東京五輪も残すところあとわずか。日本のメダル獲得数が過去最多になるなど、大きな盛り上がりを見せている。感動を呼ぶ手に汗握る熱戦も、大変な状況の中で来日し、全力プレーを見せてくれる海外選手がいてこそ。今回はその中から、ファンの心をグッとつか…

 東京五輪も残すところあとわずか。日本のメダル獲得数が過去最多になるなど、大きな盛り上がりを見せている。感動を呼ぶ手に汗握る熱戦も、大変な状況の中で来日し、全力プレーを見せてくれる海外選手がいてこそ。今回はその中から、ファンの心をグッとつかんだ海外の女子アスリート10人を紹介する。
(※)成績は8月6日時点のもの



photo by AFLO SPORTS

◆バレンティナ・アコスタ ヒラルド/コロンビア(21歳)
アーチェリー 混合 女子個人

 大会の序盤に登場し、インターネット上で大きな話題となった21歳。高校卒業後に代表入りし、2019年の世界アーチェリーユース選手権で金メダルを獲得(個人)。現在の世界ランキングは77位で、東京五輪では混合、個人共に上位進出はならなかったが、今後のさらなる飛躍が期待できる選手だ。



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◆オルガ・リパコワ/カザフスタン(36歳)
陸上 女子三段跳び

 開会式の入場行進で旗手を務める姿がひときわ目を引いた。選手としては、北京大会から4大会連続で五輪に出場し、すべての大会でメダルを獲得。ロンドン五輪では金メダリストになった同国のレジェンドだ。東京五輪では予選敗退となったが、日本のファンに大きなインパクトを残した。長女も走り幅跳びと4×100mで活躍しており、パリ五輪出場を目指している。



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◆ガブリエル・トーマス/アメリカ(24歳)
女子陸上 200m 銅メダル

 ハーバード大学卒の才色兼備スプリンター。大学では神経生物学を専攻し、現在は公衆衛生学の修士号を取得中だという。同国の女子短距離界の象徴であるアリソン・フェリックスに憧れ、今大会は共に代表として出場。昨年6月に、女子200mで歴代2位の21秒61を記録して金メダル候補に推されていたが、東京五輪では銅メダル。3年後には頂点を目指す。



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◆ダリア・ビロディド/ウクライナ(20歳)
女子柔道 48 kg級 銅メダル

 大会前から日本でも注目度が高まっていた美女柔道家。48kg級としては長身の172cmで、長い手足から繰り出す内股や大内刈りを武器に、世界選手権を連覇するなど実力もトップクラス。金メダル候補と目されていた東京五輪では、準決勝で対戦した日本の渡名喜風南が横四方固めで一本勝ちを収めた。ビロディドは銅メダルを獲得した瞬間に悔し涙を流したが、それを糧にさらに進化するだろう。



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◆アリソン・アギュラー/アメリカ(25歳)
女子ソフトボール 銀メダル

 大学入学後にパワーヒッターとして頭角を現し、2016年に代表入り。東京五輪でもクリーンアップを任され、激闘になった決勝の日本戦でも5番セカンドとして出場した。大会を通しての個人成績は、6試合で10打数1安打とヒットこそ少なかったものの、フォアボールを5つ選ぶなどつなぎの意識でチームの銀メダル獲得に貢献した。



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◆クロイ・ワトキンズ/アイルランド(28歳)
女子ホッケー

 父も同国の元男子ホッケー代表選手で、幼い頃から英才教育を受けた。2010年7月に18歳で代表デビューし、2018年のW杯では全試合に出場して銀メダル獲得に貢献した。東京五輪では、1勝4敗でグループ突破はならず。3年後はベテランの域に差し掛かるが、リベンジのために再び五輪の舞台に戻れるかに注目だ。



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◆アビシャグ・センベルグ/イスラエル(19歳)
女子テコンドー 銅メダル

 小学1年生でテコンドーを始め、6年時に代表入り。国内大会だけでなく、ユースの世界選手権でもメダルを獲得してきた。内戦が続く厳しい状況の中、センベルグも昨年からの兵役で、現在は軍隊の兵士でもある。そんな中で臨んだ東京五輪では敗者復活戦を勝ち上がって銅メダルを獲得し、イスラエル史上最年少のメダリストになった。



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◆ネリー・コルダ/アメリカ(23歳)
女子ゴルフ

 2016年にプロ転向してから徐々に実力を上げ、2021年は全米女子プロでメジャー初優勝を含む3勝を挙げて世界ランキング1位に浮上した。東京五輪には姉のジェシカと共に出場。日本の夏特有の暑さに苦しみながらも、現世界ナンバーワンの安定したゴルフで最終日をトップで迎えた(8月6日時点)



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◆ジョージア・エレンウッド/カナダ(26歳)
女子陸上 七種競技

 2013年にウィスコンシン大学マディソン校に入学すると、自己ベストを更新し続け、NCAA(全米大学スポーツ協会)ディビジョンIオールアメリカンを受賞するなどキャリアを重ねていった。東京五輪では自己ベストに届かず20位に終わったが、途中棄権が4人も出る猛暑での過酷な状況のなか、すべての競技に出場した。



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◆レチシア・ブフォニ/ブラジル(28歳)
女子スケートボード ストリート

 Xゲームに出場するために14歳で渡米し、2010年代前半に世界を代表する女子スケーターとして大ブレイク。2021年もXゲームで6つ目の金メダルを獲得するなど実力は健在だ。東京五輪では予選9位で惜しくも決勝進出はならなかったが、10代の活躍が目立つ新種目のスケートボードで存在感を示した。