赤き野獣がより獰猛に!3代目となったプリンス「ビースト(prince BEAS…

赤き野獣がより獰猛に!
3代目となったプリンス
「ビースト(prince BEAST)」

9月、“赤き野獣”が、より獰猛になって我々の前に現れる。今度は“『ギュッと』掴んで 『スッキリ』弾く”である。

薄い・軽い・強い、奇跡の素材と言われる「テキストリーム×トワロン」を使用し、他社では実現不可能な“硬くないのにブレない”を実現し、面ブレを3 割削減。フレーム先端部を含めてより高いスピン性能、パワー、コントロールをした2代目「ビースト(BEAST)」は、これまでにない中厚ラケットとして、一般プレーヤーの心を撃ち抜いたラケットとなった。
2021年9月、その3代目がついにベールを脱ぐ。


掴んで弾くーープリンスならではの奇跡の素材を使った2代目ビーストは非常に大きなインパクトを残した


唐突だが、「良いラケット」とは、どんなラケットなのだろうか?
プロが使っているものか? パワーがあるラケットだろうか? それともスピン性能か、打球感か。もちろん、コスメ(デザイン)も重要な要素だし、そのすべてを考えて購入しているという人も少なくないだろう。そのラケット作りの歴史は、素材戦争の歴史とも言える。いかに良い素材を入手できるか、各社はそこを競ってきた。入手できなければ、使い方で補うしかない。

多くの人がパワーラケットを求めるようになった今、起こっているのは「シャフトを太く」するという現象だ。ラケットは、硬くブレが少ないほうパワーが上がるのだから、正しい選択と言える。ただし、一つ問題が生じる。それはRA値と呼ばれるフレームの硬さの数値が高くなってしまうのだ。

フレームの数値が硬くなると、その分、球離れが早くなり、スピン性能も下がるし、コントロール性能も下がってしまう。加えて不快な衝撃も生まれる。


プリンスのみが使用を許される
「奇跡の素材」こそが“掴んで弾く”
prince「BEAST」を生み出す

この点で、プリンスには大きなアドバンテージがある。 “奇跡の素材”と言われる「テキストリーム×トワロン」を独占的に使用できる権利を持っているからだ。
「テキストリーム」は、F1や航空機などに使われ、現在入手可能なもので最高レベルのカーボンと呼ばれるもの。各分野で使用できる企業は限られる。しかし、プリンスはそこに鋼鉄の5倍という強度を誇るスーパーアラミド繊維「トワロン」を融合させることをオーダー。薄くて軽いのに非常に強い奇跡の素材を生み出したのだ。





この素材をシャフト部に使ったらどうなるか? 簡単に言えば「球離れが遅くなる」→「スピンかかる」→「素材が強いからパワーもある」ということ。2代目「ビースト」のキャッチフレーズは、だから“さらに掴んで、弾く”なのだ。


「テキストリーム×トワロン」と
相性のいい「ATS」テクノロジーが
先端部の飛び、スピン性能を高める

プリンスは、フレーム10時・2時部分に、「テキストリーム×トワロン」を採用したテクノロジー「ATS(アンチ・トルク・システム)」を加えることで面安定性を高めている。
近年のテニスでは、フレームの先端部分でボールを捕らえるプレーが増えている。しかし、ここはラケットの弱点とも言える場所。弱い場所でボールを捕らえるから、面ブレが生まれ、ラケットが歪んでボールが飛びにくい。プリンスは「テキストリーム×トワロン」を使用することことで面ブレを3割減させることができるうえ、パワーアップも可能になる。






さらに、トラディショナル・フレームには全体の86%のストリングがフレームの外側まで一直線になるようにグロメットホールを設けた「パラレルホール」(飛び、スイートエリアがプラスα)も設けるなどの細かい配慮もなされていた。<消費者により質の高いものを届けたい――そこには、プリンスのクラフトマンシップ(職人魂)と呼ぶべき、ものづくりの精神が宿っている。





また「ビースト100」「ビーストO3 100」「ビーストO3 104」に関しては、前作に引き続き「2ピーススロート」を採用。インパクト時の衝撃を軽減し、ストリングの振動を抑える2ピース構造のスロートを採用している。






3代目「ビースト」は
「『ギュッと』掴んで 『スッキリ』弾く」
注目の新素材・新テクノロジーも採用

さて、気になる3代目の「ビースト」はいかなるラケットになったのか?

まずシリーズは「ビースト100(280g/300g)」「ビーストDB100(280g/300g)」「ビーストO3 100(280g/300g)」「ビーストO3 104(280g)」と4モデル7本という内容。いずれも、2代目の「ビースト」をベースに、さらにパフォーマンスを高めたモデルとなっている。

まずは「ビースト100」「ビーストO3 100」「ビーストO3 104」に共通するアップデートから説明したい。
端的に説明すると “『ギュッと』掴んで 『スッキリ』弾く”という言葉になるのだという。進化点の一つが、新たに採用した「PVS(ピュアファイ・バイブレーション・システム)」。同テクノロジーの実現にあたっては、高分子エラストマー(弾性、伸縮性が非常に高い素材)をシャフト下部からグリップ部のカーボンに混ぜることで”さらにさらに掴んで、弾く”ラケットへと変貌を遂げている。

テスターによると、「味わったことのない柔らかさ」「打っている感じより飛んでいく感じがある」などというインプレッション・レポートが届いているというから興味深い。






新モデルの“DB”は
球乗り感を重視し、
振動を取り除くDB搭載

そして新たに加わった「ビーストDB100」は、トラディショナル・フレーム(ビースト100シリーズ)に比べて、よりボールが乗るシリーズである。「DB」とは「ダブル・ブリッジ・システム」のこと。ヨークに埋め込まれた高分子エラストマーこそが、その正体で、その分、縦ストリングが長くなるので、飛びもよくなるし、スイートエリアも縦に広がる。そして衝撃吸収性も高くなるというもの。

実は、このテクノロジーのアイディア自体は、90年代後半に活躍し、USオープンで2度を果たしているパトリック・ラフター(オーストラリア)のラケット“プレシジョン”シリーズなどに使用されていたもの。時を経て、当時より、さらに良い高分子ポリマーが入手できるようになったことで、再登場となったわけだ。

「テキストリーム×トワロン」を使用したビースト・シリーズは、同様なスペックのラケットに比べれば、決して硬いラケットではない。しかし、フレームがレクサス構造(断面がD型)ということもあって、2代目「ビースト」を“硬く球離れが早い”と感じる消費者もいたのだという。今回「DB」が復活したのには、そういったプレーヤーに向けて、中厚でポリを張る人がより球乗りのいい「ビースト」を作りたかったという背景があるのだ。





発明と言っても差し支えない
O3テクノロジー採用モデルは
さらなる球乗り、振り抜きを感じられる

そして忘れてはいけないのが、プリンスならではと言える「O3」(オースリー)テクノロジーを搭載した「ビーストO3 100」「ビーストO3 104」である。前々作より新形状の“ニューOポート”採用となり、よりスイートエリアが拡大、空気抵抗も抑えられて振り抜きもよくなっている。そう言葉で説明すると、あっさり終わってしまうのだが、これは打ってみてこそ、そのすごさがわかるもの。かつてない振り抜きの良さ、シリーズ随一の球の乗りをあなたも感じられるはずだ。






そして、前シリーズで密かな人気となっていたのが「ビーストO3 104」である。104平方インチとフェイスサイズが大きいこと、280gと軽量なことから自ずとラケットは走り、より威力あるボールを放つことができる。ビーストの魅力をより感じられる1本と言えるかもしれない。





今度はオールグロス!
キラリと光るツートンで
重厚感あるイメージに

さらに3代目「ビースト」の魅力の一つをお伝えしたい。それはコスメである。前回の“赤き野獣”は、指先にさらりとした感触の残る真紅のマット加工となっていたが、今回はキラリと光るグロス加工。しかも、濃淡のツートーンとなったことで、より重厚感あるイメージに生まれ変わっている。ラケットにとってコスメの重要性は言うまでもない。ラケット界がマット加工ばかりとなっている中で、大胆なセレクトである。

『ギュッと』掴んで 『スッキリ』弾く――、より獰猛になった“赤き野獣”を、今こそ #テナズケロ。編集部では、新ビースト100の試打インプレッション企画も準備中。近々公開予定なので、こちらもチェックしてほしい。





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