過酷な放浪生活が続いていると、時には癒しが欲しくなる。そんなある日、サッカー競技場のとなりの体育館を覗いてみると、世界…
過酷な放浪生活が続いていると、時には癒しが欲しくなる。そんなある日、サッカー競技場のとなりの体育館を覗いてみると、世界トップレベルのスポーツの試合をやっているではないか。これは絶好の機会に他ならない。さまざまなスポーツを知ることが、サッカー観戦時の理解の幅を広げ、分析に深さを与えてくれることだろう。というわけで、オリンピック期間はせっせと様々なスポーツ観戦に敬意をもっていそしむ次第。ただし、いつもとは違うリラックスした姿勢になるのは致し方のないことかと……。
■メルボルンの長方形競技場
オリンピックの思い出シリーズ。最終回の今回は、オリンピックならではの他競技観戦のお楽しみというお話です。
現在行われている東京オリンピックでは、サッカーのUー24日本代表が「死のグループ」とも言われたグループAを3戦全勝で突破。メダル獲得に向けて順調なスタートを切りました。
かつて、サッカーの日本代表がアジア予選を勝ち抜けず、オリンピックに出場できない暗黒時代が続きました。当然、テレビでもサッカーの中継は皆無に近く、「オリンピックでもサッカーってやってるんですか?」とよく聞かれたものです。その頃を思うと日本代表の試合が男女ともすべて生中継される現在は夢のよう。しかも、最近はネット配信を使えば日本以外の試合もすべて見られるのです。ありがたいことです。
ただ、そうまでしてサッカーの試合を見ているよりも、やっぱりオリンピックの最大の楽しみはチャンネルをザッピングしながら様々な競技を“覗き見”することでしょう。
サッカーは23歳(今大会は24歳)以下の大会ですが、他のほとんどの競技では世界最高峰の真剣勝負が見られるのです。
今年の大会は各競技で日本選手が好調のようで、体操の個人総合でも橋本大輝が金メダルを獲得しました。体操はそれこそ1960年代、70年代には「日本のお家芸」でしたが、当時と比べると最近の体操競技のレベルの高さには目を見張らせられます。
「ザッピング」はテレビ観戦の場合だけでなく、実際に現地に行った時の楽しみでもあります。つまり、サッカーの試合を見に行った時についでに隣の体育館を覗いてみると、そこですごいレベルの試合が見れたりするのです。
■アイスホッケーやテニス観戦も楽しみました
もちろん、オリンピックの時だけでなく、他競技観戦は僕にとっては大きな楽しみの一つ。なにしろ、専門分野であるサッカーと違って、無責任かつ気楽に楽しむことができますから(ビールとか飲みながら、ね)。
昔、ジーコ監督の時代に日本代表がチェコに遠征したことがありました。久保竜彦が凄いシュートを決めて、日本が勝った試合です。その時にはちょうどプラハでアイスホッケーの世界選手権をやっていたので、大好きなアイスホッケーを堪能しました。
2015年のアジアカップがオーストラリアで開かれた時には、全豪オープンをやっていたので錦織圭の試合を2試合も見ることができました。
アジアカップの会場の一つであるメルボルンのレクタンギュラー・スタジアムは全豪オープン会場のメルボルン・パークのすぐ隣にありました。で、試合の日にも(まさについでに)朝から全豪オープンを観戦するという贅沢ができました。
さらに、メルボルン・パークのすぐ北側には南半球最大と言われる10万人収容の「メルボルン・クリケット・グラウンド(MCG)」もあります。かつて、日本代表もここでオーストラリア代表と対戦したことがあります。
アジアカップの期間中、そのMCGでクリケットの国内リーグ戦があったので、それも見てきました。あまり日本には馴染みのないクリケット。のんびりしたゲームですが(プレー中の選手がテレビのインタビューに答えたりしています)、結構面白い試合でした。「何日もかかる」というのは昔の正式ルールの話。現代のリーグ戦は3時間程度で終わります。
ちなみに、「レクタンギュラー」というのは長方形という意味の英語。クリケット・グラウンドが「オーバル(楕円)」と呼ばれるので、オーストラリアではサッカー場を「長方形」と呼ぶのでしょう。