アメリカ・カリフォルニア州インディアンウェルズで開催されている「BNPパリバ・オープン」(WTAプレミア・マンダトリー/3月8~19日/賞金総額769万9423ドル/ハードコート)の女子シングルス準々決勝で、第14シードのエレナ・ベスニ…

 アメリカ・カリフォルニア州インディアンウェルズで開催されている「BNPパリバ・オープン」(WTAプレミア・マンダトリー/3月8~19日/賞金総額769万9423ドル/ハードコート)の女子シングルス準々決勝で、第14シードのエレナ・ベスニナ(ロシア)が3つのマッチポイントをふいにしたショックから立ち直り、第12シードのビーナス・ウイリアムズ(アメリカ)を6-2 4-6 6-3で下して準決勝に進出した。

 ベスニナは最終ゲームで0-40とリードされたが6本のブレークポイントをしのぎ、2本のフォアハンド・ウィナーを決めて71分で試合を終わらせた。ビーナスは6度のデュースを繰り返し、9分半を要した自分のサービスからの第8ゲームで3つのマッチポイントをベスニナの3本連続のミスによって逃れていた。

 「私は本当にこれが人生最後のゲームであるかのように闘っていたわ」とベスニナは振り返った。「私はパワーをわずかに抑え、より速度を加える形でサービスを打ち始めた。いくつかの重要なポイントで彼女はアンフォーストエラーをおかしてくれた。そして私は固執したの、絶対にこのゲームを失うものですかって」。

 ベスニナは38本のアンフォーストエラーと8本のダブルフォールトをおかした。ビーナスは47本のダブルフォールトに7本のダブルフォールトだった。

 ベスニナは準決勝で第28シードのクリスティーナ・ムラデノビッチ(フランス)と対戦する。もうひとつの準決勝は、第3シードのカロリーナ・プリスコバ(チェコ)と第8シードのスベトラーナ・クズネツォワ(ロシア)という顔合わせになった。

 ベスニナは4回戦で世界2位のアンジェリック・ケルバー(ドイツ)を6-3 6-3 で下しており、すでに過去9度の大会出場の中で最良の成績を確保している。

 「私は今、乗っていると言えると思う」とベスニナは言った。

 ビーナスは今大会の最初の3試合のうち2試合で、勝利をつかむためにフルセットを必要とした。彼女は2001年に妹セレナと対戦するはずの準決勝を故障のため棄権。その際に観客から受けた敵意に満ちた罵倒を理由に15年もの間、今大会をボイコットしていたが、昨年、大会に戻ってきた。

 一方、セレナは膝の故障のため、大会が始まる前に棄権を決めていた。

 ビーナスは体の状態が完全ではなかったとほのめかしたが、それが具体的に何かを説明することは拒んだ。彼女は過去数年、自己免疫疾患であるシェーグレン症候群に苦しめられていたことで知られている。

 「今日のような日は本当に歯がゆいわ。よりよいことをやりたいのに、そうすることができない……できなかったの」とビーナス。彼女は脚にテーピングをほどこして試合に臨んだが、途中でそれを取り除いた。「ちょっと問題があったの。でも、それをどうにかくぐり抜けてプレーし終えた。しっかり競い合えるとわかったのは収穫だわ」。

 対ベスニナ戦でのビーナスはミスを重ねる一方で、自分のサービスで繰り返しトスに苦労しつつ、スローなスタートを切った。

 「第1セットで3-0とリードしたとき、ビーナスはいくつかの簡単なショットをミスしていた。彼女は疲れているように見え、コート上の動きも鈍かった」とベスニナ。「それから突然、彼女は軽快に動き始め、素晴らしいショットを----あらゆるところからウィナーを打ち込み始めたのよ」。

 この日行われたもうひとつの準々決勝では、第28シードのクリスティーナ・ムラデノビッチ(フランス)が第13シードのカロライン・ウォズニアッキ(デンマーク)を3-6 7-6(4) 6-2で倒してベスト4進出を決めるとともに、キャリアで初めてWTAランキングのトップ20に食い込むことを確実にした。

 ムラデノビッチもウォズニアッキも準々決勝に進むまでの道のりで1セットも落としていなかった。元世界1位で2011年大会の優勝者であるウォズニアッキは第2セットの2-4から挽回して勝負をタイブレークに持ち込んだが、タイブレークの間に一度もリードを奪うことはできなかった。

 第3セットでウォズニアッキは2-1とリードしたが、それからトレーナーを呼んで右足に厳重なテーピングを施した。彼女はそこから最後の5ゲームを落として敗戦に向かって突き進んだ。これにより、ムラデノビッチは準決勝に進出したもっともシードの低い選手となった。

 「チャンスを手にしたときに、彼女(ムラデノビッチ)のサービスをブレークすることができなかった」とウォズニアッキは試合後に言った。「そうできるチャンスがあったときに、自分のサービスをキープしなかった。そして突然、試合は私の手からすべり落ちてしまったのよ。」

 32度の暑さの中で戦われたこの2時間半におよぶ試合では、総じて11回のサービス・ブレークがあった。

 ムラデノビッチはこの躍進のおかげで世界ランキングを上げただけでなく、同胞のカロリーヌ・ガルシア(フランス)を追い抜き、フランスの新しいナンバーワンになった。

 「努力が報われつつあること、よい成績が出つつあることを感じている」とムラデノビッチ。「ランキングはただ、私が毎日積み重ねてきたすべての努力の結果なのよ」。(C)AP