コロナ禍によりATPでは昨年から暫定的なランキングシステムが導入されていたが、「ATP1000 シンシナティ」(アメリカ…

コロナ禍によりATPでは昨年から暫定的なランキングシステムが導入されていたが、「ATP1000 シンシナティ」(アメリカ・シンシナティ/8月15日~8月22日/ハードコート)を境に、従来通りのものに戻るとATP(男子プロテニス協会)公式ウェブサイトが発表した。【最新】今はまだ暫定的なATPランキング

新型コロナウイルスの影響を受けて、2020年のツアーは3月から5ヶ月間にわたって中断され、これに伴いATPランキングは大会で獲得したポイントの有効期限が延長されるといった救済措置が採用された。この度、昨年8月のツアー再開以来、初めてATPのランキングシステムが従来通りに戻されることになった。「ATP1000 シンシナティ」の結果を受けて算出される8月23日付けのランキングから適用される。

具体的には、選手が現在保持している「ATP1000 シンシナティ」のATPランキングポイントは2021年8月23日に消滅し、今年の同大会で獲得したポイントに置き換えられる。そのポイントは2022年の8月22日まで52週(1年)にわたって維持される。今年の大会に参加しない選手も昨年のポイントは参加する選手と同様に消滅する。また、「ATP1000 シンシナティ」以降のすべての大会でこの従来の方法が適用される。

これに対して「ATP1000 トロント」(カナダ・トロント/8月9日~8月15日/ハードコート)までの大会の成績は、パンデミックに関連した「ベスト・オブ」のロジック(詳細は後述)に従うことになる。2022年8月15日をもって、パンデミックに関連した特別措置はすべて終了し、従来の52週間にわたるランキング方法が運用される。

2021年8月9日の週まで適用される「ベスト・オブ」では、従来通り過去52週で好成績をあげた19の大会を対象としながらも、同じ大会で獲得したポイントを2019年分、2020年分と2つ持っている場合は、より良い方をランキングポイントとして保持することができる。

2019年3月4日から同年8月12日の間に開催された大会についてはさらに52週、または2022年に同大会が行われるまで対象期間が(最大156週)延長され、最後の52週間はポイントの50%が加算される。例外として、「ATP1000 ローマ」「全仏オープン」「ATP250 キッツビューエル」「ATP500 ハンブルク」は2019年に続いて2020年も開催されたため、追加で52週間延長されることは認められない。

元世界王者ロジャー・フェデラー(スイス)は、パンデミックと同時期に怪我に見舞われたため、この「ベスト・オブ」方式によって、試合に参加せずともランキングを維持できたラッキーな選手の一人だ。今年5月には本人もそのことに言及しており、当時世界8位という順位は従来通りに計算されていれば315位前後になっていたとされる。フェデラーのような選手がいるということはその一方で、複数の大会で活躍しながらもなかなか思うようにランキングを上げられない選手もおり、一部で不満の声があがっていた。

今回の変更によって「ATP1000 シンシナティ」以降はランキングが大きく変動する可能性もある。着々とランキングを上げてきている若手選手もいる中で、シーズン後半の推移は要注目となるだろう。

(テニスデイリー編集部)

※写真はテニスコートのイメージ

(Photo by Adam Lacy/Icon Sportswire via Getty Images)