ジュニアの元世界3位であるブランドン・ナカシマ(アメリカ)が急成長を続けている。ATPツアーの本戦に参戦するようになった…

ジュニアの元世界3位であるブランドン・ナカシマ(アメリカ)が急成長を続けている。ATPツアーの本戦に参戦するようになったのは2020年からだが、当初は世界ランキングが294位だったものの、現在は87位。特にここ1ヶ月足らずで50位近く急浮上してきた本人が、自身の強みなどを説明している。ATP公式ウェブサイトが伝えた。【マッチハイライト】キャメロン・ノリーvsブランドン・ナカシマ/ATP250 ロスカボス決勝【マッチハイライト】ジョン・イズナー vs ブランドン・ナカシマ/ATP250 アトランタ決勝

ナカシマは、世界ランキング134位として臨んだ7月中旬の「ATP250 ロスカボス」で、ツアー本戦3大会目にしてサム・クエリー(アメリカ)やジョン・イズナー(アメリカ)といった同国の先輩たちも破って初の決勝に進出。翌週の「ATP250 アトランタ」でも勝利を重ね、19歳にして2週続けて準優勝を果たすという快挙を成し遂げた。その次の週には「ATP500 ワシントンDC」で3回戦に進出。この3週間の間に、ミロシュ・ラオニッチ(カナダ)やダニエル・エバンズ(イギリス)からも金星をあげている。

自身の急成長についてナカシマは「メンタルの部分が特に大きいね。ハードコートのシーズンになって上位の選手たちにも対抗できることを示したことで、自信を得た。昨年に比べて技術的なことやフットワークも改善できたしね」と分析する。

アトランタ大会後には89位に浮上し、18歳のカルロス・アルカラス(スペイン)、19歳のヤニク・シナー(イタリア)とロレンツォ・ムゼッティ(イタリア)に続いて、10代でトップ100につける4人目の選手となった。若手によるシーズン最終戦に向けたランキング「レース・トゥ・ミラン」では現在出場圏内の7位につけている。

ワシントン大会中に20歳の誕生日を迎えたこの若手選手に対し、対戦相手も称賛を惜しまない。ロスカボスとアトランタで2週続けて対戦したイズナーは、「彼がまだ19歳だなんて、凄いことだね。僕がその年齢の時には、ボートに乗って釣りをしてたのに、彼はツアーの決勝に進出してるんだから」とコメント。ワシントン大会でナカシマに敗れたエバンズも「彼には大きな未来がある。非常に冷静で落ち着いた選手だよ」と述べている。

エバンズが指摘した落ち着きは、ナカシマが自覚している大きな特長だ。「落ち着いていること、安定感があることは、僕の最大の強み。それは、間違いなく試合に勝つ上で役立っているよ。コートにいてもいなくても、僕はいつも静かでリラックスしている。それが僕の性格であり、生き方でもあるんだ。プロであれば、物事がうまくいかない時や、フラストレーションが溜まって落ち着いてプレーできない場合もある。そういう時は、それまでに費やしてきたハードワークを思い出すんだ。そして、その辛い時間帯を乗り越えて、より楽しい時間を思い出すようにしている」

「楽しめなければ、テニスは面白くないと思う。それだと、やる価値がないよね。 だから、可能な限り楽しんでプレーする。もちろん、努力も必要だけどね」

「東京オリンピック」では1988年のソウル大会以来、初めてメダルなしに終わるなど、アメリカのテニス界はこのところ低迷している。21歳のセバスチャン・コルダ(アメリカ)、20歳のジェンソン・ブルックスビー(アメリカ)とともに若手が台頭してきたことは朗報と言えるだろう。

(テニスデイリー編集部)

※写真は2019年「ハワイオープン」でのナカシマ

(Photo by Darryl Oumi/Getty Images)