「BNPパリバ・オープン」(ATP1000/アメリカ・カリフォルニア州インディアンウェルズ/3月9~19日/賞金総額699万3450ドル/ハードコート)の男子シングルス準決勝が行われ、第3シードのスタン・ワウリンカ(スイス)と…

 「BNPパリバ・オープン」(ATP1000/アメリカ・カリフォルニア州インディアンウェルズ/3月9~19日/賞金総額699万3450ドル/ハードコート)の男子シングルス準決勝が行われ、第3シードのスタン・ワウリンカ(スイス)と第9シードのロジャー・フェデラー(スイス)が決勝に進出した。

 今後のプランを見直す必要があるほどフェデラーが好調だ。今年1月の全豪オープンで自身18度目のグランドスラム・タイトルを獲得したフェデラーは、第17シードのジャック・ソック(アメリカ)を6-1 7-6(4)のストレートで下して決勝進出を決めた。フェデラーは今大会5度目の優勝を目指している。

 同じく準決勝でワウリンカが第21シードのパブロ・カレーニョ ブスタ(スペイン)を6-3 6-2のストレートで破ったたことで、スイス人同士の決勝となる。

 昨年のフェデラーは故障により、今大会を欠場していた。フェデラーは来週からはじまるマイマミ(ATP1000/ハードコート)から今シーズンをスタートして様子をみるというのが当初の予定だったというが、「昨年末にはケガの具合もよくなり、10大会ぐらいには出場できると思うとうれしくなったよ」と語っている。

 この決勝でのフェデラーは、自身90個目のタイトルをかけての戦いとなる。オープン化以降のタイトル獲得数では、ジミー・コナーズ(アメリカ)の109、イワン・レンドル(アメリカ)の94に続く3番目のタイトル獲得数となる。フェデラーはタイトル獲得数に関して 「100個のタイトルを獲ることは、本来の僕の目標ではないからね。まああり得ることだし、目標を持つということはいいことだよね。3ヵ月とか半年後にまた聞いてみてよ。心変わりしているかもしれないしね」とコメントした。

 フェデラーが前回この大会を制したのは2012年大会であり、決勝での戦績は4勝2敗。ワウリンカとの対戦成績は19勝3敗でリードしており、ハードコートでの対戦成績は14勝0敗で無敗としている。今年の全豪の準決勝を含むここ最近の3試合でも、すべてフェデラーに軍配が上がっている。

 フェデラーは地元アメリカ出身のソックが対戦相手にもかかわらず、終始観客を味方につけていた。「フェデラーはどこに行っても人気者だよ」とソック。フェデラーはサービスエース5本を奪ってソックのサービスゲームのブレークに2度成功し、21分で第1セットを先取した。ソックは、「ラファエル・ナダル(スペイン)やほかの選手と対戦したときと同様に、今年のフェデラーは速い展開でとても安定したプレーをしている」と語っていた。フェデラーは初戦からまだ1セットも落とすことなく、サービスブレークをまだ1度も許していない。4回戦のナダル戦でのサービスゲームでは、1本のブレークポイントをしのいでの勝利だった。第2セットでのソックは第7ゲームに1度ブレークポイントを握られたものの、サービスゲームをすべてキープして安定したプレーをみせた。

 フェデラーは「ソックの重いサーブを確実にリターンし、ブレークすることは難しかった。第1セットが第2セットのように、もっと試合がもつれると思っていた」と試合を振り返った。第10ゲームには、フェデラーの打ったボールがネットに当たってソックの首に直撃した。ソックは「びっくりしたけどまったく気にするようなことじゃない」とコメントした。第2セットのタイブレークではソックが3-1と先にリードしたが、その後フェデラーが6ポイントを連取。最後にはソックのバックハンドがネットにかかり、フェデラーの勝利となった。フェデラーは「第2セットではファーストサーブの調子が悪かったので大変だったけど、セットを落とさずに勝利し、決勝に進出できてよかったと思う」と語っていた。

 ワウリンカは4回戦と準々決勝ではともにファイナルセットのタイブレークまでもつれて苦戦を強いられたが、準決勝ではカレーニョ ブスタにブレークポイントさえも握らせることもなく、わずか64分で試合を締めくくってカレーニョ ブスタを圧倒した。ワウリンカは今大会初の決勝進出であり、昨年は4回戦でダビド・ゴファン(ベルギー)に敗れていた。これでカレーニョ ブスタのワウリンカとの対戦成績は、0勝3敗となった。

 25歳のカレーニョ ブスタは、マスターズ1000の大会出場17度目にして初の準決勝進出となった。2014年大会以降、準決勝に進出した選手の中ではもっともランキングの低い選手であった。カレーニョ ブスタは4回戦では予選勝者のドゥサン・ラヨビッチ(セルビア)を倒し、準々決勝の第27シードのパブロ・クエバス(ウルグアイ)との試合では2本のマッチポイントをしのいでファィナルセットのタイブレークを制し、今年3度目の準決勝進出となった。

 ワウリンカのファーストサーブのポイント取得率は80パーセント、セカンドサーブでは76パーセントとし、サーブでカレーニョ ブスタを圧倒した。第2セットでは2-2から4ゲーム連取で6-2とし、試合を締めくくった。ワウリンカは「膝の故障でテニスができない時期もあり、体調万全で試合にのぞむことは大変だったけど、今シーズンは今のところ悪くないね」とコメントした。(C)AP