7月30日に行われた「東京オリンピック」(日本・東京/7月24日~8月1日/ハードコート)テニス競技の男子シングルスの準決勝、そして混合ダブルスの準決勝で立て続けに敗れ、いずれも3位決定戦に回ることになったノバク・ジョコビッチ(セルビア)。…

7月30日に行われた「東京オリンピック」(日本・東京/7月24日~8月1日/ハードコート)テニス競技の男子シングルスの準決勝、そして混合ダブルスの準決勝で立て続けに敗れ、いずれも3位決定戦に回ることになったノバク・ジョコビッチ(セルビア)。目指していた金メダルには手が届かなかったものの、まだ意欲は失っていないようだ。ATP公式ウェブサイトなどが彼のコメントを伝えている。【実際の画像】試合後にハグを交わす二人の姿をATPが「これぞオリンピックの精神」と称賛

ジョコビッチは男子シングルスで第4シードのアレクサンダー・ズベレフ(ドイツ)に6-1、3-6、1-6と逆転負け、その後ニーナ・ストヤノビッチ(セルビア)とともに出場した混合ダブルスの準決勝ではエレナ・ベスニナ/アスラン・カラツェフ(ロシア)ペアに6-7(4)、5-7で敗れた。

試合後、ジョコビッチはこのように語っている。「とにかくタフな一日だった。今は最悪な気分だね。(シングルス準決勝では)第1セットを取って、さらに(第2セットで)ブレークしたのに、彼(ズベレフ)に試合をひっくり返されてしまった。彼はサーブが強烈だったし、攻撃を仕掛けてきた。そして僕はファーストサーブでポイントを積み重ねることができなくなった。自分のテニスができなくなってしまったんだ」

「僕は止まってしまい、彼に主導権を与えることになった。ファーストサーブの確率があまりにも低かったね…。オリンピックで自国を代表して戦うというプレッシャーがかかっていたんだ」

「東京オリンピック」が始まる約2週間前に「ウィンブルドン」で優勝していたジョコビッチは、「確かにここに来た時はフレッシュな状態じゃなかった。心情的に疲弊はしていたよ。でも、モチベーションは高かったし自国のためにメダルを勝ち取りたいというやる気に満ち溢れていたんだ」と述べている。

「彼のようなクオリティの高い選手にあのレベルのパフォーマンスをされたら、勝つのは難しい。これがスポーツだ。彼の方がいいプレーをしたということだよ」

「今は酷い気分だよ。でも、明日は気分を入れ替えて、回復を進め、少なくとも1つはメダルを勝ち取りたい」

なお、試合後にジョコビッチとコート上でハグを交わして何かを話していたズベレフは、その内容について以下のように説明する。

「ノバクには、彼が史上最高の選手だ、と伝えたよ。彼が新たな歴史を作るために金メダルを目指していたことを知っていたからね。僕たちはもともと仲がいいんだ。もちろん勝てたのは嬉しいけど、彼の気持ちがわかるからね」と、友人を思いやっている。

ジョコビッチがオリンピックの準決勝で負けるのはこれが3度目。初出場となった2008年の北京大会ではラファエル・ナダル(スペイン)に決勝行きを阻まれた後、ジェームズ・ブレイク(アメリカ)に勝って銅メダルを獲得したが、2012年のロンドン大会ではアンディ・マレー(イギリス)に負けた上、3位決定戦でもフアン マルティン・デル ポトロ(アルゼンチン)に敗れて4位に終わっていた。

今回は一日に2つの金メダルへの夢が潰えたわけだが、男子シングルスの3位決定戦では第6シードのパブロ・カレーニョ ブスタ(スペイン)と、混合ダブルスのそれではアシュリー・バーティ/ジョン・ピアース(オーストラリア)ペアと、銅メダルをかけて戦うことになる。

(テニスデイリー編集部)

※写真は「東京オリンピック」でのジョコビッチ

(Photo by Marijan Murat/picture alliance via Getty Images)