スポルティーバ 足ワザ100連発第18回 フィル・フォーデン(後編) 前編を見る>>まだ21歳ながら、マンチェスター・シ…

スポルティーバ 足ワザ100連発
第18回 フィル・フォーデン(後編) 前編を見る>>

まだ21歳ながら、マンチェスター・シティやイングランド代表と、トップレベルで活躍しているフィル・フォーデン。そんな新世代のスターのプレーを、今回も東京ヴェルディや柏レイソルで活躍した林陵平氏が解説する。実際にフォーデンの得意ワザをプレーしてもらい、特徴とマネするべきポイントを聞いた。

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しなやなか身のこなしが目立つフォーデン

 photo by Getty Images

↓【動画】フォーデンのテクニック 実演&解説

 フォーデンのプレースタイルは、マンチェスター・シティで一緒にプレーしているケビン・デ・ブライネに似ています。

 ボールを受けて、つなぐ。ゴールの演出と、フィニッシュ。どれもできて、すでにデ・ブライネにも引けを取らないレベルです。

 21歳ということもあり、体の線はまだ細いですが、それでもフィジカルコンタクトが激しいプレミアリーグで、何の遜色もなくプレーできています。

 体の力の入れ方や抜き方、逃がし方をすでに知っているからでしょう。デ・ブライネとの違いを挙げるとすれば、ムチをしならせるかのような身のこなしで、体全体をしなやかに動かせるところですね。

 だから、クイックなプレーの動きもしなやかで、今回紹介した「クイックアウトターン」などはその典型です。軸足を飛ばしながらの方向転換は、体のバランスを崩しがちですが、これが可能であれば素早いターンができて相手はついていけません。

 同様に、今回紹介している「軸裏ショートバウンド」や「シングルレッグルーレット」もそうですが、身のこなしがいいからこそ、ターンしながらのボールタッチも華麗にこなすことができます。彼のコーディネーション能力の高さがわかる足ワザです。タッチ感覚やスピードの緩急のつけ方も上手ですね。

◆メッシと同種の能力。ペップがフォーデンに固執する理由

 そして、171cm、70kgの体格とは思えないシュート力があって、ミドルシュートもしっかり決められます。コンパクトですが足の振りが速く、強いインパクトができるからです。


相手を横に外して、すぐにシュートを打つ

「半抜きシュート」

「半抜きシュート」は、フォーデンのコーディネーション能力とシュート力あっての足ワザで、彼の強みですね。

 目の前にいる相手を、横に外してすぐにシュートする。かわした次のステップで打ちます。この時、足の振りの速さと、体全身のしなりを使えるので、強いシュートが打てます。

 ボールを横に動かす位置も重要です。ワンステップで移動して、体勢を整えて、相手のブロックの足が出てくる前に素早く打たないといけません。ボール位置がちょっとでもずれると力が入らず、強いシュートにならないんです。

 見た目は簡単そうですが、難しいシュートです。できるようになれば、この仕掛けだけで点が取れるので便利。クロスをあげたい時にも使えますね。

 ストライカーではないのに、この足ワザができるのはすごいですね。この若さで何でもできるフォーデンが、これからもジョゼップ・グアルディオラ監督の下でまだまだ成長するかと思うと、楽しみです。

フィル・フォーデン
Phil Foden/2000年5月28日生まれ。イングランドのストックポート出身。9歳からマンチェスター・シティの下部組織に所属。17歳でトップチームデビュー。2020-21シーズンはレギュラーポジションを獲得し、リーグ優勝、チャンピオンズリーグ準優勝に大きく貢献した。21歳ながらすでに公式戦100試合以上に出場し「クラブの未来」と言われるレフティのゲームメーカー。イングランド代表では、2017年にU-17W杯で優勝しMVPを獲得。A代表ではユーロ2020に出場し、準優勝に輝いた。

林 陵平
はやし・りょうへい/1986年9月8日生まれ。東京都八王子市出身。ジュニアからユースまで、東京ヴェルディの育成組織でプレーし、明治大学を経て2009年に東京ヴェルディ入り。レフティの大型FWとして活躍した。10年に柏レイソルに移籍し、11年にJ1優勝を経験。その後、モンテディオ山形、水戸ホーリーホック、再び東京Ⅴ、FC町田ゼルビア、ザスパクサツ群馬でプレーし、20年に現役を引退。Jリーグ通算300試合出場67得点。現役時代から海外サッカー通として知られ、メディア出演多数。21年から東京大学運動会ア式蹴球部の監督を務めている。