30日、東京オリンピックの女子サッカーの準々決勝が行われる。 グループステージでは想像以上に苦しんだなでしこジャパン。懸…

30日、東京オリンピックの女子サッカーの準々決勝が行われる。

グループステージでは想像以上に苦しんだなでしこジャパン。懸念されていた通り、格上との戦いでは相当な劣勢を強いられた。

21日の初戦カナダ女子代表戦は、先制されながらも終了間際に追い付いて1-1。24日のイギリス女子代表戦は0-1で惜敗し、最終節のチリ女子代表戦では1-0の勝利を収めて決勝トーナメント進出を決めた。

準々決勝の相手はFIFAランキング5位のスウェーデン女子代表。過去の対戦成績は5勝3分け5敗と五分だが、近年の両チームの成績を踏まえると、これまで以上にタフな試合が予想される。

◆最少得点、最少失点

なでしこジャパンのグループステージでの成績は1勝1分け1敗。ここまで2失点は決勝トーナメント進出を決めた国の中で最少タイだ。

一発勝負のトーナメントは堅い試合になりがち。その意味では、ここまで大崩れしていない守備陣の粘りが、勝利を手繰り寄せるカギになるだろう。

スウェーデンはサイド攻撃を特徴とし、高さと強さを兼ね備えたFWも多数存在する。大前提としてクロスを上げさせない守備ができるかどうか。そして、両センターバックを中心に失点ゼロの時間をどれだけ続けられるかだろう。

一方で、2得点も8カ国中最少。攻撃面では親善試合のようにボールを支配して崩し切る場面を作り出せておらず、決定的なフィニッシュシーンまでに至っていない。

チャンスは増やしたいが、トーナメントであることを考えれば大きなリスクを避けたいのも事実。消極的かもしれないが、実力差を考えれば、機を窺いながらいかに少ないチャンスをモノにできるかだ。

2018年の女子アジアカップはまさにそのような展開で優勝を手にした。ジョーカーとなり得るカードも持っているだけに、我慢比べに挑むことが勝利への近道だろう。

◆優勝候補の筆頭に!

対するスウェーデンは、初戦で優勝候補のアメリカ女子代表に3-0と快勝。女王に45試合ぶりの土を付け、一躍優勝候補の筆頭に躍り出た。

続く第2戦のオーストラリア女子代表戦を4-2で勝利して決勝トーナメント進出を決め、第3戦のニュージーランド女子代表戦はターンオーバーを決行しながら2-0で白星を収めている。

システムは2ボランチ型の[4-3-3]をメインに採用し、前線からのプレッシングとサイド攻撃、クロスを中心とする強敵だ。

両ウイングのFWソフィア・ヤコブソン、FWフリドリーナ・ロルフォを軸にサイドを崩し、中央ではチームの得点王FWスティーナ・ブラックステニウスが待ち構え、トップ下のFWコソヴァレ・アスラニが、3トップを自在に操る。

5年前の前回大会は銀メダル、2019年の女子ワールドカップ(W杯)は3位と結果を残しているが、世界大会でのタイトルは獲れていない。上記の2大会を経験したメンバーも多数存在し、悲願の初優勝に向けて機運は高い。

◆スタメン予想[4-2-3-1]

GK:山下杏也加

DF:清水梨紗、熊谷紗希、南萌華、宮川麻都

MF:林穂之香、中島依美

MF:木下桃香、長谷川唯、杉田妃和

FW:菅澤優衣香

監督:高倉麻子

最終節まで予断を許されない戦いが続いていたため、DF熊谷紗希(バイエルン/ドイツ)、DF清水梨紗(日テレ・東京ヴェルディベレーザ)を休ませることはできなかった。岩渕真奈(アーセナル/イングランド)のコンディション面も不安視されており、改めて中2日での連戦の難しさを感じさせる。

GKは山下杏也加(INAC神戸レオネッサ)と予想する。これまでは押し込まれつつもGKのセーブ機会の少ない展開であったが、準々決勝は枠内に飛んでくるシュートが増えるだろう。ならば、ショットストップに優れる山下が優勢だろう。

最終ラインに関しては、前述の熊谷、清水を外す選択肢がないだろう。センターバックの相方はDF南萌華(三菱重工浦和レッズレディース)、左サイドバックは守備力を考慮してDF宮川麻都(日テレ・東京ヴェルディベレーザ)だと予想する。特に南は空中戦に強く、増加が見込まれるクロス対応で力を発揮するはずだ。南、宮川ともにチリ戦では休養を与えられており、疲労度も問題ないと思われる。

ボランチのチョイスはMF中島依美(INAC神戸レオネッサ)とMF林穂之香(AIKフットボール/スウェーデン)と予想。中島は高倉監督が就任してから起用され続けているため、この大一番で外すとは考えにくい。相方はイギリス戦、チリ戦で好パフォーマンスを披露し、スウェーデンで揉まれている林と予想する。

2列目が3枚の場合、トップ下は長谷川唯(ミラン/イタリア)が濃厚だ。懸念は疲労度。第1戦、第2戦をほぼフル出場、チリ戦では点が欲しいはずの同点時の66分に途中交代していた。崩しのアイデアを持つ貴重なピースだけに、欠かすことはできないだろう。

サイドハーフは左にMF杉田妃和(INAC神戸レオネッサ)、右にはMF木下桃香(日テレ・東京ヴェルディベレーザ)を大胆に予想した。杉田は前線からの守備もプレスバックも効いていた。攻撃にも推進力をもたらし、左サイドに活力を持たしている。右サイドはここまでMF塩越柚歩(三菱重工浦和レッズレディース)が2試合に先発出場しているが、チリ戦で木下が見せたアグレッシブさは周囲に可能性を感じさせた。ニューヒロインの誕生という期待も込めてスタメンと予想する。

岩渕が万全ならば2トップを採用するだろうが、コンディションを考慮してベンチスタートと予想。トーナメントに入り延長戦の可能性もあるため、ジョーカー起用も決して悪い策ではないだろう。

そのため、1トップにはFW菅澤優衣香(三菱重工浦和レッズレディース)を予想する。純粋なポストプレーになれるのは彼女だけだろう。前半をフィジカルで推す菅澤で引っ張り、後半から駆け引きを得意とするFW田中美南(レバークーゼン/ドイツ)という、第1戦や第3戦のような交代策が有力か。

ここまでは強豪国相手に苦戦を強いられているなでしこジャパン。だが、トーナメントではなにが起こるかわからないと、過去に実証したのもなでしこだ。スウェーデン代表戦は、19時から埼玉スタジアム2002で行われる。