ATP(男子プロテニス協会)が、パンデミックにより暫定的となっていたランキングシステムを、「ATP1000 シンシナティ…
ATP(男子プロテニス協会)が、パンデミックにより暫定的となっていたランキングシステムを、「ATP1000 シンシナティ」(アメリカ・シンシナティ/8月15日~8月22日/ハードコート)から従来の形に戻していくと発表したことは先日お伝えした通り。スポーツウェブメディア Sportskeedaが、これによって影響を受ける可能性のある選手をまとめている。【関連記事】暫定的だったATPランキングがシンシナティ大会から従来通りに【最新】今はまだ暫定的なATPランキング
平時にATPが運用している方法は、大まかに言うと、過去52週に大会で獲得したポイントを加算してランキングを算出するというもの。つまり、今年の大会が開催された時点で昨年の同大会で得たポイントは消滅し、今大会で得たポイントに置き換えられる。しかしながら、2020年は新型コロナウイルスの影響により大会の中止や延期が相次ぎ、選手たちの国外への移動が難しくなったことに伴い、ATPは特別措置として2019年の大会で得たポイントを延長して保持し続ける、あるいは同じ大会に2019年も2020年も出場した場合、どちらか良い方のポイントを採用するといった方法に変えていた。
だが、この度の変更により上述の特別措置は「ATP1000 トロント」(カナダ・トロント/8月9日~8月15日/ハードコート)を最後に終了、「ATP1000 シンシナティ」からは正常化されることになった。52週の対象期間を考慮すると、すべてのポイントが従来通りランキングに反映されるのは来年の「ATP1000 シンシナティ」が終わる2022年8月15日ということになる。
興味深いことに、男子テニス界が誇るビッグ3のうち、ラファエル・ナダル(スペイン)とロジャー・フェデラー(スイス)の2人が、この変更によって最も大きな影響を受けるかもしれない。ナダルもフェデラーも2019年シーズンの後半から多くのポイントを持ち続けてきたが、それも3週間後には消滅してしまうからだ。怪我やコロナの影響により2人は昨年の「全米オープン」を欠場したが、特別措置の恩恵を受けて2019年大会で獲得したポイントを失わずに済んだ。
しかしナダルとフェデラーは2019年のアメリカのハードコートシーズンに得たポイントを保持することがもはや許されなくなる。特にナダルは2019年の「全米オープン」で優勝しているため、そこで得た2000ポイントを守りたければ、今大会でも優勝しなければならない。仮に早期敗退となれば、ランキングは現在の3位から7位へ下がり、2017年1月以来に低い順位となるかもしれない。
一方、現在世界9位のフェデラーは、2019年の「全米オープン」でのベスト8と「ATP1000 シンシナティ」の3回戦進出で得た合計450ポイントが今のランキングポイントに加算されている。今年の「ATP1000 シンシナティ」は辞退することが既に決まっているため、「全米オープン」でポイントを積み重ねられなければ、世界10位のデニス・シャポバロフ(カナダ)に迫られる恐れがある。
2019年シーズンで獲得したランキングポイントが多い他の上位選手としては、「ATP1000 シンシナティ」優勝と「全米オープン」準優勝を果たしている世界2位のダニール・メドベージェフ(ロシア)、「ATP1000 シンシナティ」準優勝の世界20位ダビド・ゴファン(ベルギー)、ともに「全米オープン」で準決勝まで進んだ世界21位のグリゴール・ディミトロフ(ブルガリア)と世界8位のマッテオ・ベレッティーニ(イタリア)などがいる。
一方、2020年のハードコートシーズンで2019年よりも良い成績を収めた選手が集中すべきは昨年のポイントを維持することであり、今回のATPによる変更に大きく影響されることはないものと思われる。
(テニスデイリー編集部)
※写真は2019年「全米オープン」でのナダル
(Photo by Al Bello/Getty Images)