ミューレンス監督が「今日は必勝の試合だった」と振り返るキューバ戦は、オランダが一方的な強さを見せつける試合展開となった。試合のトーンを決めたのは、初回にヤクルトのバレンティンが左翼席へ運んだ先制3ランだった。自身もヤクルトでプレー経験を持つ…

ミューレンス監督が「今日は必勝の試合だった」と振り返るキューバ戦は、オランダが一方的な強さを見せつける試合展開となった。試合のトーンを決めたのは、初回にヤクルトのバレンティンが左翼席へ運んだ先制3ランだった。自身もヤクルトでプレー経験を持つミューレンス監督は「試合前にホームランを打つって言っていたけど、その通りになった」と満面の笑みを浮かべ、“予告弾”だったことを明かした。

■「自分が日本で好成績を残している理由を見せられた」

 第4回ワールド・ベースボール・クラシック(WBC)の2次ラウンド・プールEは15日、オランダがキューバを14-1で下し、7回コールド勝ちを収めた。15日2試合目で日本がイスラエルに勝利すれば、オランダの決勝ラウンド進出が決定。日本が負けた場合は、日本、オランダ、イスラエルの3チームが2勝1敗で並ぶが、失点率によりオランダが1位通過する可能性も残されている。

 ミューレンス監督が「今日は必勝の試合だった」と振り返るキューバ戦は、オランダが一方的な強さを見せつける試合展開となった。試合のトーンを決めたのは、初回にヤクルトのバレンティンが左翼席へ運んだ先制3ランだった。自身もヤクルトでプレー経験を持つミューレンス監督は「試合前にホームランを打つって言っていたけど、その通りになった」と満面の笑みを浮かべ、“予告弾”だったことを明かした。

 バレンティンは「ジョークでバンバン(監督の愛称)に言ったんだけど、本当に打ててよかったよ」と照れた様子。だが、先頭で打席に立った3回にも左中間席へソロ弾を運び、NPBシーズン本塁打記録保持者たる姿を見せつけた。

 ヤクルトで7季目を迎える大砲は、東京という“ホーム”に戻ったことが幸いしたのか、2次ラウンドでは3試合に4番として先発。打率.615(13打数8安打)、3本塁打、10打点と大活躍。メジャーリーガーが揃うオランダ打線で「4番」を任されるに相応しいバッティングを見せつけている。

■ヤクルトとは単年契約も今年で33歳…

 バレンティンを4番に据えた理由について、ミューレンス監督は「4番じゃないと出ないって言うから」とジョークを飛ばすが、バレンティン自身は「自分を信頼してくれる監督はじめチームみんなに感謝しかない」と謙遜。3番を打つプロファーは「おかげで自分が厳しい勝負を強いられているよ」と苦笑いだ。

 メジャー球団の関係者たちも注目するWBCで存在感を示すバレンティン。試合後の会見で米メディアが「メジャー関係者にいいアピールになると思うが」と質問すると、「自分が日本で好成績を残している理由が見せられた。もしかしたらメジャーに帰るチャンスも生まれるかもしれない。どうなるか、それは誰にも分からないよ」と煙に巻いた。

 昨年11月にヤクルトと結んだ契約は単年契約。今年33歳を迎えるため、実際にメジャー復帰できる可能性はそれほど高くないだろう。だが、オランダが決勝ラウンドにコマを進め、ドジャースタジアムでも好調バットが続いたら…。

「Who knows?(それは誰にも分からない)」

 バレンティンの言葉がすべてを言い表しているのかもしれない。