世界中が驚きに包まれたアルゼンチン代表FWリオネル・メッシ(34)のバルセロナ電撃退団。誰もが予想しなかった終わり方は、…

世界中が驚きに包まれたアルゼンチン代表FWリオネル・メッシ(34)のバルセロナ電撃退団。誰もが予想しなかった終わり方は、大きな話題となっている。

ユースに加入してから21年、ファーストチームに昇格してから17年。その間に35のタイトルを獲得し、公式戦778試合に出場し672ゴール305アシストを記録した。

1年前にメッシが退団を表明してから、クラブへの残留を決断。そこから1年後、建設的な会話を続けてきた両者だったが、最後に袂を別つこととなったのは、ラ・リーガが設定しているサラリーキャップ制度に抵触するというものだという。互いの願望に沿わない結末となったことも悲しい出来事と言える。

こうなると気になるのは、そのメッシがどこでプレーするのかだ。バルセロナでのメッシしか知らない中、その候補はいくつかに絞られている。

◆第一候補はやはりPSG

メッシの新天地候補の筆頭に上がるのは、やはりフランスのメガクラブ、パリ・サンジェルマン(PSG)だろう。

昨夏、メッシがバルセロナからの対談を表明した際にも手を挙げたクラブ。世界有数のメガクラブとなった中、今夏も積極的な補強を見せている。

移籍金をかけずにミランからイタリア代表GKジャンルイジ・ドンナルンマ、レアル・マドリーからスペイン代表DFセルヒオ・ラモスを獲得。またインテルからはモロッコ代表DFアクラフ・ハキミを獲得した。

ご存知の通り、フランス代表FWキリア・ムバッペが所属し、バルセロナでもプレーしたブラジル代表FWネイマールも在籍。また、アルゼンチン代表MFアンヘル・ディ・マリア、MFレアンドロ・パレデス、イタリア代表MFマルコ・ヴェッラッティと有数の選手が所属している。

メッシも移籍金はゼロ。決してサラリーは安くはないが、それでも莫大な移籍金がかからないことは大きなプラス材料だ。

さらに、メッシとしてもよく知るネイマールやディ・マリア、パレデスが在籍。長年のライバルだったセルヒオ・ラモスとの共闘も見られるとなると、いよいよPSG悲願のチャンピオンズリーグ(CL)制覇も見えてくるだろう。

◆第二の候補は恩師率いるシティ

二番手として考えられるのは、プレミアリーグのマンチェスター・シティだろう。

シティも昨夏の時点でメッシの獲得に手を挙げたクラブ。かつてバルセロナでプレーし、監督も務めたジョゼップ・グアルディオラ監督が指揮するクラブ。メッシをチームに組み込むことは難しくない。

奇しくも、メッシの盟友であるアルゼンチン代表FWセルヒオ・アグエロが昨シーズン限りで退団し、バルセロナへと移籍したが、新たなストライカーは現時点では確保できず。トッテナムのイングランド代表FWハリー・ケインを獲得するという話が出ているが、どうなるかは不透明だ。

シティもPSGと同様にCL制覇という大きな目標がある。プレミアリーグでは優勝の常連チームとなった一方で、CL制覇は昨季もあと一歩まで迫ったが達成できていない。

バルセロナ時代にメッシの飛躍を加速させたグアルディオラ監督と再びタッグを組むのか。ケインに投資することを決断すれば、メッシにかける費用はないが、間違いなく候補の1つで歯ある。

◆三番手は新たな舞台アメリカ

3つ目の候補はヨーロッパを離れるということ。アメリカ、メジャーリーグ・サッカー(MLS)のインテル・マイアミだ。

イングランドサッカー界のレジェンドであるデイビッド・ベッカム氏がオーナーを務めることでも知られるクラブ。メッシを含めたヨーロッパでプレーしたビッグネームの獲得を目指すことは予てから口にしており、いつでも歓迎する旨を明かしている。

バルセロナとメッシの関係を考えれば、まずスペインでプレーすることは考えにくい。そして、ヨーロッパのクラブでプレーする以上、CLなどでバルセロナと対戦する機会が生まれる。それをメッシが好むかと言われると、難しいところだろう。

しかし、海を渡りアメリカでのプレーを選択すれば、バルセロナと対戦することはなくなる。あったとしてもフレンドリーマッチ。真剣勝負の場ではないことを考えれば、妥当な行き先とも考えられる。

かつてメッシはいずれアメリカでプレーしたいという旨を語っており、2022年のカタール・ワールドカップが終わった後のタイミングだと見られてきた。それが少し早まる形は可能性としてはゼロではない。

◆忘れてはならないバルセロナ残留

そして何よりも忘れてはならないのはバルセロナでプレーするという可能性だ。

バルセロナはメッシとの契約が結べてないということを確かに発表した。しかし「バルセロナとリオネル・メッシは個人間の条件面で合意に達し、本日にも新契約を結ぶという双方の明確な意思があった」と発表。クラブとメッシの間の合意は得られていることを強調している。

問題となったのはラ・リーガの規制。サラリーキャップの問題で、契約できないという状況だ。

つまり、クラブとしてはその規制の中で収められればメッシと契約ができる状況。さらなる条件面の譲歩なのか、クラブとしての財政的な問題なのか、はたまた他の選手の契約にも及ぶ問題なのかは定かではないが、メッシに別れを告げたわけではないことは事実。一転して残留という発表がなされる可能性もゼロではない。

そのほかにも候補としてあげるとすれば、母国に復帰し古巣のニューウェルズ・オールドボーイズに加入することもあるかもしれない。はたまた、バルセロナとの関係、さらには盟友である元スペイン代表MFアンドレス・イニエスタが所属するヴィッセル神戸に入る可能性もゼロとは言えない。

莫大な移籍金がかからない以上、本人の意思と契約の条件が合致すればどこのクラブでもプレーする可能性はある。今夏、メッシの去就は何よりも注目を集めることになりそうだ。

《超ワールドサッカー編集部》

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