第4回ワールド・ベースボール・クラシック(WBC)の2次ラウンド第1戦で、延長11回の末にオランダに勝った侍ジャパン。中田の3戦連続アーチを含む3安打5打点の活躍や9投手の継投など、見どころ満載の試合となったが、その中でも海外のメディアも驚…

第4回ワールド・ベースボール・クラシック(WBC)の2次ラウンド第1戦で、延長11回の末にオランダに勝った侍ジャパン。中田の3戦連続アーチを含む3安打5打点の活躍や9投手の継投など、見どころ満載の試合となったが、その中でも海外のメディアも驚愕させたのが、二塁・菊池涼介が披露した華麗な守備だった。同時に、菊池の美技には対戦相手だったオランダが誇るメジャー屈指の内野陣からも感嘆の声が上がった。

■レッドソックス遊撃手は「『スポーツセンター』のトップ10入りしたかも」

 第4回ワールド・ベースボール・クラシック(WBC)の2次ラウンド第1戦で、延長11回の末にオランダに勝った侍ジャパン。中田の3戦連続アーチを含む3安打5打点の活躍や9投手の継投など、見どころ満載の試合となったが、その中でも海外のメディアも驚愕させたのが、二塁・菊池涼介が披露した華麗な守備だった。同時に、菊池の美技には対戦相手だったオランダが誇るメジャー屈指の内野陣からも感嘆の声が上がった。

「あれは決して簡単なプレーじゃなかった。素晴らしい動きだったね。打球は抜けたと思ったんだけど」と苦笑いするのは、7回、菊池の美技にヒットを阻まれたボガーツだ。23歳の若さながら、レッドソックスの正遊撃手としてチームを牽引。2015年は.320をマークした好打好守で知られる球宴選手だ。

 日本が1点をリードする7回1死一塁の場面で、打席に立ったボガーツは松井から痛烈なピッチャー返しを放つ。打球はセンター前に抜けると思われたが、マウンドで弾んだ打球を二塁手・菊池が横っ飛びで捕球。そのまま二塁ベースカバーに入った遊撃・坂本にグラブトスして、二塁封殺を奪った。

 テレビでは直後にオランダ遊撃シモンズが拍手を送る姿を映し出したが、センター前ヒットを二塁ゴロとされたボガーツも“脱帽”。「メジャーであのプレーが出ていたら『スポーツセンター』のトップ10に取り上げられたんじゃないかな」と話し、米スポーツ専門局「ESPN」の人気ニュース番組で紹介されても不思議はないプレーだったと絶賛した。

■ヤンキース正遊撃手は「試合の流れを決める大きなプレーだった」

「ワオッ! 素晴らしいプレーだったよ、あれは。ボールに飛びついたもんね」と目を丸くしながらプレーを振り返ったのは、オランダの二塁手J・スクープだ。オリオールズの正二塁手で、昨季は全162試合に先発出場し、守備率は98.9%を誇る守備の名手も菊池に拍手を送る。

 スクープは菊池の身のこなしの軽さを指摘。さらには「打席でもいい安打を打っていたよね」と打撃センスの高さも称えた。メジャーで小柄な二塁手といえば、ホセ・アルトゥーベ(アストロズ)が思い浮かぶ。「ホセは別格だけど、彼(菊池)もいい動きをするね。あの守備範囲の広さは驚きだ。こういった短期決戦では、ああいうプレー1つが勝敗を決めることがあるんだ」と称賛を辞めない。

 日本人内野手はメジャーでは成功しにくいと言われるが、「誰がそんなこと言ってるんだ? 誰だって成功する可能性はある。目標に向かって、どれだけ努力をするか。どれだけ本気で目指すか。大事なのはそこだよ」と力説するのは、ヤンキースの正遊撃手グリゴリアスだ。今大会はDH出場がメインだが、守備範囲の広さと柔らかいグラブ捌きはメジャー屈指。デレク・ジーター氏の後継者として期待される26歳だ。

「あの打球が抜けていたら、試合の展開が変わっていた。試合の流れを決める大きなプレーだったと思う。自分はショートを守るから、あのプレーが簡単じゃないことはよく分かる。敵ながらナイスプレーだったよ」

 メジャー球団のスカウトからも熱視線が注がれる侍ジャパンの二塁手は、現役メジャーリーガーたちからも一目置かれる存在になったようだ。