アメリカ・カリフォルニア州インディアンウェルズで開催されている「BNPパリバ・オープン」(WTAプレミア・マンダトリー/3月8~19日/賞金総額769万9423ドル/ハードコート)の女子シングルス3回戦で、世界2位のアンジェリック・ケル…

 アメリカ・カリフォルニア州インディアンウェルズで開催されている「BNPパリバ・オープン」(WTAプレミア・マンダトリー/3月8~19日/賞金総額769万9423ドル/ハードコート)の女子シングルス3回戦で、世界2位のアンジェリック・ケルバー(ドイツ)は番狂わせを回避するのにフルセットを必要とした。一方、2015年チャンピオンのシモナ・ハレプ(ルーマニア)は、そう運がよくはなかった。

 ケルバーは南カリフォルニアの雲ひとつない空の下で気温が36度にまで上がった中、ポリーヌ・パルモンティエ(フランス)を7-5 3-6 7-5で下した。この季節の平均気温が25度程度であることを鑑みると、異例の暑さということになる。

 試合が終わるやオンコートインタビューで「本当に暑いわね」と言ったケルバーは、「厳しい接戦だったから勝つことができて、ただただうれしい。ポリーヌは最初の1球から素晴らしいプレーし、私たちはどちらも最後まで戦い抜いたハイレベルの試合だった」と振り返った。

 あるゲームは11分もの時間を要し、別のゲームには10分弱がかかった。そしてケルバーは第3セットで1-4から挽回した。

「私はふたたび自分の力を信じ始めていた」とケルバーは言う。

 ケルバーは過去に自分を苦しめていた高い気温と遅いコートのこの大会のために、よりよい準備を行おうと今年の大会は早めに現地入りした。

 過去9回の出場機会で、ケルバーの最高成績は2012年と2013年の準決勝だ。彼女はここ3年は2回戦で敗退していた。

 「ここのコンディションは非常に厳しいもの。日中の試合は本当にすごく暑い。ナイトセッションならより涼しいけれど、逆に寒いこともある」とケルバー。「ボールの飛び方も少し違っているの」。

 敗れたパルモンティエは試合後、「私は本当にいい試合をした。第1セットでは一度セットポイントを握って第2セットを取り、第3セットでは一時4-1とリードしたのだから。でも私は2、3のミスをおかしてしまった。この手の相手には、そういうミスが非常に高くつく。それでも私は試合を通して、きっと勝てると信じて戦っていた」と話した。「勝っていたらキャリア最大の勝利だったのに!みながいい試合だったと言ってくれたけど、最後の結果は残酷だった」と悔しさをにじませた。

 世界1位のセレナ・ウイリアムズ(アメリカ)が左膝の故障を理由に大会開始前に棄権したためケルバーは今大会のトップシードとなり、すでに大会後に発表されるランキングで1位返り咲きが確定している。ケルバーは1月の全豪オープン後に、ランキングを2位に落としていた。

 なんとか窮地を切り抜けたケルバーとは反対に第4シードのハレプは、第28シードのクリスティーナ・ムラデノビッチ(フランス)に3-6 3-6で敗れた。ムラデノビッチは今大会に先立ち1大会で優勝、1大会で準優勝と好調さを見せていた選手のひとりだった。

 そしてその少しあと、第6シードのアグネツカ・ラドバンスカ(ポーランド)がこの日敗れたシード選手のリストに加わった。ラドバンスカは予選を勝ち上がったペン・シューアイ(中国)に4-6 4-6で敗れた。

 第9シードのマディソン・キーズ(アメリカ)はコーチのリンゼイ・ダベンポート(アメリカ)が見守る中、日本の大坂なおみ(日清食品)を6-1 6-4のストレートで下した。大坂はつかんだ4つのブレークポイントのどれも、ものにすることができなかった。

 第12シードのビーナス・ウイリアムズ(アメリカ)はルーシー・サファロバ(チェコ)を6-4 6-2で倒し、4回戦に駒を進めた。ビーナスは気温が37度にも達する厳しい暑さの中でファーストサービスからのポイントの75%を取り、ネットに出た8度の機会のすべてでポイントをものにした。観客席から見守るウイリアムズ姉妹の母オラシーンと妹イシャ・プライスは、白いタオルで強い日差しを防いでいた。

 「日差しがすごく強いわね」とビーナス。「幸い、私はフロリダに住んでいるから、こういう気候に対処する準備はできていると思う。そこそこ快適に感じることができたわ」。

 ビーナスのアンフォーストエラーが9本にとどまったのに対し、サファロバは27本のミスをおかした。

 「ポイントとポイントをつなぎ合わせることができていると感じていた。私が多くのミスをおかさなければ、当然ながら相手にプレッシャーをかけることになるわ」とビーナスは試合を振り返った。

 彼女は2001年の大会以来、今大会をボイコットしていたが、昨年ようやく戻ってきた。2001年大会では故障のために妹セレナに対する試合から棄権したとき、彼女と父親は観客から野次られ、そこで人種差別的嘲りを聞いたためボイコットを決めていた。

 ローレン・デービス(アメリカ)はユリア・ゲルゲス(ドイツ)を6-1 6-4で下して勝ち上がった。デービスは4回戦でムラデノビッチと対戦する。

 第13シードのカロライン・ウォズニアッキ(デンマーク)はカテリーナ・シニアコバ(チェコ)を6-3 6-1で下した。また、エレナ・ベスニナ(ロシア)はティメア・バボス(ハンガリー)を6-4 1-6 6-4で退けた。ベスニナは4回戦でケルバーと対決する。(C)AP