から西日が照りつけて辛いんですよ。それでも丸1年、ひいきチームの試合を生で見られなかったファンがかなりの人数駆けつけて、応援も賑やかだったんですが、その日のラージョはマケドニア代表でユーロを堪能してきた正GKのディミトリエフスキがスタメンだったせいでしょうかね。昇格プレーオフには次男ルカの応援に来ていたジダン前マドリー監督の姿は見えず。
それは別にどうでもいいんですが、試合の方は前半11分にサビン・メリノのゴールでレガネスが先行したものの、35分にはプレーオフ準決勝でも大活躍だったベベのクロスをイシに決められて、1-1でハーフタイムに。その日は午前中にも2部のマドリッド勢仲間、アルコルコンと試合をし、2-0で勝っていたせいか、アシエル・ガリターノ監督はほとんど選手交代をせず、柴崎岳選手もずっと出ていたんですけどね。後半もスコアは変わらず、引き分けで終わったかと思いきや、え、どうしてファンが誰も席を立たない?答えは簡単でこちら、ビジャ・デ・レガネス杯という、トロフィーありの試合だったんです。そう、先日、アトレティコが戦ったカランサ杯(カディス主催の夏の親善大会)同様、決着をPK戦でつけないといけないんですよ。
結局、マリオ・スアレス、トレホと成功しながら、イシとアンドレスがGKリエスゴに弾かれたラージョに対し、3人目のディエゴだけが枠外に蹴ってしまったレガネスが4-3で勝者となり、トロフィーのPepino de oro/ペペピーノ・デ・オロ(金のキュウリ)をめでたくゲット。ま、これはプレーオフのリベンジというより、2部2年目の今季こそ、昇格を果たしたい彼らが、土曜の開幕戦、シャビ・アロンソ監督率いるレアル・ソシエダBとの対戦に向けて勢いをつけるという意味で良かったかと。一方、この夏、第3のマドリッド勢2部、フエンラブラダから移籍したエヌテカがこの試合でネンザしてしまったラージョは待望の1部開幕戦を日曜午後10時15分から、サンチェス・ピスファンでのセビージャ戦で迎えることになります。
そうそう、同じ頃、レガネスのお隣さん、ヘタフェもイギリスでブライトン戦をプレーしていたんですが、彼らはカバコとティモルのゴールで0-2と完勝。これでプレシーズンマッチ6試合、PK戦で勝ったサラゴサ(2部)戦も含め、全て白星なのは心強いっちゃあないんですが、実は開幕戦のトップバッターを務めるのがヘタフェなんですよ。ええ、金曜午後10時から、メスタジャでバレンシア戦なんですが、やはり見どころは昨季まで5シーズン、ヘタフェを率い、第1期のミチェル監督同様、EL出場も果たしているボルダラス監督との再会かと。アランバリやジェネ、ククレジャといった辺りは是非とも成長させてもらった恩返しをしたいと考えているはずですが、一体、どんな結果になるのやら。
え、それで日曜はマドリッドの兄貴分たちのプレシーズンマッチが続いたんだろうって?その通りで、先にキックオフとなったのはアトレティコだったんですが、ロッテルダムでのフェイエノールト戦が意表を突く展開になってねえ。いえ、とうとうスタメンのカンテラーノ(アトレティコBの選手)がシメオネ監督の三男、ジュリアーノだけになったチームが前半18分、敵のCKからパスを繋がれて、最後はリンセンに先制点を取られてしまったのは仕方ないんですが、まさか、ヒメネスのシュートばかりが続いた後、39分にマラシアに倒されたカラスコがプッツンしてしまうとは!多分、彼はベルギー人でフラマン語を話すため、オランダ人選手と言葉が通じてしまうのも悪かったんでしょうが、その2人の諍いにチームメートたちが次々と駆けつけ、tangana(タンガナ/小競り合い)が始まるって、これ、ただの親善試合ですよお。
最後はシメオネ監督までピッチに出て来て、カラスコを叱っていましたが、時すでに遅し。レッドカードで当人が退場となったため、せっかくリーガ1節に向けて、イロイロ試そうとしていた目論見が崩れてしまったんですが、とりあえず、この試合で今季デビューしたコケとマルコス・ジョレンテの足慣らしを前半で終了させると、後半はゴールド・カップのメキシコ代表で準優勝、大会MVPに輝いたエレーラが入ります。まあ、1人少ないですから、私もあまり期待はしていなかったんですが、驚かされましたねえ。コパ・アメリカのアルゼンチン代表として、アトレティコで唯一、昨季のリーガ優勝と合わせて二冠を達成したコレアがジュリアーノと交代して、希望の光を与えてくれるとは。
それは37分、直前にカンテラーノのカメージョが敵GKと1対1のシュートを失敗し、今季は3部(実質5部)で戦う彼なんだから、責めてはいけないと自分に言い聞かせている間に、大きくクリアされたボールがアトレティコの選手たちの頭でエリア前に戻ってきたんですが、落ちて来たところを上手くキープしたコレアが敵DFをかわしてシュート。何せ、昨季はリーガ優勝に大きく貢献して、かなり評価が上がった彼ですからね。まだルイス・スアレスが1週間しか調整していない中、この同点ゴールで今季も幸先良く始めてくれるんじゃないかと思ったんですが…。
それがロスタイム3分、フェイエノールトのカウンターを喰らって、ハプスのスルーパスから、バニスに勝ち越しゴールを奪われ、最後は2-1で負けてしまうとはツイていない。うーん、いつもなら慎重なシメオネ監督が追いついてからも妙にアグレッシブで、チームに前に出ろ、前に出ろとせっついていたのも悪かったんでしょうかね。決勝点が入ってすぐ、試合終了の笛が鳴った後も審判にオフサイドの抗議に行くわ、フェイエノールトのスロット監督にも文句を言うわと、ちょっと親善試合ではありえない光景が繰り広げられていましたが、本当に大事なのは日曜午後5時30分(日本時間翌午前0時30分)に迎えるセルタ戦。
今のところ、まだ負傷のリハビリが終わらないのは足首の手術をしたジョアン・フェリックスと新加入のマルコス・パウロ(フルミネンセから移籍)、フェリペぐらいで、サビッチは先週後半からチーム練習に復帰。まだルイス・スアレスをサポートするCFの獲得はできていませんが、一時あったグリーズマン(バルサ)復帰の線もメッシの退団で完全に消えてしまったようですし、これはちょっと時間がかかりますかね。何はともあれ、今季は開幕からキャパ制限はあるものの、全ての試合が有観客になるため、2節のエルチェ戦でリーガ王者の勇姿を始めて見ることになるワンダ・メトロポリターノのファンをガッカリさせるスタートはしないでほしいものです。
そして日曜にはアトレティコの試合と30分ぐらいかぶって、お隣さんもオーストリアでミラン戦をプレーしたんですが、いやあ、アザールと共にベンゼマがお留守番だったのが響きましたかね。トッテナムへのレンタル移籍から戻って来たベイルが前半40分に見せ場を作り、トナリとカラブリアに挟まれながら、ドリブルでエリアまで到達したところで転倒。これでPKをゲットしたものの、当人がGKメニャンに弾かれてしまってはいけません。彼も含め、スタメン6人が代わった後半もモドリッチのエリア外からのシュートがゴール枠に弾かれる場面があったものの、どちらのチームも最後まで得点できず、スコアレスドローで終わってしまったとなれば、楽しかったのは母国の英雄、ダビド・アラバ(バイエルンとの契約を満了して移籍)のレアル・マドリーデビューを見られた現地クランゲンフルトの観客だけだった?
うーん、プレシーズンマッチが他より少ない4試合だけだったアンチェロッティ監督のチームなんですが、これで成績は1勝2分け1敗。勝ったのはバルデベバス(バラハス空港の近く)の練習場で非公開だったフエンラブラダ戦だけと、どうやら今季もゴール不足は解消されていないような。もちろん、土曜にカンプ・ノウで涙ながらにお別れ会見したメッシがPSGに入り、玉突きでエムバペがマドリーに来てくれるのなら、何せ、彼は今年のユーロでフランス代表に戻ったベンゼマとの相性もいいですからね。9月の各国代表戦後にリオープンするサンティアゴ・ベルナベウに戻って来るファンも新シーズンに大きな期待を抱けそうですが、今のところ、まだ前向きなニュースは聞こえてこず。
ちなみにマドリーのリーガ開幕カードは土曜午後10時(日本時間翌午前5時)からのアラベス戦。恥骨炎のクロース、昨季の負傷を引きずるメンディ、コロナ感染中のオドリオソラは欠場となりますが、現在、アザールが間に合わせようとハイピッチで調整を進めているのだとか。この夏、イストラからアラベスに加入した原大智選手もプレシーズンマッチにそこそこ出ているため、そういった意味でも楽しみな試合ではありますね。
【マドリッド通信員】 原ゆみこ
南米旅行に行きたくてスペイン語を始めたが、語学留学以来スペインにはまって渡西を繰り返す。遊学4回目ながらサッカーに目覚めたのは2002年のW杯からという新米ファン。ワイン、生ハム、チーズが大好きで近所のタパス・バルの常連。今はスペイン人親父とバルでレアル・マドリーを応援している