アメリカ・カリフォルニア州インディアンウェルズで開催されている「BNPパリバ・オープン」(ATP1000/3月9~19日/賞金総額699万3450ドル/ハードコート)の男子シングルス3回戦で、ロジャー・フェデラー(スイス)がスティーブ・…

 アメリカ・カリフォルニア州インディアンウェルズで開催されている「BNPパリバ・オープン」(ATP1000/3月9~19日/賞金総額699万3450ドル/ハードコート)の男子シングルス3回戦で、ロジャー・フェデラー(スイス)がスティーブ・ジョンソン(アメリカ)を7-6(3) 7-6(4)で下し、ラファエル・ナダル(スペイン)の待つ4回戦へと進んだ。

 強力なサービスの対決となった試合。 フェデラーは12本のサービスエースを決め----最速のサービスは時速211km----ジョンソンに一度もブレークポイントを与えなかった。一方のジョンソンもサービスで最高時速219kmを記録し、フェデラーに与えた4度のブレークポイントのすべてをしのいで見せた。

 ナダルは、フェルナンド・ベルダスコ(スペイン)を6-3 7-5で下し、今大会50番目の勝利を記録した。彼は過去に3度優勝しているが、最後のタイトルは2013年に遡る。

 今大会で優勝歴5回のノバク・ジョコビッチ(セルビア)は、2013年大会準優勝者のフアン マルティン・デル ポトロ(アルゼンチン)を7-5 4-6 6-1で下し、ニック・キリオス(オーストラリア)の待つ4回戦に進んだ。

 ジョコビッチはドローで、ナダル、フェデラーらもいるボトムハーフのさらに下半分(4分の1)の激戦区に入っている。

 「第3セットは、おそらく今年プレーした中でベストのテニスだった」とジョコビッチは言った。「この自信を、特にリターンに関し、明日の試合にも持ち込めるよう願う。明日の試合ではそれが必要だからだ」。

 フェデラーは今大会で4度優勝しているが、最後のタイトルは2012年のものだ。彼は1月の全豪オープン決勝でナダルを倒し、18度目のグランドスラム・タイトルを獲得した。水曜日に実現するフェデラーとナダルの対決は、ナダルの勝利で終わった2004年マイアミでのふたりの初対戦を例外に、もっとも早い段階での顔合わせとなる。

 「ラファのような選手たちとプレーするために僕はここに来たんだ。そして今、僕らは対戦することになった」とフェデラーは言った。「僕はこのことにワクワクしたほうがいい。さもなければ、僕は誤った理由でここに来たことになるからね」。

 フェデラーはジョンソンに対し32本のウィナーを決め、そこには第1セットのタイブレークでミニブレークを奪ったフォアボレーも含まれていた。彼は続く6ポイントのうち5ポイントを取り、追い詰められたジョンソンのバックハンドロブがコートを割った瞬間、セットに終止符が打たれた。

 第2セットでジョンソンはサービスをキープして6-6とし、再度勝負をタイブレークに持ち込んだが、すぐに2-4とリードを奪われた。彼はフェデラーのサービスからのポイントを取って4-4と追いついたが、フェデラーの2度目のマッチポイントでバックハンドをネットに引っかけ、万事休すとなった。

 フェデラーは今、全豪オープンでの勝利に酔うのではなく、「その上に新しいチャンスを築きたい」と野望を燃やしている。彼は「活力が戻ってきたことをうれしく思う。実は、ドバイではまだ疲労を感じていたんだ。もしいい動きができれば、明日、ラファに勝つチャンスはあると感じている」と言い添えた。

 35度の気温の中、ナダルは1時間半の戦いにフォアハンドのウィナーで決着をつけた。ナダルは自分のファーストサービスからのポイントの80%を取り、手にした5つのブレークポイントのうち3つをものにした。ベルダスコは第2セットで8ポイントを連取して3-2とリードしたが、総じて7本のダブルフォールトをおかすなど、やや安定性を欠いた。

 ナダルは、フェデラーと自分が準々決勝の前に当たるというのは不運なことだと言った。ナダルはフェデラーとの対戦成績で23勝12敗とリードしており、ハードコートでの対戦は9勝8敗だ。

 「皆がいいプレーをしていようが関係ない。なぜって、僕ら(自分、フェデラー、ジョコビッチ)のいるドローの区画からは、僕らのうちひとりしか準決勝に進めないんだからね」とナダルは言った。「だから本当に厳しいけれど、こんなことは毎週起きることじゃない。これを避けるために僕らにできる唯一のことは、ランキングでより高い位置にいく、ということだけだ」。

 女子シングルスでベスト8入りしていると全仏チャンピオンのガルビネ・ムグルッサ(スペイン)は、フェデラー対ナダルのライバル関係の“最新の章”を見るつもりだと言った。

 「皆がその試合に注目すると思うわ」とムグルッサは言った。「皆がラファとロジャーが大好きなのよ。そこには歴史があるの」。

 錦織圭(日清食品)は第25シードのジル・ミュラー(ルクセンブルグ)を6-2 6-2で破り、4回戦に駒を進めた。錦織の次の相手はドナルド・ヤング(アメリカ)だ。ヤングはルカ・プイユ(フランス)を6-4 1-6 6-3で下して勝ち上がった。

 ニック・キリオス(オーストラリア)とアレクサンダー・ズベレフ(ドイツ)の若手対決は、6-3 6-4でキリオスに軍配が上がった。マレク・ジャジリ(チュニジア)は、ワイルドカード(主催者推薦)で出場したアメリカの19歳、テイラー・フリッツに6-4 3-6 6-3で競り勝った。(C)AP